先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌ民族写真集完成/中標津・前沢さん

2017-12-06 | アイヌ民族関連
釧路新聞2017年12月05日  
 中標津町在住の写真家・前沢卓さん(70)の2冊目となる写真集「アイヌ民族 命の継承」が完成した。前沢さんは「撮影に協力してくれた人々には本当に感謝の念しかない。アイヌ文化の理解に少しでも役立ててもらえるなら幸い」と話している。
http://www.news-kushiro.jp/news/20171205/201712053.html

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「生産空間」人口減に歯止め 開発予算 農漁業振興へ圏域で連携

2017-12-06 | アイヌ民族関連
北海道新聞12/05 05:00
 開発局は来年度、名寄周辺、十勝南、釧路沿岸の3圏域で、先進的な農漁業の振興や地域の魅力向上につながる施策を進め、住民の定着を目指すモデル事業に本格的に取り組む。すでに2圏域で地元の行政、経済、農業関係者らによる検討会が発足し、農業の機械化や地場産業を生かした観光メニューづくりなど具体策の検討が始まっている。(報道センター 本郷由美子)
■名寄・釧路・十勝でモデル事業 農業法人化、景観の観光利用検討
 北海道総合開発計画(2016~25年度)で、国土交通省が初めて明確に打ち出した人口減対策の一環。道内には質の高い農水産品を生産し、日本の食料供給基地の役割を果たす地域が多数ある。一方で、後継者不足による産業の衰退や人口流出への懸念も強く、広域的な支援策が必要と判断した。
 開発局は、こうした1次産業を担う地域を「生産空間」と位置付け、食料生産の拡大や景観の観光利用、病院がある近隣都市との交通基盤整備などを通し、活性化を図る考えだ。本年度は関連予算1千万円を計上。モデル圏域として、稲作中心の名寄周辺、畑作や酪農が盛んな十勝南、水産が主要産業の釧路沿岸の3圏域を選んだ。
 11月には名寄市、十勝管内更別村でそれぞれ初の検討会が開かれ、周辺自治体の首長や農業団体の代表者らが参加した。「自動車テストコースの観光利用」「後継ぎがいなくても農地を継承できる農業の法人化促進」「豪華なキャンプ『グランピング』などアウトドア商品を発掘」といったアイデアを出し合った。
 釧路でも年度内に検討会を開き、来年中に全ての圏域で重点施策を決め、実現に向けたワーキングチームを発足させる。実行可能な施策は関係省庁が速やかに予算を確保し、25年度までに成果をまとめ、ノウハウをほかの圏域にも生かす方針だ。
 開発局開発計画課は「各自治体は人口減を見据えたまちづくりに着手しており、開発局もそれを支える必要がある。地域とともに一つ一つの施策で成果を上げたい」と話す。
 来年度はこのほか、海外市場と道内の中小生産者をつなぎ、輸出手続きを代行する事業や、新千歳空港の国際線ターミナルビル拡張、20年4月に胆振管内白老町に開設するアイヌ文化復興の拠点「民族共生象徴空間」整備などを計画し、17年度当初予算比18%増の6473億9700万円を概算要求している。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/149128

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アイヌ語復興、海外お手本 先住民族会議閉幕 連携の重要性確認

2017-12-06 | アイヌ民族関連
北海道新聞12/05 05:00
 世界13カ国から先住民族や研究者ら約100人が参加した「先住民族政策に関する国際会議」は4日、テーマ別に四つの会合を行い、閉幕した。アイヌ民族や各国の先住民族の研究者らは、言語や文化の復興について、互いの先進事例を学び合う重要性を確認した。
 言語・文化の復興がテーマの会合では、日高管内平取町の二風谷アイヌ資料館の萱野志朗館長が、アイヌ語の復興を目指して父の茂さん(故人)が始めたミニFM局などを紹介。それでも、アイヌ語の復興にはつながっていない現状を踏まえ「胆振・日高管内など道内の一部をアイヌ語の公用語地域とすれば普及するのでは」と提案した。
 スウェーデンの研究者は、同国の先住民族サーミの言語復興に向けて2010年に言語センターを開設し、若者向けに会員制交流サイト(SNS)を活用した取り組みが好評だったことを説明した上で、「他国の経験を学び、サーミとして発展させて取り入れている」と述べた。
 国際会議は、07年の「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択から10年を迎え、各国の取り組みを検証するのが狙い。
 会議後、組織委員会代表の丸山博・室蘭工大名誉教授は「日本政府もアイヌ政策を進める上で、海外の先進的な事例を学ぶべきだ」と語った。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/149122

