独裁国家となった近未来のイギリスを舞台に、反ファシズムを掲げ、テロ行為を繰り返す謎の男“V”が、英国政府の転覆を図ろうとする。
アラン・ムーアの同名コミックを「マトリックス」の製作チームだった、ジョエル・シルバーとウォシャウスキー兄弟が映画化。見に行く前までは、ウォシャウスキー兄弟が監督をしているのかと思っていたが、実際は、ジェームズ・マクティーグという新人(?)が監督を務めている。
この映画の主人公である、Vの仮面のモデルになっているのは、劇中にも少し出てきたが、1605年11月5日に英国国会議事堂の爆破未遂事件を起こし、翌年処刑されたガイ・フォークスという人物。その事件の後、イギリスでは、11月5日をガイ・フォークスデイといい、各地で花火が打ち上げられる慣わしがあるそうだ。ビートルズフリークなら知っているかもしれないが、ジョン・レノンがアルバム「ジョンの魂」の「REMEMBER」という曲の最後に「11月5日を忘れるな」と歌っているのはそのことだ。というわけで、イギリス人がこの映画を見ると、また違った感動を味わえるのだろう。
この映画は、政治色の強い映画であり、派手なアクションはそうないので、「マトリックス」の製作者たちが送る、なんていうテレビのCMから、同様のアクション映画を期待して見に行くと失敗するかもしれない(とはいえ、アクションシーンが目立つ「マトリックス」もある意味、その世界をひっくり返そうとする革命の話なのだが)。しかし、ドラマ部分はしっかり作りこまれているし、メッセージ性も高く、なかなか見ごたえのある映画であることは間違いないだろう。しかも、ラストは非常に感動させられました(泣)。
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