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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

<提言2019統一地方選 次の北海道>19 医療、福祉、教育…連携を 医療法人稲生会理事長 土畠智幸氏(41)

2019-03-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/13 09:14
 小児科医として、患者やその家族と向き合う時、同じような困難を抱えている多くの患者たちの存在も気になります。世の中の仕組み自体を変えなければいけないと思う瞬間がたくさんあります。
 人工呼吸器や胃ろうなど、医療的ケアが必要な子どもたちが、自宅で暮らせるよう環境整備を進める事業に、道の補助を受けて取り組んでいます。行政はどうしても縦割りになりがちですが、医療的ケア児の課題を解決するには、医療や福祉、教育などさまざまな分野の連携が不可欠です。僕たち民間の医療者が行政に働きかけることで、縦割りを崩すことが可能だと手応えを感じています。
 道東のある町では、部門を超えた連携がとてもうまくいっていた。担当職員に話を聞くと、「子育てに力を入れている、うちの首長が反対するはずがない」と自信を持って制度づくりに打ち込んでいるのです。トップの姿勢次第で、職員の意識は大きく変わります。新しい知事には、道庁の目指す姿を示してほしい。民間の経営者ならば、当然持ち合わせている視点です。
 子どもたちに、どんな北海道を残していきたいか。新しい知事が、遠い将来まで見通したグランドデザインをどう描くかも注目しています。成熟した民主主義のためには、教育や文化が重要です。4年の任期中には成果が表れにくい分野かもしれませんが、後回しにせず取り組んでほしい。
 僕たち有権者も、政治家に分かりやすい成果ばかりを求める姿勢を改めなければなりません。障害のある人やアイヌ民族、外国からの移住者など、多様な背景をもった人たちが互いに認め合って生きる北海道をつくる。そんな展望を持った人を見極めたいと考えています。(聞き手・報道センター 高橋澄恵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/285773

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高木正勝『Marginalia』 マージナリア~自然と対話する音楽~が生活にもたらすヒント

2019-03-14 | アイヌ民族関連
Mikiki 2019.03.13
Marginalia:マージナリア~自然と対話する音楽~が生活にもたらすヒント
 ソロ活動を中心に、映画音楽やCMなど幅広い分野で活動する高木正勝。新作『Marginalia(マージナリア)』は、里山で自然に囲まれて暮らしている高木の生活を切り取ったようなアルバムだ。制作のきっかけは、ソロモン諸島で聴いた「不自然な音」だった。

高木正勝
マージナリア
ワーナー(2018)
「海と島しかないような場所だったんですけど、夜中に『ドッ、ドッ、ドッ』って遠くから低音が聞こえてきたんです。それは20キロくらい離れた島でやっていたパーティーの音らしくて。人以外の生き物が出している音って、何かしら意味があって、お互いにその音を聴いているんです。でも、人は好き勝手に音を出している。その不自然な音は、人以外の生き物にとっては迷惑だろうなって思ったんです」
 そこで高木は自然と対話する音楽を考えた。高木は自宅で生活するなかで、鳥や虫の声など自然が発する音に反応してピアノを演奏して録音。それを、その日のうちにホームページにあげるプロジェクト、〈Marginalia〉をスタート。そこから選曲してアルバムにまとめたのが今回の新作だ。
「(家では)スイッチを押したら、すぐ録れるようになってるんです。でも、例えばヒグラシが良い声で鳴いてるけど、自分のピアノはなんかなあ……って、自然の音に混じれなくてボツにすることもるし、逆にピアノはよく弾けたけど、セミが黙っちゃうこともある。これまでは、そういうものも出してたけど、このプロジェクトでは『鳴き止んだってことは、この演奏は違うんだな』って潔く忘れる。そうしているうちに、これまでみたいな演奏が良いと思わなくなってきたんです。なんかドヤ顔が入ってる気がして(笑)」
 重要なのは、自然との関係性。自然音をフィールドレコーディングして作品に取り入れるのではなく、自分が風景の一部となることが重要なのだ。
「ピグミーやアイヌの人達みたいに、自然に近い環境で生活している人達の音楽を聴いていると、そこに自然の音が入っていても違和感が無いんです。彼らは音を出すことで、ふだんは喋れない木や虫、鳥とかと気持ちを通じることができる。鳥が鳴き出したら、それも音楽の一部になるんです。そうやって関係性を広げていくことで、味方がどんどん増えていく。自然の音を素材として取り入れるだけなら、観光地で記念写真を撮って帰ってくるのと同じで、そこには自分しか写ってないんです」
『Marginalia(マージナリア)』は、分断化が進む社会のなかで関係性を音楽で捉えようとする試み。そこには、世界との向き合い方のヒントも隠されているのだ。
YouTube
https://www.youtube.com/watch?list=OLAK5uy_mIU2k639gyDexOGPS8yl08ck40qDeGq-U&v=0tjsiZcGk6Q
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/20961