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道南バス、車内放送でアイヌ語検討 日高を走る一部区間

2017-12-06 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2017/12/5配信

苫小牧から平取方面へ向かう道南バスの車両
 道南バス(本社室蘭市)は、内閣官房アイヌ総合政策室の要請を受け、来年4月にも日高地方を運行する路線バスの一部区間で、アイヌ語の車内放送を流すことを検討している。アイヌ文化が息づく日高地方を走るバスを活用し、民族文化を広く知ってもらおうという試みだ。
 アイヌ総合政策室北海道分室(札幌市)によると、アイヌ文化をよりアピールする手段について、大学の研究者や自治体などと協議する中、アイヌ語の車内放送を発案。9月に同分室の担当者が道南バスに協力を依頼。同社も趣旨に理解を示し、実施に向けた検討を進めている。
 アイヌ語の車内放送を導入する路線の候補として挙がっているのは、苫小牧-平取間などを走るバスなど。専門家の協力の下、乗客へのあいさつや注意事項、行き先などをアイヌ語に翻訳して録音。日本語のアナウンスも付け加えて放送する形を想定している。
 同分室は「アイヌ文化の伝承活動が活発な平取町を中心に走るバスへの採用を考えている。地域の理解や協力が必要なので、具体的なことが決まれば周知したい」とし、道南バスは「協力する方向で検討している」と話す。
 バス乗客に民族文化への関心を高めてもらう試みに対し、導入路線の候補に挙がる平取町も期待する。同町は2008年度からコタン(村)を再現した伝承活動の拠点整備や、伝統料理に使う食材植物の栽培などイオル再生事業を展開。アイヌ文化の伝承や発信を政策的に進めており、遠藤桂一副町長は「アイヌ語に多くの人が触れる契機になってくれれば」と言う。
 同町の二風谷アイヌ文化博物館も「20年に白老町に民族共生象徴空間が整備されることもあり、よりアイヌ民族について関心を持ってもらえる」と歓迎。森岡健治館長は「アイヌ文化の振興には、関係機関が長期的に活動を続けることが重要」とし、「アイヌ民族にとって言葉は魂。車内放送でアイヌ語のあいさつや地名を耳にしてもらうことで、民族文化への理解が深まり、文化振興につながれば」と期待を寄せた。
https://www.tomamin.co.jp/news/main/12738/


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ポロト休養林を観光活用へ アイヌ文化体験計画 本年度内にモニターツアー

2017-12-06 | アイヌ民族関連
北海道新聞 2017/12/02

アイヌ文化体験ツアーの実施などを目指すポロト自然休養林
【白老】町や白老観光協会、アイヌ民族博物館などは、ポロト湖畔の国有林「ポロト自然休養林」を観光に活用し、アイヌ文化体験ツアーなどを実施することを目指している。アイヌ文化復興の拠点「民族共生象徴空間」の2020年開設を受け、町内を訪れる観光客が増えることを見据えたもので、「ポロトの森エコミュージアム推進協議会」を設立し、本年度内にモニターツアーを実施する。
 胆振東部森林管理署によると、休養林はポロト湖周辺の約400ヘクタール。今年4月には林野庁の「日本美しの森 お薦め国有林」に選ばれ、森林景観を生かし、観光地としての魅力向上を図る方針が示されている。
 協議会は、森を案内できるガイドを育成するほか、アイヌ民族の自然観に触れるトレッキングや野草茶作り、エゾシカの解体や料理など体験ツアーを企画するなど、観光客の受け入れ態勢を整える。(田鍋里奈)
残り:254文字/全文:622文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/148675

