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パタゴニア創業者がトランプ告訴へ 環境保護地縮小に抗議

2017-12-07 | 先住民族関連
JAPAN Forbes 12/6(水) 12:00配信
12月5日、アウトドアブランド「パタゴニア」の公式サイトは真っ黒に変わった。そして、白抜きの文字で次のようなメッセージが浮かんだ。「大統領はあなたの土地を盗んだ(The President Stole Your Land.)」
パタゴニア創業者で登山家のイヴォン・シュイナードはドナルド・トランプ政権が下した決定を強く非難している。トランプ政権はユタ州の2か所のナショナルモニュメント(国定記念物)指定保護地域を大幅に縮小する決定を下した。背景には現地での資源開発や商業利用を促進する狙いがあるが、この地域には先住民の聖地が含まれており、環境保護団体らも強く反発している。
決定により、オバマ前大統領が指定したベアーズ・イヤーズ地域は85%縮小。クリントン元大統領が指定したグランド・ステアケース・エスカランテ地域もほぼ半分となる。
「これは違法行為だ」とパタゴニアは述べ、消費者らに行動を促している。シュイナードは12月5日、CNNの取材に対し「大統領を告訴しようと思う。トランプ政権に状況を理解させるために、それが唯一の手段だ」と述べた。
今回の決定は、トランプが4月に発した、これまでの国定記念物指定を再検討し、州や自治体の土地管理権限を拡大するよう求める大統領命令を受けてのもの。「これまで有害で不必要な規制が、現地での狩猟や牧場運営、重要な経済開発の妨げとなってきた」とトランプは述べていた。
反対の声は他のアウトドア関連事業者からもあがり、「REI」や「ザ・ノース・フェイス」も公式サイトで抗議の声明を出した。
イヴォン・シュイナードはフォーブスの「世界の富豪ランキング」に、資産額10億ドルで今年初めて登場した。自身も登山家であるシュイナードは登山用品のスタートアップ「パタゴニア」を創業。1970年代には一時、倒産の危機に瀕したが、パタゴニアはペットボトルをリサイクル活用した衣類やグッズなど、環境保護に取り組む姿勢で多くの消費者の支持を集めた。
また長年、米国の公有地保全の活動に取り組んでおり、ベアーズ・イヤーズ地域でも天然資源開発により先住民の土地が奪われることに反発の声をあげてきた。
パタゴニアの売上は2015年に7億5000万ドル(約845億ドル)に到達した。シュイナードが「世界の富豪ランキング」入りを果たしたことについて、コメントを求めたところ、広報担当者は次のような回答を寄こしていた。「我々はこのランキングに掲載されることに対し、強く抗議する」
シュイナードは自分の資産額を人に自慢したがるような人物ではないようだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171206-00018803-forbes-int

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外国人観光客戦略 次の一手は

2017-12-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞12/06 09:37
 北海道を訪れる外国人観光客は着実に増えているが、中国人客の「爆買い」現象が一服するなど、旅の楽しみ方は目まぐるしく変化しているようだ。国際的な観光目的地としてさらにレベルアップするため、受け入れ側はどこに注意を払い、何を努力すべきか。中国とタイの旅行事情に詳しい2人に助言してもらった。
■多様な要望 対応力が勝負 中国で日本観光の情報誌を発行・袁静さん
■「個人」が鍵 LCC誘致を タイで日本専門の旅行会社を経営・アッチャリーヤー・セィシリパットさん
全文:2697文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/149438

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列車衝突でトナカイ死亡数が150頭に迫る、新たに9頭が犠牲に ノルウェー

2017-12-07 | 先住民族関連
Yahoo!ニュース 個人12/7(木) 6:01
鐙麻樹  | 北欧ノルウェー在住 ジャーナリスト&写真家

トナカイと列車の衝突は今も続いている(写真:アフロ)
ノルウェーでは、ノールラン鉄道を走る列車と衝突死したトナカイの数が、2週間ほどで150頭ほどに迫りつつある。
NTB通信社と国営放送局NRKによると、5日深夜1時の衝突で3頭、その5時間後に6頭が死亡した。
現在はトナカイが牧草地を移動するシーズン。
相次ぐトナカイと列車の衝突は、国内外で大きく報道されている。鉄道会社側はトナカイを飼育する先住民族サーミ人らに謝罪をした。
トナカイの移動が終わるまで、時速40キロへと速度を落とす対策がとられていたが、それでも衝突事故は続く。
来年からは計画を前倒しして、路線周辺にフェンスが設置される予定。
鉄道会社は、飼い主らに損失額を請求され、動物愛護団体からは警察に通報された。
他国では、「大量虐殺」、「殺戮」、「血の海」、「ホラー」、「悲劇」などと報道されている。
Text: Asaki Abumi
https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20171207-00078989/


