2001年9月11日に起きた全米同時多発テロで、崩落した世界貿易センタービルの瓦礫の中から奇跡的に生還した2人の警察官の実話。
監督は、「プラトーン」、「7月4日に生まれて」、「JFK」など、数多くの社会派ドラマを発表してきたオリヴァー・ストーン。ただ、この映画では、これまでの作品とは一味違い、政治的な背景は一切無くし、生き埋めになった二人の警官とその家族のドラマを丁寧に描くことに専念している。
かなり実話に忠実に再現しているせいか、リアリティは感じられるが、映画としての盛り上がりや感動といった点では、少し物足りなさも正直感じる。だが、映画の後半にも述べられているとおり、この映画を作った意義が、こうした出来事が本当にあったということを時の流れとともに多くの人々の記憶から薄れてしまうのを防ぐことだと考えると、充分にその役割を果たせる出来の映画だと思う。
人間のおろかな行為で多くの人が死んだが、その中にあって多くの人々の善意によって命を助けられた人々もいたのだ。これが実際に起こった事実であることを思うと、人間のおろかさに胸が痛むのと同時に、そのやさしさに涙がこぼれてしまった。
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