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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

北海道)カラフトアイヌと清に朝貢関係、文書が国重文へ

2019-03-20 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2019年3月19日03時00分 芳垣文子

 かつてのカラフトアイヌと清朝、日本との関わりを示す文書が、国の重要文化財に指定されることになった。18日、国の文化審議会(佐藤信会長)が開かれ、北海道大学付属図書館が所蔵する「カラフトナヨロ惣乙名文書(そうおとなもんじょ、ヤエンコロアイヌ文書)」を、国の重要文化財(美術工芸品)に指定するよう文部科学相に答申した。
 文書はアイヌ民族の氏族長「ヤエンコロアイヌ」の家に保管、伝来したもの。氏族長はカラフト西岸のナヨロで複数の村落を統括していた。全13通で清国の関係文書が4通、日本側が作成したものが9通。2巻に分かれて軸装されている。
 当時のカラフトアイヌが、清朝に貢ぎ物を献上するなど朝貢関係にあったことを示す貴重な資料だ。
 清国関係文書は18世紀後半~19世紀前半のもので、漢文で書かれたものと、満州語の文字で記されたものがそれぞれ2通ある。満文の1通は、清朝がアイヌ氏族長にあてた公文書。赤い官印が押され、氏族長が貢ぎ物に来る際の季節などについて書かれている。縦書きだが、日本語とは逆で、左から右へ読み進むようになっている。
 漢文の文書には、貢ぎ物の献上が途絶えた氏族長に来貢を促すよう、清朝の役人が別の氏族長に依頼する文書も含まれている。
 日本側が作成した和文の文書は、18世紀末~19世紀半ばの江戸時代後期のもの。北蝦夷地探査に携わった最上徳内が文書を見て「大切に保管するように」としたためた書き付けや、箱館奉行所がアイヌの村落統括者に与えた辞令類などが残っている。
 北大付属図書館によると、明治末期ごろに軸装されたとみられ、1954(昭和29)年に北大が個人から購入したという。
 同図書館は「指定は大変に光栄。貴重な学術資料として後世に引き継いでいきたい」としている。同図書館北方資料データベースで実物の画像を公開しているほか、レプリカを図書館で閲覧できる。問い合わせは同図書館北方資料担当(メール hoppo@lib.hokudai.ac.jp)へ。
 また、文化審議会は札幌市中央区の「札幌市旧三菱鉱業寮」を登録有形文化財とするよう答申した。
 道指定有形文化財の旧永山武四郎邸(1877年ごろ建築)に隣接する鉱山会社の福利厚生施設で、1937(昭和12)年ごろに増築。木造モルタル2階建て、切り妻造りの洋館で、柱や梁(はり)の骨組みを模様として見せたデザインや、西側の円窓などモダンなつくりが特徴だ。
 2018年6月、2年間の改修を経てリニューアルオープンし、新設されたカフェが人気を呼んでいる。年間来場者1万人の目標を大きく上回り、すでに4万4千人以上が訪れている。
 入館無料。問い合わせは旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮(011・232・0450)へ。(芳垣文子)
https://digital.asahi.com/articles/ASM3L55DSM3LIIPE01N.html?_requesturl=articles%2FASM3L55DSM3LIIPE01N.html&rm=315

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樺太アイヌ文書重文に 清、日本からの13通 文化審答申

2019-03-20 | アイヌ民族関連
読売新聞 2019年3月19日
 北海道大学付属図書館が所蔵する「カラフトナヨロ惣乙名そうおとな文書」が国の重要文化財に、札幌市の旧三菱鉱業寮が登録有形文化財にそれぞれ指定・登録されることになった。国の文化審議会が18日、文部科学相に答申した。アイヌの家に伝わっていた文書が重文に指定されるのは初めて。
 同文書は、サハリン(樺太)南西部のナヨロ村にいたアイヌの惣乙名(複数の村の統括者)ヤエンコロアイヌの家が代々伝えてきた18~19世紀の資料で、中国(清)側の文書4通(満州語2通、中国語2通)と日本側の文書9通の計13通で構成されている。明治末期に軸装され、1954年に北大が個人から購入した。
 13通のうち満州語の1通は、清の地方役人から樺太アイヌの氏族長トゥソクルデンギに宛てた公文書(1775年)。当時の樺太アイヌは清に朝貢して、見返りに妻を得ていたが、冬に都へ来ると天然痘にかかるので、7~9月に到着するよう諭す内容になっている。中国語の1通は、清への朝貢が途絶えていたアイヌの氏族に来貢を促すよう、他の氏族に依頼したもの(1818年)。
 幕府の蝦夷地調査で、これらの文書を日本人として初めて確認した最上徳内(1755~1836年)は、ヤエンコロアイヌにこれらの文書を大切に保管しておくよう伝えたが、その旨を記した書き付け(1792年)も今回の指定文書の中に含まれている。
 和文の文書はこのほか、松前・会津藩士らの書き付けや、箱館奉行所が幕末期の惣乙名シトクレランとその子息カンチヨマンテに与えた辞令などがある。
 日本近世史が専門の谷本晃久・北大教授は「幕府の役人だった徳内は、樺太アイヌが中国に朝貢していることを知って危機感を持ったはず。一つの家に三つの言語が書かれた文書が残っていたこと自体珍しく、当時のアイヌと中国、日本の関係を示す学術的にも貴重な史料だ」と指摘している。
 指定文書は4月16日~5月6日に東京国立博物館で開かれる「平成31年新指定国宝・重要文化財展」で一般公開される。
 旧三菱鉱業寮は、道有形文化財の旧永山武四郎邸(明治10年代建築)に付設する形で、当時の三菱鉱業が1937年(昭和12年)頃に福利厚生施設として増設した建物。木造2階建て、切り妻造りの洋館で、大正・昭和初期のモダンなデザインを伝える貴重な建築だ。
 現在は無料で観覧でき、館内でカフェレストランも営業している。
https://www.yomiuri.co.jp/local/hokkaido/news/20190318-OYTNT50144/

