趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
関東バス 乗車証票
関東バスは東京都の城西地区に路線網を持つバス事業者で、現在(2011年当時)でも3扉車を運行させていることで知られている会社です。
赤と白のカラーリングの車体はボンネットバスの時代から引き継がれており、中央線の新宿・中野・杉並各区および武蔵野・三鷹・小金井各市にある駅ではよく見かけるバスです。
東京近郊のバス事業者はPASMOやSuicaを利用した乗車券のIC化が進んでおり、回数乗車券や1日乗車券などの紙の乗車券類を廃止してしまっているところが多く、同社も多客期用の往復割引乗車券といったものを除き、常時発売している紙の乗車券類はありません。
しかし、今でも非売品ですが、紙の乗車券類が残されています。
これらは「乗車証票」という乗車券のようなもので、正確には乗車券ではなく、「金券」の扱いとなっています。
これは運賃箱への過投入等のために旅客に現金を返却する際に代用使用されるもので、100円券と10円券の2種類があります。紙質は若干厚めで、金額別に青色と黄色に色分けされています。
同社社内では現金同様の扱いをすることとなっており、これを所持する旅客が払戻し請求を希望する場合には、営業所や案内所で払戻しをするように案内されています。
券はかつての回数券のような大きさで、5枚づつ冊子状になっており、点線で切り取って交付されます。
裏面には乗務員の署名をするようになっており、署名・捺印のうえで交付するのが正しい交付方法のようです。
南馬場駅発行 国鉄連絡乗車券
昭和39年1月に京浜急行南馬場駅発行された、品川駅接続の国鉄線10円区間ゆきの地図式連絡乗車券です。
南馬場駅は京急本線上の駅でしたが、昭和50年に北品川駅~青物横丁駅間が高架化された際、先に出来た下り線の駅が隣接する北馬場駅と統合され、「北馬場・南馬場駅」となっています。
その1年後の昭和51年には上り線の高架も完成し、「北馬場・南馬場駅」は「新馬場駅」に改称されて現在に至っております。
香月駅発行 130円区間ゆき硬券乗車券
昭和60年3月に香月駅で発行された、130円区間ゆき金額式硬券乗車券です。
香月駅は北九州市にあった、香月線の終着駅です。
同駅は北九州市八幡西区に位置しておりますが、北九州市の中心である小倉駅から北九州市を出て中間市と水巻町を経由して再度北九州市に入る経路となっていたため、特定都区市内である北九州市内の駅からは除外されておりました。
古い補充券のご案内文を見ると、香月駅が北九州市内には含まれていない旨の文言をご覧になられた方もおられると思います。
このような補充券ではお馴染みの香月駅ですが、この券の発行された3月31日限りで営業を終了し、翌4月1日に香月線の廃止と共に廃駅となる運命となってしまっています。
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