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世界初録音も含む!サクソフォン奏者エイミー・ディクソンのニュー・アルバム『In Circles』

2019-03-14 | 先住民族関連
タワーレコード 2019年03月13日 00:00

オーストリラリア出身のサクソフォン奏者、エイミー・ディクソン。サックスのクラシックにおけるステータスアップに尽力しているエイミーは、ソプラノ・サックスとアルト・サックスを自在に操り、現代作品を積極的に演奏。品の良さと美的ムードが絶妙に融合されたサウンドで、イギリスを拠点に世界で活動しており、すでにグラミー賞に2回もノミネートされています。
今作は彼女にとって最も個性的なアルバムで、クラシック作曲家とエイミーの故郷であるオーストラリアの民族音楽との関係を探求するというものです。
オーストラリアの赤い砂漠、そしてスコットランド・ハイランド地方の丘陵地帯、世界中の民俗音楽、そして歴史が、このアルバムに大きな影響を与えています。
「民俗音楽は、国のアイデンティティを吸い込み、そして不幸な時代に何度も何度も慰めの源となってきました。民俗音楽の核心には、私たちが何度も何度も戻ってくる、鼓動する人間性の心があります。この音楽の創作そのものには、個人的、家族的、そして社会的なつながりが必要です」と、エイミーは語っています。
このアルバムでは、オーストラリアの作曲家のピーター・スカルソープ、ロス・エドワーズの作品、そしてやはり作曲家でありディジュリドゥ(オーストラリア大陸の先住民アボリジニが使用する楽器)奏者であるウィリアム・バートンとのコラボレーション、さらにブラームス、ファリャ、ペサール、ヴォーン・ウィリアムズの作品によってヨーロッパを旅します。
そしてエイミーのために作曲されたジェイムズ・マクミラン作曲の「サクソフォン協奏曲」(世界初演録音)では、スコットランド音楽の原型を探っています。
様々な箇所で、先住民族のメロディがサクソフォンで奏でられ、現代のデジタルという場所から逃れ、音楽に体現された郷愁を見出したアルバムです。
(ソニーミュージック)
『In Circles』
【曲目】
1. エミール・ペサール(1843-1917):アンダルーズ Op.20-8
2. ピーター・スカルソープ(1929-2014):ジリーレ
3. マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946):7つのスペイン民謡より「ホタ」
4. ジェイムズ・マクミラン(1959-):From Galloway
5. アイルランド民謡:She Moved Through the Fair
6-8. ジェイムズ・マクミラン(1959-):サクソフォン協奏曲
9. パーシー・グレインジャー(1882-1961):羊飼いの呼び声
10. ヨハネス・ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲第4番
11. 作者不詳:Discovery
12. マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946):7つのスペイン民謡より「ナナ(子守歌)」
13. ウィリアム・バートン(1981-):Kalkadunga Yurdu
14-19. レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):イングランド民謡による6つの習作
20. ロス・エドワーズ(1943-):Yanada
【演奏】
エイミー・ディクソン(サクソフォン)
ダニエル・デ・ボラー(ピアノ:3, 10, 12, 14-19)
ウィリアム・バートン(ディジュリドゥ:2, 5, 13, 20)
ニコラス・カーター(指揮)(6-8)
アデレード交響楽団(6-8)
https://tower.jp/article/feature_item/2019/03/13/1103