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札幌五輪招致に尽力 日本人IOC委員のスピーチ音声公開

2017-12-06 | アイヌ民族関連
NHK 12月5日 18時45分
ピョンチャンオリンピックまであと2か月となる中、昭和47年の札幌オリンピック招致で大きな役割を果たしたとされる日本人のIOC委員がスピーチしたテープの音声が、東京・港区の慶應義塾大学で初めて一般に向けて公開されています。
東京・港区の慶應義塾大学で公開されているのは、昭和14年にIOC委員に就任し、昭和47年の札幌オリンピックの招致などに力を尽くした高石真五郎氏のテープの音声です。
優れた国際感覚から各国のIOC委員から信頼を集めていた高石氏は、札幌オリンピック招致に向けたIOC総会に病気で出席できず、みずからのスピーチをテープに録音して流しました。
この中で高石氏は、「北海道は、アイヌと呼ばれる少数の民族の住む島だった。パイオニア精神を持った札幌市民や北海道民はオリンピック開催に向けて全力で結集することと、私は確信している」とスピーチしています。
投票前に行われたIOC委員の討論で流されたこのスピーチが大きな感銘を与え、当時のIOCの会長が、「タカイシに対する最上の見舞いは、札幌に大会を与えることだ」と発言するなど、招致の決め手となったと言われています。
慶應義塾大学の都倉武之准教授は「スポーツを結果だけでなく、歴史の視点から楽しめる。貴重な高石氏の肉声を聴いてほしい」と話しています。
このテープは東京・港区の慶応義塾大学三田キャンパスで今月13日まで開かれている、大学の体育会創立125年を記念した展示会で公開されています。
「友情のメダル」も展示
このほか、会場には、およそ160点のスポーツに関わる品々が展示されています。
このうち昭和11年のベルリンオリンピックの陸上、棒高跳びで、同じ記録で2位と3位になった早稲田大学の西田修平選手と慶応義塾大学の大江季雄選手が決定戦を辞退し、帰国後、銀メダルと銅メダルを半分ずつ接合した「友情のメダル」として知られるメダルも展示されています。
また、男子バレーボールで東京オリンピックなど3大会連続でのメダル獲得に貢献した猫田勝敏選手や大古誠司選手など当時のメンバーのサインが記されオリンピックの試合でも実際に使われたボールなども展示されています。
会場を訪れた86歳の男性は、「母校にこんな歴史があることを大変誇りに思う。これらの品を一同に見る機会はなかなかないので興味深い」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171205/k10011247431000.html

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トランプ、ユタ州の国定記念物保護地域を大幅縮小 ナバホ族など猛反対

2017-12-06 | 先住民族関連
Newsweekjapan 2017年12月5日(火)11時30分

12月4日、トランプ米大統領(中央)は、ユタ州にある2カ所のナショナル・モニュメント(国定記念物)指定保護地域の範囲を大幅に縮小すると発表した。同州で撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)
トランプ米大統領は4日、ユタ州にある2カ所のナショナル・モニュメント(国定記念物)指定保護地域の範囲を大幅に縮小すると発表した。これらの地域の開発促進が狙いだが、ナバホ族などの先住民や環境保護団体は猛反発しており、訴訟を通じて異議を申し立てる構えだ。
この決定は、トランプ氏が4月にこれまでのナショナル・モニュメント指定を再検討して州や自治体の土地管理権限を拡大するよう求める大統領命令を発し、内務省が審査した結果を受けたもの。
トランプ氏は「ユタ州の天然資源を遠く離れたワシントンで一握りの役人がコントロールすべきだという考えをどう思うか。それは間違いだ」と語った。さらに過去の大統領たちが自らの権限で指定できるナショナル・モニュメントを乱発し、鉱業や石油開発のための土地利用を不必要に大きく制限してきたと批判した。
今回の決定で、オバマ前大統領が指定した130万エーカー(50万ヘクタール)に及ぶベアーズ・イヤーズ地域は、2つに分割されて計22万8784エーカーに縮小。クリントン元大統領が指定したグランド・ステアケース・エスカランテ地域もほぼ半分となり、3つに分けられる。
これに対してナショナル・モニュメント指定を推進し、地域の現地管理をしている5つの先住民部族の指導者は、トランプ政権を訴えると表明した。ネーティブ・アメリカンの権利保護のための基金の代理人は「5部族はベアーズ・イヤーズを守るために団結している」と述べた。
環境保護団体やアウトドア用品を扱うパタゴニアも、トランプ政権はナショナル・モニュメントに対する国民の支持を無視していると主張し、裁判を起こす意向を示している。
[ワシントン/ソルトレークシティー 4日 ロイター]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/12/post-9044.php