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【人類学】物語を巧みに話せることの効用

2017-12-07 | 先住民族関連
Nature Asia 2017/12/06
フィリピンの先住民族「アイタ」の狩猟採集社会において物語を話す能力と協力行動が関連していることを明らかにした論文が、今週掲載される。また、巧みな語り手の方が、大きな社会的な成功と繁殖の成功を収めていることも明らかになった。
物語を語るという行為は、人間社会のどこにでも存在し、貴重な知識の発信方法だと考えられている。しかし、物語を語ることの具体的な効用を明らかにするのは難しい場合がある。
今回、Daniel Smithたちの研究グループは、アイタの社会において物語を語ることが個人と集団にどのような利益をもたらしているのかを調べた。その結果分かったのは、昔から語られている物語のテーマの大部分が協力と社会規範であり、このことは、他の7つの狩猟採集社会に対象を広げて物語を語ることを分析した結果とも一致していた。今回の研究で行われた実験的ゲームでは、巧みな語り手のいる集団に属する人間の方が、そうでない集団に属する人間よりも協力的に振る舞った。さらに、社会的パートナーとして選ばれるかどうかを予測するための判断材料として物語を語る技能が最も優れており、巧みな語り手がパートナーに選ばれる確率がそれほどでもない語り手のほぼ2倍となり、生存子数は平均で0.5人多かった。
Smithたちは、物語を語ることが協力の増進に重要な役割を果たしており、この機能が、物語を語ること自体の普及に有利に働いたという考えを提唱している。
DOI:10.1038/s41467-017-02036-8 | 英語の原文
https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/12290

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移行期の正義促進法案、国会が可決 野党は反発強める/台湾

2017-12-07 | 先住民族関連
中央社フォーカス台湾 2017/12/06 15:53
(台北 6日 中央社)立法院(国会)は5日、与党・民進党が推進してきた「移行期の正義促進法案」を可決した。法案は、過去の権威主義的な統治の下で行われた人権侵害やその結果の真相究明などを目指すもの。だが、法案の適用範囲などを巡り、野党・国民党などからは反対意見が噴出している。
法案には、政治資料の公開、権威主義の象徴の排除、過去の司法の是正、党財産の処理などの内容が含まれている。今後は、行政院(内閣)の下に独立した専門の委員会が設置され、これらについて調査や報告を行う。調査の拒否や妨害を図った者には過料が科せられ、政治資料の破棄や隠匿も処罰の対象となる。権威主義的な統治が行われていた時期は、1945年8月15日から1992年11月6日までと定義された。
蔡英文総統は昨年5月の就任以来、移行期の正義の取り組みを積極的に推し進めてきた。二・二八事件から70年を迎えた今年2月28日には、同法案を今国会で成立させる考えを示した。蔡総統は5日夜、自身のフェイスブックページを更新し、「多くの年配者や遺族たちはこの瞬間を心待ちにしてきた。われわれの社会、国家もそれは同じだ」と法案可決の喜びをつづった。
国民党のスポークスマン、洪孟楷氏は、適用の時期は明らかに国民党を標的にしていると反発。専門の委員会が行政権と司法権を同時に保持していると指摘し、違憲ではないかと主張した。また、行政院に委員会を設置することは、五権分立の精神に反すると強く非難した。
国民党に所属する台湾原住民(先住民)アミ族の廖国棟・立法委員(国会議員)は、日本統治時代に迫害を受けた先住民が対象にされていないと批判。タイヤル族の血を引く無党団結連盟の高金素梅・立法委員は、民進党は法案から先住民を排除し、再び踏みにじっていると訴えた。
(蘇龍麒、葉素萍、劉麗栄、劉冠廷/編集:楊千慧)
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201712060004.aspx