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アーティスト湊茉莉が日本初個展を銀座エルメスで開催、時間の移ろいと文化の交流に焦点

2019-03-14 | 先住民族関連
ファッションスナップ 2019年03月13日 18:04 JST
Utsuwa * The preparatory study of the facade painting | 2018 | © Baptiste François
 銀座メゾンエルメス フォーラムで、パリを拠点に活動するアーティスト湊茉莉による日本初の個展「『うつろひ、たゆたひといとなみ』湊 茉莉展」を開催する。入場料は無料で、会期は3月28日から6月23日まで。開催に先立ち、3月21日から店舗のガラスファサードにペイントを施した「Utsuwa」が公開される。
 湊は1981年京都生まれで、壁画や建築物に鮮やかな色彩を用いた抽象的なモチーフを描いた作品で知られる。2006年にフランスへ渡り、「人はなぜ絵を描き始めたのか」というテーマのもと欧州文化の起源であるケルトやガリア、古代ローマといった先住民族の文化についてのリサーチなどを続けながら作品を発表している。
 同展のタイトルは「うつろいゆく世界と人々の営み」を意味し、ファサードペイントとともに建物の中と外で変化する時間や光の流れを描き出す。ファサードに描かれる「Utsuwa(=器)」は、人類の文明に深く関わる「器」の普遍的な存在と、時間や光の変化と共存するガラスの建物をイメージ。ギャラリー内では、黄河文明からメソポタミア、エジプト、イスラムといった異なる文明や文化の中で重要な役割を担っていた複数のモチーフに焦点を当てた作品を展示し、当時の日常生活品などのリサーチから見いだされる文化の混合や交流を人類学的な視点を踏まえて表現するという。
■「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展
会期:2019年3月28日(木)〜6月23日(日)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座 5-4-1 8階
開館時間:月~土 11:00~20:00(最終入場19:30)/日 11:00~19:00(最終入場18:30)
入場料:無料
休館日:会期中無休 ※4月12日は休館
ファサードペインティング「Utsuwa」
会期:2019年3月21日(木)〜5月6日(月)
https://www.fashionsnap.com/article/2019-03-13/minato-mari-exhibition/