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トランプ氏、米国の理想と断絶 極右を擁護

2017-12-06 | 先住民族関連
BBCニュース2017年12月5日 ジェイムズ・クック北米特派員

ドナルド・トランプ大統領は普通の大統領ではない
自分が世界のどこにでも持っていく、大事にしているものがある。ペンギン・ブックス刊行の「20世紀のスピーチ」というペーパーバックだ。あまりにあちこちに持っていくので、もうぼろぼろになっている。
表紙の写真では、ジョン・F・ケネディ大統領が演台をぎゅっとつかんで、とうとうと演説している。裏表紙では、マーティン・ルーサー・キング牧師がワシントンDCのリンカーン記念堂で、群衆を前に手を挙げている。
2つ目の写真をじっと見ていると、リズミカルで朗々と響く、キング牧師の声が聞こえてくるようだ。牧師が夢を語る時の声の抑揚、かすかなビブラートが聞こえてくる。
2枚の写真に挟まれて、この本は民主主義の理想に光り輝く、さまざまな演説を紹介している。その多くは歴代の米大統領によるものだ。
1919年9月にコロラド州プエブロで国際連盟の意義を強調した、ウッドロウ・ウィルソン大統領の演説もある。「米国人が常に立ち上がり、手を差し伸べるものが1つある。それは、正義と自由、平和の真実だ」。
ハーバート・フーバー大統領が1928年10月にニューヨークで、保守主義の重要性を強く訴えた演説も含まれている。「『進歩の歩み』は『個人の秩序ある自由と機会均等』の上に成り立っている」と。
翌年のウォール街大暴落でその進歩の歩みは突然止まり、1933年春にフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領の就任演説がラジオ放送で全米に流れる頃には、米国は大恐慌の真っただ中にあった。
ルーズベルト大統領の就任演説は、「ただひとつ恐れるべきは、恐れ自身である」という有名な一文が最も有名だが、そのほかの内容も素晴らしい。たとえば、「公職や高い政治的地位の意義は、その名声と個人的な利益のみにあるという、誤った考え」を警告している箇所などがそうだ。
民主党のルーズベルト大統領は、共和党の前任フーバー大統領の「徹底した個人主義」を断固として否定したかもしれない。しかし、2人とも同じように自由を重視していた。その証拠に、ルーズベルト大統領は1941年、「4つの自由」について議会で演説した。すなわち、言論の自由と信教の自由、欠乏からの自由、恐怖からの自由だ。
「他人の自由を犠牲にした上で、持続的な平和を得ることはできない」とルーズベルト氏は宣言した。
ワシントンのリンカーン記念堂から支持者に手を振るキング牧師(1963年8月28日)
ルーズベルト大統領の下、米国はその前年から、孤立主義をやめ、ファシズムとの戦いに加わるための長い道のりを、ゆっくり歩き始めていた。「民主主義の武器庫」という演説では、米国は英国の戦いに協力し、膨大な人員や物資を提供するべきだと、参戦を嫌がる国民に訴えかけた。
第32代大統領のルーズベルトから13人目を数える今、米国は内向きになるべきか、それとも世界と関わるべきなのかという議論が、ドナルド・トランプ氏のもとで再燃した。
トランプ大統領は、自分は孤立主義者ではないと主張する。しかし、米国の外交政策は単なる取引の産物なのだと断定し、「米国第一」を掲げてきた。「米国第一」とは元々、ヒトラーとの戦争を望むルーズベルト大統領に対抗するため、反対勢力と結びついたスローガンだった。
1940年代の「米国第一委員会」の最も有名な論客は、世界的に名高い飛行家のチャールズ・リンドバーグ氏だった。「戦争を扇動している」と複数のユダヤ人団体を非難しながら、自分はナチス支持者だと非難された。
「米国第一」のスローガンを受け入れることそのものは、ただちにファシズムではない。しかし、考慮すべき要素はほかにもある。
リンドバーグ氏とルーズベルト大統領にとって、真珠湾への日本の攻撃が全てを変えた。米軍は1944年、仏ノルマンディーの海岸に上陸し、ナチスの銃弾を浴びながら突き進んだ。
その40年後、ロナルド・レーガン大統領はノルマンディーから英仏海峡を見下ろすポワント・デュ・オックに立ち、米兵の犠牲を追悼した。「この場で連合国は、独裁と戦い、人類史上ほかに類を見ない巨大な偉業を成し遂げた」と。これも私の演説の本に載っている。
もちろん、米国は常に、自分たちの理想の通りに行動してきたわけではない。
今週は、米軍がコロラド州のシャイアン族とアラパホー族の女性や子供たちを殺害し、遺体を切断した、「サンドクリークの虐殺」の153年目に当たる。白人が新大陸の先住民を征服する過程で、こうした大虐殺が次々と起きた。
民族虐殺(ジェノサイド)と奴隷制を土台に作られた米国は、恥ずかしいほど長いこと、民主主義の理想を語る声に耳をふさぎ続けた。
「民主主義の約束を実現」すべきだと繰り返し訴えるマーティン・ルーサー・キング牧師の声を、米国が聞き入れるようになるまでには、長い月日がかかった。