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「科学放送高柳賞」決まる

2017-12-07 | アイヌ民族関連
毎日新聞2017年12月7日 東京朝刊 会員限定有料記事 
 高柳健次郎財団(末松安晴理事長)は、優れた科学番組を表彰する2017年度の「科学放送高柳賞」の受賞作品を発表した。
 最優秀賞は北海道テレビの「カムイの鳥の軌跡~オオジシギ2つの物語~」(8月14日放送)。ハトよりも小さなオオジシギが、日本とオーストラリアの間約1万キロを渡るルートを、両国の研究者が発信器による追跡で解明する世界初の取り組みに密着した。アイヌの民話にも登場するこの鳥を通して、命の尊さや水辺の重要性を詩情豊かに描いた。 (全文317文字)
https://mainichi.jp/articles/20171207/ddm/016/040/027000c

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「ウィヌクジュガージュトゥグル」の意味は? 消滅危機の言葉を集めた単語帳が人気「なくなりそうな世界のことば」

2017-12-07 | アイヌ民族関連
産経ニュース2017.12.6 15:30

「なくなりそうな世界のことば」(吉岡乾著 西淑イラスト)
 小さな島国・日本でも方言があるように、世界でもその部族でしか使われないような数多くの言語が存在する。東西南北の概念が薄いハワイ島では、ハワイ語で「マカイ(海側)」など地形で場所を伝え、インドネシアの電気が通らない村では暗闇での手探りの探し物を「デゥバッ」という。これら少数民族の言葉は担い手がいなくなり、消滅の可能性をはらんでいるそうだ。そんな“小さな”言葉を言語学者らが集めた単語帳「なくなりそうな世界のことば」(創元社)がじわり人気を集めている。       (木ノ下めぐみ)
単語は地域の文化を反映
 著者は国立民族学博物館助教の吉岡乾(のぼる)さん(38)。少数言語を研究する学者仲間ら約40人に、流暢に話せる人(話者)が100万人を切る言語を募り、そのうち50の単語を収録している。民族に関する基本情報や単語の意味などを紹介。イラストレーターの西淑(にししゅく)さんが手掛けた温かみのある絵も添え、単語の持つ背景に物語性を持たせ、大人の絵本といった趣だ。
 単語は話者数が多いものから順番に登場する構成で、序盤にはフィジー語のあいさつで「ンブラ」(話者30万人)など比較的人数が多い言葉が並ぶが、ページをめくるごとに流暢に言葉を操れる人数はみるみる減っていく。終盤の北海道・アイヌ民族の言葉「イヨマンテ」(熊送り儀礼の意)は話者がたった5人。最終ページの単語は-。
 選んだ言語は地域が持つ文化を色濃く反映した単語が多い。例えばパキスタンなどに住むワヒー人は「プルデュユーヴン」(話者3万人)という言葉がある。《家畜に乳を出す気にさせる》という表現は牧畜民ならではの発想だ。
 極東ロシアに2千人ほどの話者がいるコリャーク語で「ウィヌクジュガージュトゥグル」は、《7月末から8月初めに種雄トナカイが角を磨くときの暑さ》という意味。氷点下60度にもなる極寒の長い冬の後、束の間訪れる夏にも、暑さによって多彩な言葉がある。
言葉とともに失われる文化
 母国語とする人が最も多い中国語は9億人、9位の日本語でも1億2800万人。大勢の話者がいる大きな言葉を習得すればより多くの人と交流でき、グローバル化が進む一方、これまでに無数の小さな言葉が消えていった。吉岡さんは「言葉は文化を留めるための記憶装置。言葉とともに文化も失われるということでもある。小さな言葉にも目を向けてほしい」という。
 話者数の多い日本語を母国語としていると言葉の喪失の実感はわきにくい。だが、吉岡さんは「例えば『畳の縁を踏んではいけない』と英語で表現しづらい。そうなると縁という言葉は使われなくなり、ひいては特有の文化も衰退するかもしれない」と具体例を挙げる。さらに国内でも前述のアイヌ語をはじめ、消滅の危機に瀕している数多くの小さな言葉があることにも言及した。
 東京外国語大学でパキスタンの公用語ウルドゥー語を専攻したことを機に、現在言語学者として同国の7つの小さな言語を研究する吉岡さん。研究者が吉岡さんしかいない言語もある。
 現地を訪れては単語を集める地道な活動だが、研究途上でその言語が失われてしまう可能性も。「もし言葉が無くなってしまったとき、研究が進んでいなければ復活は非常に困難です。自分たちの言葉を残したいと願う人が出てきたとき、支えになれれば」との思いから少数言語の辞書や文法書の作成を目標に研究を進めている。
     ◇
 『なくなりそうな世界のことば』は創元社のイラストブックシリーズの5作目で、同シリーズのパネル展を大阪市中央区の書店「心斎橋アセンス」3階の多目的スペース「アウラの部屋」で開催中。会期最終日の12月16日に吉岡さんのトークイベントを予定している。問い合わせは同店(電話06・6253・0185)
http://www.sankei.com/west/news/171206/wst1712060007-n1.html