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今なぜ「血まみれのサム」が再評価されているのか

2019-03-14 | 先住民族関連
最後の西部劇「ワイルド・バンチ」の鬼才監督の真意に迫る注目の新著
JBPRESS 2019.3.13(水)
サム・ペキンパー監督(左)とウィリアム・ホールデン
 かつてはハリウッドの主役であり、ドル箱だった西部劇。何度もアカデミー賞*1に輝いたことのある西部劇。
*1=西部劇でアカデミー賞を受賞した作品は、「シマロン」(1931年、ウエズリー・ラッグルズ監督、リチャード・ディックス主演)、「続・夕陽のガンマン」(1966年、セルギオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演)、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(1990年、ケビン・コスナー監督・主演)。
 ゲイリー・クーパー、ジョン・ウェイン、クリント・ウッドワードらスターが演ずる保安官やカウボーイに米国人の持つ強さや正義感、優しさを感じ取った日本人も少なくなかったと思う。かくいう筆者もその一人だった。
 ところが一世を風靡した西部劇も1960年代後半頃から衰退してしまった。その後も制作はされるのだが、一部例外を除いてそれほど話題になることはなかった。
 その要因は公民権法が成立して以降、米社会に人種に対する意識改革が進んだからだとされている。
 西部劇では「悪玉」のアメリカ・インディアンは、「先住民族」という表現に代わり、「悪玉」はむしろ先住民族を居住地域から追い払おうとしてきた白人開拓者であるとの認識が定着した。
 白人中心主義に対する原罪が問われた(悪いことをしたという認識はあっても白人がそのことについて正式に謝罪したことはない)。
 白人たちが迫害し、虐殺したのは先住民族だけではなかった。野生のバッファローを絶滅寸前にまで追い込んだのは白人開拓者だった。自然破壊の張本人だったのだ。
当時、テキサスとメキシコには国境などなかった
 日本では、西部劇に引導を渡した「最後の西部劇」と言われているのが1969年に制作された「ワイルド・パンチ」だ。
 在ハリウッドの日本人映画通によれば、「最後」とは、西部劇の重要な要素である銃撃戦が、この映画ほど過激なものは以後出てこなくなったという意味と、西部劇にはお決まりのハッピーエンドを抹殺した異色の作品だったことらしい。
(https://screenshotscdn.firefoxusercontent.com/images/a405359a-0f48-4ac8-ab45-a128df572196.png)
 ちなみに「ワイルド・バンチ」は、歴代の西部劇ランキング*2では第17位。
 これまで映画評論家の評価は二分されてきた。銃規制に反対する保守派からも過激な暴力表現に対する批判めいた声が出された。銃の怖さが広がるのはヤバイと感じ取ったのだろう。
*2=デジタルメディア世論調査機関「ランカー」の西部劇映画ランキングベストテンは、①「続・夕陽のガンマン」(1966年)②「アウトロー」(1976年)③「許されざる者」(1960年)④「荒野の七人」(1960年)⑤「明日に向かって撃て!」(1969年)⑥「捜索者」(2008年)⑦「夕陽のガンマン」(1965年)⑧「トゥームストーン)」(1993年)⑨「荒野の用心棒」(1964年)⑩「リオ・ブラボー」(1959年)となっている。
(https://www.ranker.com/crowdranked-list/the-best-western-movies-ever-made)
 ご覧になった方は覚えていらっしゃるかもしれない。スローモーション撮影による冒頭と最後の壮烈な銃撃シーン。しかもそれが何分も続く。
 こうしたサム・ペキンパー監督のバイオレンス描写は何も「ワイルド・バンチ」だけではない。「ゲッタウェイ」(1972年)でも「戦争のはらわた」(1977年)でもその暴力描写は強烈だった。
 こうした残酷な作風を好んで撮るペキンパー監督はハリウッドでは「血まみれのサム」(Bloody Sam)と呼ばれた。
 監督として精力的な活動を続ける半面、鬼才は映画制作中でもビールを欠かせない。強度のアル中だった。マリファナにも手を出していた。
 「ワイルド・バンチ」は、最後に善が勝ち、悪が滅びるというハッピーエンドの伝統的な西部劇ではなかった。
 その前に誰が善で誰が悪かもはっきりしない。最後には悪の権化のような主役を除いてみんな死んでしまうのだ。
 だが、登場人物の中にはヒローもヒロインもいない。先住民族は出てこないが、メキシコ人がたくさん出てくる。
 メキシコ政府軍の将軍もいれば、反政府勢力の戦士も出てくる。貧しい集落に住むメキシコ人の女子供も出てくる。
 彼らはブロークンな英語は話さない。みなスペイン語を話す。メキシコ人が皆等身大のメキシコ人として出てくるハリウッド映画は稀有だった。
 その理由は、脚本も書いたペキンパーはメキシコが大好きだったからだ。
 当時のテキサスとメキシコとの間には、今ドナルド・トランプ大統領が250億ドルかけて建設を目指している「壁」*3などは無論ない。野生の馬もバッファローもそして人間も自由に行き来していた。
*3=250億ドルは壁の建設費用のみ。建設予定用地には私有地が含まれており、その土地の買収には4480億ドルかかるというテキサス州建設専門家の試算もある。
 トランプ大統領は、メキシコから不法に入ってくるメキシコ人は「犯罪者」だとのたまうが、当時追っ手を逃れてテキサスからメキシコに入境するのは米国人の方だった。
「ワイルド・バンチ」制作の舞台裏と徹底取材
 映画公開から50年経った今春、その「ワイルド・バンチ」を制作した経緯やペキンパー監督の狙いを関係者たちとのインタビューを基に書き上げた本が出た。
 著者はテキサス在住の米ジャーナリストのW・K・ストラットン。