ウッドロウ・ウィルソン大統領も理想の実現から目を背けた一人で、美辞麗句を口にしながら、人種差別的な政策も導入した。今でもその民主主義の約束は部分的にしか達成されていない。
米国は民間人を爆撃し、裁判なしで拷問や投獄を重ねてきた。民主主義の尊重を掲げながら、民主主義がもたらすものが気に入らなければ、民主主義そのものをゆがめてきた。
トランプ氏はフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領などの独裁的指導者を称賛している
第45代大統領のトランプ氏は、このことを少なからず認識しているようだ。トランプ氏は就任直後にフォックスニュースに対して、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を尊敬していると述べた。
番組の司会者が、「でも、人殺しですよ。プーチンは人殺しだ」と反論すると、トランプ氏は「人殺しはたくさんいる。うちにもたくさんいる。それとも何か、この国はそんなに潔白だと思ってるのか?」と答えた。
確かにその通りなのかもしれないが、だからといって米国大統領が、あっさり気軽に、公の場で堂々と、プーチン氏のロシアと米国を同じもののように語ったのは、その内心をあからさまに見せた、驚くべき瞬間だった。
米国史を通じて、国の指導者たちは往々にして、少なくとも建前上は、国の基盤となる価値観を大事に掲げるふりをしてみせてきた。全体主義の脅威に米国の存亡がかかっていたこともあった。ロシアの脅威に、米国の存亡がかかっていたことさえあるのだ。
ケネディ大統領は1963年にベルリンで、「自由には多くの困難が伴い、民主主義は完全ではない」と認めた上で、「だからといって、自分たちの国民を国内にとどめるよう、国外に出ないようにするため、壁を造る必要など、決してなかった」と演説した。
トランプ氏の物言いは、他の大統領とはかなり違う。
トランプ氏は信教の自由や人種間の和解を優先するどころか、極右に取り入るような言動を繰り返してきた。
バラク・オバマ大統領が米国生まれではないという差別的な嘘を、自ら広めた。
報道の自由を繰り返し妨害し、不都合な、あるいは批判的な報道を「フェイクニュース」だと、繰り返し退けてきた。
また、トルコのエルドアン大統領(「非常に高得点」)やフィリピンのドゥテルテ大統領(「素晴らしい関係」)、エジプトのシシ大統領(「あなたの靴が大好きだ」)などの独裁者たちに、熱心に接近してきた。
ロンドンのテロ攻撃に際しては、ロンドンのサディク・カーン市長に連帯を示すどころか、市長を攻撃した。市長はイスラム教徒だ。
【ロンドン攻撃】 カーン市長、「決してテロリストに勝たせない」
そして今回、おそらくこれまでで最も衝撃的なことが起きた。4000万人以上がフォローする自分のツイッターアカウントを使って、米国大統領が、英国の人種差別的な弱小極右団体「ブリテン・ファースト」を、大いに応援したのだ。
そればかりか、テリーザ・メイ英首相に批判されると、理屈の上では最も親しい外国首脳のはずのメイ首相をも攻撃した。
米英の「特別な関係」など、この程度のものだ。
トランプ氏が応援した英極右団体「ブリテン・ファースト」の支持者たち
来年始めに延期されたトランプ氏の英国公式訪問は、どうなるのか。英国民の大多数が声高に激怒することなしに、実現するとは思えない。しかし英政府は、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後を視野に米国との貿易協定を何としても結びたい状況にある。なので政府は、公式訪問は間違いなく実現すると力説している。
両国がナチス打倒のために肩を並べて戦った時代から、遠くかけ離れてしまった。
私の大事な本には、すばらしく理想主義的な数々の演説の合間に、まるでヒ素の粒のようにファシストや人種差別主義者の言葉が混ざっている。アドルフ・ヒトラー(「私の忍耐は限界に達した」)、ラインハルト・ハイドリヒ(「最終的解決」)、イギリス・ファシスト同盟のオズワルド・モズリー(「英国はいま再び偉大になろうとしている」)など。最後の方には保守党議員イーノック・パウエルの言葉もある(「テベレ川が大量の血で泡立っている」)。
こういうファシストの言葉を今あらためて読むと、疑問がひとつ浮かんでくる。当時の米兵たちは、いずれ自分たちの大統領がファシズムを応援できるようになるため、ノルマンディーの浜辺で戦って死んだのだろうか?
とんでもない疑問だ。ばかげた疑問だと言ってもいい。こんな質問をすること自体、不謹慎だという人も大勢いるだろう。
しかし、自分たちが目にするものをありのままに語るのが、私たち記者の仕事だ。そして、2017年現在の米国では実に簡単に、ファシズムと人種差別の広まりを目にする。
トランプ氏は「ブリテン・ファースト」のファシズムを拡散し、世界中にそのメッセージをとどろかせた。イギリス・ファシスト同盟の指導者モズリーの、後を引き継ぐような内容のものだ。
モズリーが1939年7月にロンドンのアールズ・コートで開いた大規模集会は、「ブリテン・ファースト」というスローガンが宣伝文句だった。モズリー自身もその晩の演説で「ブリテン・ファースト」と口にした。同じ演説でヒットラーを擁護し、「ユダヤ人金融の腐敗した利益」を攻撃しながら。
