ソウルの中心を流れる漢江の河川敷で、小さな売店を営みながら暮らすパク一家。普段と変わらない日を送っていたが、ある日突然、漢江から飛び出してきた謎の巨大な怪物に娘ヒョンソを奪われてしまう……。
駐留米軍がホルムアルデヒドを漢江に垂れ流した事件から着想を得ているらしいが、一見突拍子もない設定で、一歩間違えるとあまりおもしろくないB級映画になってしまいそうな題材をここまで楽しめるエンターテイメント作品にした力量は素晴らしい。監督は「殺人の追憶」で有名なポン・ジュノ。そう聞くと確かに納得。
見ていておもしろいのは、ヒョンソを奪われた後のパク一家の反応だ。普通のハリウッド映画なら、このダメ親父が結局はヒーローになって娘を助け出すというあらすじになるだろうが、この映画はそう一筋縄ではいかないストーリー展開になる(ネタばれになるのでいえないが)。怪物に対して駐留米軍が全然役に立たないという映画の内容はもちろんのこと、こういうところにも韓国のアメリカに対する批判的なメッセージが込められているのかもしれない。
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