 オクラホマ州生まれでテキサス育ち。
 地方のオクラホマ・セントラル大学を出て、地元紙で勤務しながらボクシングのトレーナーをやり、知り合った全米女子ボクシングチャンピオンになった女性の生い立ちを本にしたこともある。
 テキサス州からは一歩も出ず、南部を舞台にスポーツ雑誌に寄稿したりしてきた。本書は3作目だ。
 タイトルは、「The Wild Bunch: Sam Peckinpah, a Revolution in Hollywood, and the Making of a Legendary Film」(ワイルド・バンチ:サム・ペキンパー、ハリウッド革命、そしてレジェント映画はいかに作られたのか)だ。
 「ワイルド・バンチ」は原案を作ったウォロン・グリーン(もう一人はロイ・シックナー)と監督のペキンパーが共同で脚本を書いた。
 主演はウィリアム・ホールデン。助演はアーネット・ボーグナイン。あらすじはこうだ。
 テキサス州サンラファエル*4の鉄道事務所に騎兵隊を装った強盗団が入る。鉄道会社は賞金を出して捕まえようとする。
 賞金稼ぎの男たちは強盗団を追いかける。銃撃戦の末、生き残った強盗団は国境を越えて、仲間の一人、メキシコ人の郷里の村に逃げ延びる。
*4=テキサス州サンラファエルはトランプ大統領が目指すメキシコとの国境の壁建設地から北に80キロにある。
 だが村はメキシコ政府軍が行った反政府分子掃討作戦で焼き尽くされていた。強盗団はメキシコ政府軍の将軍に匿ってくれるように懇願。
 将軍は米国の列車を襲い、積んである武器弾薬を盗み出せば匿うと提案。強盗団は首尾よく武器弾薬は手に入れるが、その受け渡しを巡ってメキシコ政府軍との間に激しい銃撃戦となる。
 強盗団は主人公を除いて全員射殺される。同様にメキシコ軍200人も壊滅する。主人公はメキシコ反政府勢力の兵士たちに誘われて荒野へ去っていく。
制作を突き動かしたソンミ虐殺
キング暗殺、R・ケネディ暗殺
 著者のストラットンは、「ワイルド・バンチ」でペキンパー監督が描きたかったテーマは何かについてこう記している。
 「映画というものは常にその世代、その時期に起こっている神羅万象の影響を受けている」
 「ペキンパーがこの映画を制作することを決め、俳優やスタッフを選び、メキシコのロケ地に入る数日前に何が起こったか」
 「公民権運動の指導者、マーチン・ルーサー・キング師が暗殺された」
 「撮影中にはウイリアム・カリー中尉率いる米陸軍小隊がベトナムのソンミ村で無抵抗の村民504人を虐殺するという事件が発覚」
 「ソンミ村虐殺の数か月後にはロバート・ケネディ上院議員が大統領選挙中に暗殺されるという事件が起こった」
 「『ワイルド・バンチ』は、米国という国が極度に暴力化し、国がよって立つ道徳律が怪しくなってきた当時の状況を反映していた」
 「当時、米国には正義と力があるという古きよき神話が危うくなっていた」
 「米国人はいけないことだと感じつつもバイオレンスを浮き浮きした気持ちで受け入れていた。正義を貫くためにバイオレンスも仕方がないという雰囲気があった」
 「その元凶はベトナムで直面する共産勢力の侵略から南ベトナムを守るという現実にあった。そのシーンは連日のように夕方6時のテレビニュースで流れていた」
 著者によれば、「ワイルド・バンチ」が公開された1969年。映画を観たミズーリ州の女性はアメリカ映画協会(MPAA=業界団体)宛に「残虐すぎる映画だ。検閲すべきだ」との抗議文を送りつけた。
 カリフォルニア州フレズノでは映画を観た修道女グループが途中退場した。西部劇好きな修道女たちは口々に言った。
 「醜くて、ムカつく、百害あって一利なしの血なまぐさい映画だ」
 「かってのジョン・ウェインが出る西部劇はどうなってしまったのか」
 メディアの映画評論家の中には「この映画はペキンパーのニヒリズムの表現だ」「『血まみれサム』がいつもののようにビールを飲みながら作った駄作」といった一言で片づける者もいた。
 それ以上にペキンパー監督の狙いを深読みしようとはしなかった。
60年代に対するセンチメンタル・ノスタルジア
 それから50年、ペキンパー監督死後35年経って脚光を浴びているのはなぜか。
 南カリフォルニア大学宗教学部講師の宗教学者ポール・グリーソン氏はこう指摘している。
 「この映画が注目されているのはニヒリズムなのではなく、当時に対するセンチメンタル・ノスタルジアではないのだろうか」
 「友に対する忠誠心や行きどころのない弱者に寄り添おうとする意志。そういった古い価値観が今、見失われていることからくる過去への郷愁とでも言うべきか」
 「『ワイルド・バンチ』に出てくる登場人物とは異なるが、(著者の心の中には)映画制作された1960年代末に正義を貫き、バイオレンスの前に倒れたキング牧師やケネディ氏に対するノスタルジアがあるのだと思う」
 「映画の登場人物たちのほとんどは犬死したが、キング牧師たちの死は継承者が必要だというメッセージをわれわれに残した」
 「50年経った今、われわれは彼らのように正義のために立ち向かうヒローを必要としている」
(https://www.latimes.com/books/la-ca-jc-wild-bunch-peckinpah-history-review-20190226-story.html)
 著者も出版社も「ワイルド・バンチ」に関する新著は映画公開50年という節目だからだとしている。果たしてそうなのか。
 それともその節目にたまたまドナルド・トランプという「バイオレントで道徳律欠如な大統領」がホワイトハウスに君臨していることと関係があるのか。
 こじつけであることを承知で、筆者は3人の米国人に聞いてみた。
 2人は「関係あり」とコメント、あとの1人は「分からない」と答えている。前者は民主党支持者、後者は共和党支持者だ。高濱 賛
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55718

