アフリカのナイロビでイギリスの外交官として働くジャスティンは、救援活動家である美しい妻テッサを殺されてしまう。彼女の死の真相を知りたいジャスティンは、妻が追っていた事件が薬品メーカーによる現地の人々を使った人体実験であることを突き止める。
この映画の感想を書こうとしたが、その内容を思い出しただけで、心が締め付けられるような思いがする。観終わってから時間が経つというのに、それでもじわじわと感動がよみがえってきて、この作品の素晴らしさを再確認した。
映画が始まって数分もしないうちに、主人公ジャスティンの妻テッサは殺されてしまう。ガーデニングが趣味の物静かで、妻の活動にもあまり関心のなかったジャスティンは、その死に疑いを持つ。ストーリーは、薬品メーカーの陰謀や国家権力との癒着などが絡み、サスペンスタッチで進んでいきます。その途中で、彼と妻との間であった出来事がフラッシュバックのように織り込まれています。この映画は、サスペンスと恋愛という二つの異なるテーマの織り交ぜ方がすごくうまい。最初は、死んだ妻の行動を疑っていたジャスティンだが、事件の真相が徐々に明らかになるにつれ、彼女がいかに自分のことを愛していたのかが、徐々に理解できてくるのである。妻の本当の愛に気付いた時には、その妻がこの世にいないという悲しさとやるせなさ。そして、彼のとった行動は、、、ラストは涙を止めることができませんでした。
監督は、ブラジルの貧民街の少年達を迫力ある映像で描いた「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス。今作でも、ケニアのスラムに住む人々の生活が、リアルに生き生きと描かれていたのも印象的だった。
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