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CAから写真家へ~「転機」のつくり方~【前編】

2017-12-07 | アイヌ民族関連
[mi-mollet]12/6(水) 14:00配信

mi-mollet世代は仕事や家事にも少し余裕が生まれ、次のステップへ進みたい、と何となく考え始める世代ではないだろうか? でも一般的には、「35歳を過ぎたら転職は一気に難しくなる」などと言われるし、そもそも「何をやりたいのかも分からない……」という声も多い。そんな流れに逆らって、36歳でCAから写真家という未知の世界に転身した在本彌生さん。その転身の経緯と、現在、そしてこれからへの思いを伺った。どんな状況でも“好き”は見つけられるし、何歳からでも転機は掴み取れる。そう勇気づけられる話がいっぱいだ。
「イタリアに呼ばれている!」とCAに
雑誌やWEBの撮影に引っ張りだこなのはもちろん、自身の写真集を3冊出版している在本彌生さん。こう言うと本人は否定するが、その活躍ぶりは、写真家として“成功を収めている”と言っていいだろう。しかし驚くことに、その経歴はまだ11年と短い。在本さんは大学を卒業してから14年間、アリタリア航空のCAとして働いていたからだ。まったく違う畑への転身について伺う前に、まずはCAになった理由を教えてもらった。
「父が船会社を経営していたこともあって、もともと旅に興味があったんです。小学校卒業のときの“将来の夢”では、『世界を駆け抜けるジャーナリストになりたい』と言っていたんですよ。ある意味、実現したと言えるかもしれませんね(笑)。
 アリタリアに就職したのは、特にイタリアに憧れていたから。大学生のときに『ニューシネマパラダイス』を観て、「イタリアに呼ばれている!」と思ったんです(笑)。それで、何でもいいからイタリアに行ける仕事を探して。ベネトン、ノルディカ、旅行会社、イタリアの製薬会社……、その中の一つがアリタリア航空でした」
CAの仕事はとにかく面白く、「素晴らしい時間だった」と言う。
「当時のフライト先は、ローマ、ミラノ、モスクワ、デリーの4都市。憧れていたイタリアには月に2、3回行ける生活だったし、フライトスケジュールも今ほどタイトではなかったので、それぞれの都市での時間も堪能することができたんです。スタッフには他に若い日本人がいなかったから、イタリア語もぐんぐん上達しましたし、何より急に大人の仲間に入れてもらえて、刺激的で楽しくてたまらなくて。最初の5年ぐらいは、それでどんどん過ぎていった感じです」
当時のCAは、航空会社によっては5年契約など一つの区切りがあったため、在本さんの中でも何となく「5年たったら一区切り」という思いがあったという。しかし実際は、5年経ったからといって大きな変化があったわけではなく、これまでと同じ毎日が過ぎていくだけだった。
「CAという仕事は、人が決めたスケジュールに乗って動くもので、自分では変えることができません。もちろんそこにきちんと乗っかってさえいれば、お給料が入ってきて生活に困ることはないけれど、『この調子であっという間に20年くらい過ぎちゃうな』という気がしてきたんですよね。しかもCAはサービス業だから、“お客さんが喜んでくれる”という積み重ねはあるけど、それが形として残るわけではない。だから続けていくにしても、傍らで何か形に残ることをしよう、と考えたんです」
写真との出会い、のめり込んでいく……
 そこからは、とにかく様々なことを試した。日記をつけてみたり、絵画の通信教育を受けてみたり……。が、どれも今ひとつハマれなかったという。
「そんなときたまたま、常連のお客さんから『せっかくいろんな場所に行く仕事なんだから、写真を撮ったらいいよ』と勧められたんです。それだけなら、『そうですね』で終わっていたと思うんですけど、そのお客さんが『今なら新橋のウツキカメラがセールをしていて、ティアラのコンパクトカメラが28000円で買えるから』と、妙に具体的な情報まで教えてくれて(笑)。実は写真も、“形に残る趣味”候補の一つではあったんです。でも、スマホでいろいろ撮れる今と違って、当時は、そこそこ良いカメラを買うとなると『ボーナスまで待たなきゃ』というような時代。気軽には手を出せずにいたんですけど、具体的な値段まで教えてくれたから、それなら……と。そこから私の写真人生が始まったんです」