ウィキペディアはすでに削除されたウェブページを引用して、次のように説明している。現在の「ブリテン・ファースト」の目的は、「英国とキリスト教の倫理観」を守り、「先祖から伝わる民族的・文化的遺産」を保存し、「生来の英国人」が国の「人口の大半」を占め続けるようにすることだという。
白人至上主義団体クー・クラックス・クランは今年、米国各地の往来で公然と集会を開いた
トランプ氏は、自分が目指す「アメリカ第一」とは、人種や宗教に関わらず、すべての米国人にとってのものだと主張している。しかし反対勢力は、大統領が使うのはいわゆる「犬笛的表現」だと批判する。つまり、犬笛が犬にしか聞こえないように、特定の支持層には伝わる表現を駆使して、その支持を取り付けようとしているのだと。
大統領選への出馬を発表したその時点で、トランプ氏はメキシコ国境に壁を造り、「強制送還部隊」を創設し、米国から1000万人の不法移民を国外退去させると公約した。
「メキシコがこの国に送ってくるのは、メキシコの特に優れた人たちじゃない。麻薬や犯罪、強姦犯たちを送り込んでいる。中にはいい人たちもいるだろうが、国境警備隊に聞けば、どんなやつらが来ているのか教えてくれる」。これがトランプ氏の出馬宣言だった。
トランプ氏は黒人に殺された白人の割合について、偽の統計をツイートした(そして後に削除した)。
バージニア州シャーロッツビルでネオナチ集会に抗議していたヘザー・ハイヤーさんが殺害された際も、トランプ氏はまず、最初の反応は「色々な側」に責任があると発言。ファシストたちと並んで行進していた一部の「すごくいい人たち」を擁護した。大統領のこの発言はナチスと、ナチスに抗議する人たちを、道徳的に同等だと位置づけたものと受け止められ、与党・共和党の議員たちでさえ、あまりのことに慌てふためく始末だった。
2012年大統領選の共和党候補だったミット・ロムニー氏のツイートが、大勢の気持ちを代弁した。
「違う、同じじゃない。一方は人種差別主義者で、偏狭なナチス。もう一方は人種差別主義と偏見に反対する人たち。道徳的にまったく異質だ」
トランプ氏「相手の集団にも悪い連中」 シャーロッツビル衝突
イスラム教についてもトランプ氏は、共和党の従来の方針と正反対を行く。共和党はこれまでだいたいにおいて、世界人口の4分の1近くの約18億人を信者を持つイスラム教の一般的な思想と、過激派の思想を結びつけないよう、細心の注意を払ってきたのだが。
大統領候補だったトランプ氏は2016年3月、米CNNの司会者アンダーソン・クーパー氏から、イスラム教は欧米と戦争状態にあると思っているのかと質問された。答えの中身は、驚異的なものだった。
「イスラム教は私たちを憎んでいると思う。何かがある。すさまじい憎悪がある(中略)私たちに対する、信じられないような憎悪が」
真意を問いただされたトランプ氏はそれでもなお、イスラム教主流派と聖戦主義者の区別を拒否した。「線引きはとても難しい」と述べて。
選挙中のトランプ氏は「米国へのムスリム(イスラム教徒)たちの入国をすべて完全に停止する」よう呼びかけ、モスクの閉鎖と在米ムスリムのデータベース作成を、少なくとも検討はしていた。
今年1月末に大統領執務室で電話を取るトランプ氏。中央が連邦捜査局(FBI)への虚偽供述で有罪となったマイク・フリン大統領補佐官(当時)。右が、スティーブ・バノン首席戦略官(当時)
今世紀の終わりになって、トランプ氏のこのような発言がフーバーやルーズベルト、ケネディやレーガン各大統領のものと並ぶのだろうか? その場合、その並びは不思議なものに思えるのか。それとも普通のことになっているのか。そのころの米国は再び多文化共生の考えを推進していりうのか。それともいわゆる、安全だと言われる白人キリスト教社会の中に退却しているのか。
この2年の間、私は様々なトランプ支持者たちに会ってきた。その大勢は、本当に大勢は、親切で勤勉な米国人で、少数派への恨みつらみなど抱いていなかった。
しかしその一方で、ホワイトハウスの主人に声援を送る人種差別主義者や白人至上主義者たちにも、少なからず出会ってきた。
加えてトランプ氏は、影響力のある極右メディア「ブライトバート」に支持されている。率いるのは他ならぬ、スティーブ・バノン前首席戦略官その人だ。
バノン氏、トランプ氏を支持しない政権関係者は「辞任すべき」 米CBS出演
トランプ氏は、米国の民主主義的理想から逸脱した最初の大統領では、決してない。しかし同じ逸脱するにしても、トランプ氏のやり方はあまりにあからさまで、あまりに頻繁で、その態度はあまりに人種的に、そして宗教的に激烈だ。それゆえに、トランプ氏の行動は母国の分断を助長し、他国からの評判を危うくしている。
私の大事な演説集では、米国の理想主義の炎がまぶしく輝いていた。しかし今やその炎は、風前の灯だ。
(英語記事 Giving succour to the far right, Trump breaks with American ideals)
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-42234943

