JR西日本 森本駅発行 金沢駅ゆき往復乗車券

1987(昭和62)年8月に、JR西日本北陸本線(現・IRいしかわ鉄道IRいしかわ鉄道線)の森本駅で発行された、金沢駅ゆきの往復乗車券です。


   

桃色こくてつ過渡期地紋のA型往復券で、大阪印刷場で調製されたものです。
経由欄に「鉄道経由」と記載されている比較的珍しいもので、森本駅から金沢駅間には、国鉄時代から名金線という自動車路線が並行しており、国鉄民営化以後もJR西日本に移管されて営業されていたため、経路と区別するための経由表記であったものと思われます。


   

裏面です。券番と発行駅名の他、「下車前途無効」の文言になっており、自動車線に関する記述はありません。

名金線は名古屋駅から岐阜県、富山県を経由して金沢駅に至る本線と枝分かれする支線で形成された自動車路線で、国鉄民営化に伴ってJR西日本とJR東海に移管されています。
その後、JR東海に移管された部分についてはジェイアール東海バスに継承され、JR西日本に移管された部分も、御紹介の券が発行された7ヶ月半後の1988(昭和63)年4月に西日本ジェイアールバスに継承されています。
しかし、2002(平成14)年にはジェイアール東海バスが名金線を含む不採算路線から撤退することになって廃止され、岐阜乗合自動車が一部区間の代替運行を開始するようになっています。
西日本ジェイアールバスは砂子谷停留所~小又西口停留所間の支線である土山線を廃止していますが、現在でも運行されています。

御紹介の券は往路と復路共に鉄道経由の往復乗車券になっていますが、国鉄時代やJR西日本が自動車線を西日本ジェイアールバスに継承する前であれば、往路が鉄道、復路は自動車といった一周の乗車券も発行可能であったことでしょう。

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