とはいえ決してあっという間に夢中になったわけではなく、最初は、1本のフィルムで1ヶ月もつくらいの撮影ペースだったという。そこへ、たまたま知人から「古いライカを譲りたい」という話があった。そこから本格的に撮影の面白さにハマり始め、何と自分で暗室まで作ってしまったのだそう!
「そうやって2、3年は夢中で撮り続けていたんですけど、だんだん撮ったものをシェアしたいと思うようになって。そのためには誰かしら人のいるところに行かなきゃ、と思って機会を探っていたときに、たまたま行った映画館で写真のワークショップの募集が出ていたんです。そこに参加してから、大きく変わりましたね。やはり人に見せる、意見をもらう、というのはモチベーションの高まり方が違う。どんどん写真にのめり込んでいったし、人脈も広がって。それで33歳のときに初めて個展の話をいただいたんですよ。そうしたら、それを見た雑誌の編集者が声をかけてくれて、撮影のお仕事をいただくようになっていったんです」
転身は簡単なことではなかった
 撮影スケジュールは、フライトがない日に入れたり、休暇をとるなどしてやり繰りしていた。そうして3年、兼業状態で頑張ったが、仕事依頼はどんどん増えていく一方。あるとき、「もうこれは無理だな」と、ようやく会社を辞めることを決意したという。だが聞いていると、もっと早く辞めても良かったのでは?という印象が拭えなかったのだが……。
「何せ14年間も会社員をやってきましたからね。ずっと享受してきた安定の月給生活から不安定なフリーランスになって精神的に耐えられるか、私にはその自信がないな、と思って決心できなかったんです。辞めた後も、ずっと不安でしたよ。今、11年経ちましたが、不安定な生活に慣れたのは本当にここ1年くらい。それまでは『5年何とかなった』、『10年何とかなった』と綱渡りな気持ちでいっぱいでした。『好きなことがあったら思い切って飛び込むべき』という声もありますが、いざ直面してみると、安定した生活を捨てるということはそんなに簡単なことではないですよ」
 世間の感覚においては、36歳という年齢は、何かのスタートを切るには非常に遅いと言えるだろう。そこからの転身を果たした在本さんだけに、「簡単ではない」という言葉には半端ではない重みがあった。
「でももしかしたら、今の時代だったらもう少し気軽に、早く動けていたのかもしれません。『写真をシェアしたい』と思ったときもそうですけど、今だったらインスタグラムに挙げればいいし、ワークショップのような場もネット検索ですぐ見つけることができます。でも当時は、そういう募集が出ていそうな場に足を運んで、見つけたら写真ブックを作ってそれを送って……とやらなければいけなかった。相当、心が固まってないと動けないですよね。だからこんなに時間がかかってしまったとも言えるし、生半可な決意じゃなかったからここまで来られた、とも言えるのかもしれませんね」
 今は、ある意味自分の熱量を確認しにくい時代だからこそ、その見極めはより重要になってくるだろう。それでも自分から動いてさえいけば、何歳だろうと、経験値が少なかろうと、世界を広げることはできる。そう勇気づけられるお話だった。
<新刊紹介>
『熊を彫る人』
写真・在本彌生 文・村岡俊也
¥2300 小学館
文化功労賞受賞者で、その作品はスミソニアン博物館にも展示されるなど、国内外で高い評価を受けているアイヌの木彫り家・藤戸竹喜さんと、彼の作品を撮り収めた一冊。藤戸さんの精緻で温かみある作品、阿寒湖畔の大自然、そして精霊のような澄み切った藤戸さんの姿を、ありのままに捉えている。アイヌの木彫り文化が樹立されるまでの葛藤の歴史を綴った文も読み応えがあり、心に刺さる一冊だ。
http://mi-mollet.com/articles/-/9897