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アイヌ語の表現を競う大会(動画)

2017-12-06 | アイヌ民族関連
NHK 12月02日 18時53分
アイヌ語を学ぶ人たちが表現力などを競う大会が千歳市で開かれ、子どもから大人までおよそ40人がスピーチなどを披露しました。
この大会は、アイヌ文化振興法が20年前に制定されたことをきっかけに始まり、各地の教室などでアイヌ語を学ぶ人たちが成果を発表する場として、毎年、開かれています。
大会では、小学生から大人まで41人が口承文芸、弁論など4つの部門に分かれて、アイヌの神話や叙事詩のほか、自身のアイヌ語の学び方を紹介するスピーチなどを披露しました。
このうち千葉県から出場した小学1年生の女の子はアイヌの人たちに伝わる早口ことばを、紙芝居を使って説明しながら流ちょうに読んでいました。
また、白老町の20代の女性は自身が家族との交流の中でアイヌ語の歌などを覚えていった過去をアイヌ語で振り返りました。
会場では4人の審査員がアイヌ語の発音の正確さや表現力などについて評価し、部門ごとに優秀者が表彰されました。
白老町の20代の男性は「ほかの人の発表のレベルが高くいい刺激になった。アイヌ語を知ることが自分のアイヌ民族としてのアイデンティティになると思うので、これからも学び続けたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20171202/5954641.html

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