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器、木船など道内有数の民具を展示! アイヌの伝統文化を未来へ伝える博物館へ

2016-09-03 | アイヌ民族関連
コロカル 2016年9月2日 (金) 20:05 配信

一歩足を踏み入れると、あらわれるのは壮大なスケールの展示空間。
〈平取町立二風谷アイヌ文化博物館〉では、 国会議員もつとめたアイヌ文化研究者・アイヌ民族の故 萱野茂さんが 収集した重要有形民俗文化財 「北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション」1121点のうち、919点を所蔵・展示しています。国文化財に指定されたこのコレクションから平取地域のアイヌの人々の歴史と文化に、深く触れることができる場です。
展示室は〈アイヌ〉人々の暮らし、〈カムイ〉神々への信仰、〈モシリ〉大地の恵み、〈モレウ〉造形の伝承と4つに分かれ、伝統的な生活道具を中心に、アイヌの暮らしぶりを紹介しています。
木綿の生産がなかったアイヌ民族にとって、こうした生地は主に和人との交流のなかで得たもの。
平取地域ではオヒョウなどの木の樹皮を使った〈アットゥシ〉と呼ばれる織物が、途絶えることなく受け継がれてきました。
二風谷でつくられるこのアットゥシと、彫刻の施された平たい木製のお盆〈イタ〉が2013年、北海道で初めて伝統工芸品として指定。展示では、使い込まれた美しいアットゥシやイタを見ることができます。
狩猟・採集を主な生業にしていたアイヌの人々が、森で仕掛けていたワナを実際に試せるコーナーも。アイヌの人々の暮らしの道具には、実用的ながらも美しいデザインを数多く見ることができます。
「興味深いのは、漆や金箔を使う技術のなかったアイヌ民族の生活道具に、これらがしばしば使われていること。当時アイヌの人と和人の交流のなかで、本州で加工された可能性が考えられます」
展示品について丁寧に教えてくれた学芸員の長田佳宏さんは、そう語ります。このほかに装飾に使われたガラス玉、鉄や刀なども、本州圏や北方圏との交易などで得ていたもの。外の世界とつながりながら生活を送っていた姿が浮かび上がります。
二風谷地域を流れる沙流(さる)川では今も〈チプサンケ〉と呼ばれる、舟おろしの儀式が行われています。これは古代から伝わる技法でつくられた舟に魂をいれる進水の儀式。毎年8月中旬頃に一般公開され、参加者は約1キロの川下りを体験することもできます。古代舞踊の演舞のほか、前日には〈ウトムヌカラ〉(アイヌ式風習結婚式)なども行われているので、あわせて訪れてみたいイベントです。
祭祀に使われた草木や生活に密着した食生活についても、実物が展示されているのが特徴。なかにはイナキビ、アワのように、現在も沙流川地域で栽培されているものもありますが、確保しにくい素材も多いそう。
平取地域では、アイヌの伝統的生活空間づくりのための自然素材を育成する〈イオル再生事業〉として、生活用具をつくるのに必要な樹木や野草を育てる森づくりやチセの制作に使われるヨシの栽培など、まちぐるみで伝統再生への取り組みを進めています。
博物館からすぐの距離には、地域の発掘調査成果や出土品が展示される〈沙流川歴史館〉や、博物館の母体になったコレクションの一部や世界各地の先住民族の工芸品が見られる〈萱野茂 二風谷アイヌ資料館〉があり、気軽に立ち寄ることができます。
平取地域はアイヌ文化を受け継ぎ未来へとつなぐ、道内で最も大きな拠点です。この3つの施設をつなぐ〈匠の道〉沿いにある、工芸家たちがそれぞれ営む民芸品店でのお土産探しもお楽しみのひとつ。
匠の道沿いにはアイヌ民族の住居〈チセ〉が建てられ、かつての〈コタン〉(集落)の姿を見られるほか、春から秋にかけてチセの内部で地元の古老による「ユカラと語りべ」が開かれ、訪れる人にアイヌ語でのお話や神謡を聞かせてくれます。
博物館のとなり、イオル再生事業の中心となる〈平取町アイヌ文化情報センター〉では、イタとアットゥシをはじめ、まちに住む工芸家たちが制作したアイヌ伝統工芸品を展示販売するほか、ムックリや刺しゅうコースター、木彫コースターの体験学習を行うことができます(予約は二風谷アイヌ文化博物館まで)。
「アイヌ文化の継承に力を注いでいる地域なので、
博物館も地域と歩調を合わせてさまざまな活動を行っています。北海道とその周辺地域で育まれ、継承されてきたアイヌ文化をより多くの人に体験していただきたいですね」
のどかな山あいにある平取町二風谷地域は、アイヌの人々が受け継ぐ暮らしを守り、今へと伝えています。ゆっくり流れる時間を感じながら、自然に寄り添って生きるアイヌ文化を探訪してみませんか。
平取町立二風谷アイヌ文化博物館
住所:沙流郡平取町二風谷55
TEL:01457-2-2892
開館時間:9:00〜16:30
休館日:4月16日〜11月15日定休なし、11月16日〜4月15日月曜、※ただし12月16日〜1月15日 館内整備のため休館
※チセでの〈ユカラと語り部〉は5月〜9月下旬の毎週土曜日16:00〜17:00(無料・予約不要)   
入館料 大人400円・小中学生150円(団体割引・共通券あり)
http://www.town.biratori.hokkaido.jp/biratori/nibutani/
http://colocal.jp/odekake/80061.html