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内閣官房に、捕鯨・鮭捕獲・土地の権利などを主張 アイヌの権利を“チャランケ”

2017-12-07 | アイヌ民族関連
週刊金曜日12/6(水) 10:24配信

チャランケに参加したアイヌの人びと。右から3番目が多原良子さん。左端が畠山敏さん。11月17日、東京都内。(撮影/編集部)
 11月17日、東京・八重洲のアイヌ文化交流センターで、「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」による、内閣府内閣官房との“チャランケ”が行なわれた。チャランケとはアイヌ語で「談判」の意。互いに自分の主張を談じ合って、判断する、一種の「民衆裁判」(中山千夏氏──小誌10月20日号「はまぐりのねごと」参照)。
 今回で4回目となる内閣官房とのチャランケ自体は非公開で行なわれたが、その後、参加者による記者会見が同会場で開かれた。
 最初に、「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」事務局の出原昌志(アイヌ・ラマット実行委員会共同代表)が、(1)捕鯨の権利、(2)鮭を捕獲する権利、(3)土地の権利、の3点を中心に話し合いが行なわれたことを報告。続いて、この日、チャランケを行なった多原良子さん(アイヌ女性会議代表)は、次々国会での成立をめざすとされる“アイヌ新法”における「アイヌ文化」について、歌や踊りなど「切り取られた伝統文化」ではなく、土地とも密接に結びついたアイヌの生活すべてとしてとらえるべき、と主張したことを述べた。
 初めてチャランケに参加した畠山敏さん(紋別アイヌ協会会長)は、(1)かつてアイヌが生活、あるいは利用し、現在は市有地だが未利用の土地を、アイヌ民族の慰霊碑建立や儀式儀礼の場所などに利用、(2)アイヌ民族には川での鮭の特別採捕などという許可は必要ない、(3)アイヌ伝統捕鯨を復活させ、民族の生活面を支える糧としたい、の3点を主張したという。
 2007年9月に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」、翌年国会で決議された「アイヌ民族を先住民族とすることを認める決議」からほぼ10年。遅々として進まない権利回復のなかで、積み重ねられてきたチャランケ。次回は、年度末となる来年3月に予定されている。
(山村清二・編集部、11月24日号)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171206-00010000-kinyobi-soci

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トランプ大統領が保護地域の縮小発表 先住民ら反発

2017-12-07 | 先住民族関連
NHK 12月5日 11時51分
アメリカのトランプ大統領は、先住民の文化や特徴のある自然を守るために保護の対象となっている西部ユタ州の2つの地域について、面積を大幅に縮小すると発表し、先住民や環境保護団体が反発を強めています。
トランプ大統領は4日、ユタ州の州都、ソルトレークシティーを訪問し、「市民が土地を利用できるように歴史的な措置をとった」と述べて、州内の2つの保護地域の面積を半分以下に縮小すると発表しました。
トランプ大統領が縮小を決めたのは、歴代の大統領が保護の対象として指定した2か所で、このうち「ベアーズ・イアズ」と呼ばれる地域は、去年、オバマ前大統領が先住民の文化の保護のために指定しました。
また、「グランド・ステアケース・アスカランテ」と呼ばれる地域は、絶壁や渓谷が連なる美しい風景が特徴で、1996年にクリントン元大統領が指定しました。
発表を受けて、先住民が訴訟を通じて決定の取り消しを求めると発表したほか、環境保護団体は、原油や天然ガスなどの資源開発を優先するものだとして反発を強めています。
トランプ大統領はことし4月、歴代の大統領が保護対象と指定した、合わせて27か所について見直しを指示しており、自然保護と資源開発のどちらを優先するかをめぐり議論が活発になっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171205/k10011246791000.html

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