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手仕事に触れる、メキシコのテキスタイルとクラフト展示。

2019-03-14 | 先住民族関連
VOGUE JAPAN3/13(水) 14:11配信

4月1日(月)まで、イデー ショップ自由が丘店と梅田店にて、メキシコで買い付けたテキスタイルやクラフトなどの手仕事品約400点を紹介する展示会「Color of Mexico メキシコのテキスタイルとクラフト」を開催中だ。
現在も約70の先住民が暮らすメキシコでは、多くの先住民は伝統を受け継ぎ、昔ながらのものづくりが盛んに行われている。そんなメキシコの豊かな色彩感覚、自由なクリエイション、手仕事によるアルテサニア(民芸品)は、多くの人を魅了している。
今回の「Color of Mexico メキシコのテキスタイルとクラフト」では、昨年秋にメキシコの4つの州をめぐり、買い付けてきた約400点のテキスタイルとクラフトを紹介している。特に、ラグ、クッション、マルチカバーなどのテキスタイルは、伝統的な色や柄が表現されているものや、印象的な刺繍が施されているものも多く、その多様性と芸術性の高さには目を見張るものがある。
同イベントは、そんなメキシコのテキスタイルやクラフトに触れることができるうれしい機会となる。また、メキシコの手仕事品は、日常的に使用することで、風合いの良さを感じることができるはず。この機会に、手に入れてみては?
Color of Mexico メキシコのテキスタイルとクラフト
開催期間/~2019年4月1日(月)
開催場所/「イデーショップ」自由が丘店、梅田店
https://www.idee.co.jp/shop/news/201902/mexico.html
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190313-00010003-vogue-life

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