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アイヌ遺骨 豪州にも アボリジニの遺骨と交換か

2016-09-03 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年9月2日 北海道朝刊
 オーストラリアのメルボルン博物館にアイヌの遺骨1体が保管されていることがわかった。京都市で開催中の世界考古学会議で8月30日、オーストラリア国立大の研究者が報告した。
 報告によると、遺骨は、日本の人類学者と同博物館担当者が「資料交換」として豪州などの先住民アボリジニの遺骨と引き換えに送った記録が残っているという。今後、性別や収集した場所、時期など詳細の調査をする。
 アイヌなど先住民の遺骨は19世紀以降、人類学などの研究名目で大量に収集された。毎日新聞の調査で、ドイツ国内にアイヌの遺骨17体が保管されていることが判明している。
 北海道大アイヌ・先住民研究センターの加藤博文教授(考古学)は「さまざまな先住民族の遺骨が研究者間のネットワークでやりとりされており、国内の大学や研究機関がアボリジニの遺骨を保管している可能性がある」と話した。【三股智子】
http://mainichi.jp/articles/20160902/ddr/041/040/003000c

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アイヌ政策の概算要求28億5900万円 象徴空間関連の建設費盛り込む

2016-09-03 | アイヌ民族関連
苫小牧民報(2016年 9/2)
 内閣官房アイヌ総合政策室は8月31日、2017年度アイヌ政策関係の概算要求額を発表した。総額は16年度比116%増の28億5900万円。白老町で20年に開設する「民族共生象徴空間」関連では、来年度に着工を予定している国立アイヌ民族博物館や国立民族共生公園、慰霊施設の建設費を盛り込んだ。
 主要項目は(1)「民族共生象徴空間」の具体化=20億3600万円(2)アイヌ文化の振興、普及啓発=3億4000万円(3)アイヌ生活向上等=4億5200万円(4)その他=3100万円。
 象徴空間関連では、国立博物館の整備と運営準備に13億6100万円、国立公園整備に5億500万円、アイヌ遺骨等の慰霊および管理のための施設整備に1億4000万円―などとしている。大学が保管するアイヌ遺骨の返還に向けた手続き調査研究などでも900万円を計上した。
 アイヌ文化振興などでは、アイヌ文化財団への補助などで3億2500万円、アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化事業として1500万円を求めている。
 アイヌ生活向上関連では、道内施策として高校生や大学生などに対する奨学金が9700万円、雇用・生活の安定が1億2700万円などとなっている。
 その他では、アイヌの人々の人権擁護啓発で400万円、アイヌ政策推進会議の開催経費などで2800万円としている。
http://www.tomamin.co.jp/20160942214

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日本人のDNA、12%を縄文人から受け継ぐ…総研大教授ら解析

2016-09-03 | アイヌ民族関連
読売新聞 2016年9月2日
 現代の日本人は、遺伝情報の約12%を縄文人から受け継いでいることがわかったと、総合研究大学院大の斎藤成也教授らの研究チームが発表した。
 特に、北海道のアイヌや沖縄県の琉球人は、遺伝的に縄文人と近いことも判明したという。人類遺伝学の専門誌に1日、論文が掲載された。
 チームは、福島県新地町の 三貫地さんがんじ 貝塚から出土した、約3000年前の縄文人男女2体の歯を調べた。微量のDNAを抽出することに成功し、現代人のDNAと比較した。
以下、有料。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160902-OYTET50006/

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