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カラフトアイヌ文書 重文に キトラ壁画は国宝

2019-03-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/19 05:00
 文化審議会(佐藤信会長)は18日、美術工芸品のキトラ古墳壁画(奈良県)など国宝3件、重要文化財41件、登録有形文化財は美術工芸品2件、建造物153件を指定・登録するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。このうち道内関連では、カラフトアイヌ民族にまつわる歴史資料「カラフトナヨロ惣乙名文書(そうおとなもんじょ)(ヤエンコロアイヌ文書)」を重要文化財、札幌市旧三菱鉱業寮を登録有形文化財とするよう答申。いずれも新年度に指定・登録される見通し。
 文化庁によると、カラフトナヨロ惣乙名文書は18世紀から19世紀にかけてのカラフトアイヌ民族と日清両国との関わりを伝える計13通。清国に貢ぎ物を献上していたことを示す文書や、探検家最上徳内の書き付け、箱館奉行所が発行したカラフトアイヌ民族の氏族長への任免状などを含む。
 文書は北大が所有している。審議会は「北方世界の歴史研究上、学術的価値が高い」と評価。同文書が指定されれば、道内の美術工芸品の重要文化財は計29件になる。
 キトラ古墳壁画は奈良県明日香村のキトラ古墳の石室壁画。7世紀末~8世紀初めに描かれたとされ、天井の天文図は東アジアの最古例とされる。昨年10月に重要文化財に指定されたばかりで、国宝指定の答申まで異例のスピードとなる。
 このほか木造二天王立像(もくぞうにてんのうりゅうぞう)など六つの彫刻(奈良市)を合わせた1件と、木造五智如来坐像(京都市)も国宝に指定するよう答申した。
 建造物の登録有形文化財に登録するよう答申された札幌市旧三菱鉱業寮は、旧永山邸を所有していた三菱鉱業(現三菱マテリアル)が1937年(昭和12年)ごろ、市中央区の旧永山邸に併設した。木造2階建ての切り妻造りの洋館で和室も備え、社員の宿泊などに使われていた。戦前の民間企業の福利厚生施設として残されている貴重な建物とされ、85年に旧永山邸と共に札幌市へ寄贈された。
 同施設が指定されれば、道内の建造物の登録有形文化財は145件になる。(尾張めぐみ)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/287709

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札幌市人事【課長職】(4月1日)

2019-03-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞03/20 00:06
◆総務局
▽行政部総務課行政監察担当課長(西区市民部西町まちづくりセンター所長)細川幸男▽行政部庁舎管理課長(手稲区保健福祉部保護一課長)山本展三▽行政部行政情報課長(厚別区保健福祉部保健福祉課介護障がい担当課長)水野雅人▽秘書部秘書課長(議会事務局総務課議長会担当課長)深井貴広▽広報部広報課長(東区市民部伏古本町まちづくりセンター所長)沼田征延▽広報部市民の声を聞く課長(市民文化局地域振興部戸籍住民課長)前田周作▽職員部職員健康管理課長(経済観光局農政部農政課農業委員会担当課長)中西浩美▽職員部課長職=札幌市職員福利厚生会派遣(都市局市街地整備部総務課長)池戸和俊▽情報システム部システム調整課長(総務局情報システム部システム管理課長)長尾隆広▽情報システム部システム管理課長(まちづくり政策局政策企画部課長職)石原荘史▽東京事務所副所長(スポーツ局招致推進部調整課長)里忠克▽東京事務所シティセールス担当課長(豊平区保健福祉部保健福祉課介護障がい担当課長)柄澤晃人▽オンブズマン事務局次長(手稲区保健福祉部保健福祉課介護障がい担当課長)吉積明生
◆まちづくり政策局
▽政策企画部企画課長(まちづくり政策局政策企画部都心まちづくり推進室都心まちづくり課事業調整担当課長)成澤元宏▽政策企画部企画調整担当課長(白石区市民部戸籍住民課長)三浦悟▽政策企画部都心まちづくり推進室都心まちづくり課事業調整担当課長(都市局建築指導部建築安全推進課長)山内仙才▽政策企画部課長職=札幌市立大学派遣(豊平区市民部地域振興課まちづくり推進係長)檜森広一▽政策企画部課長職=さっぽろ産業振興財団派遣(保健福祉局総務部総務課庶務係長)岩田朋道▽都市計画部都市計画課長(まちづくり政策局都市計画部事業推進課長)高田洋▽都市計画部事業推進課長(まちづくり政策局総合交通計画部交通計画課交通施設担当課長)長南成明▽総合交通計画部都市交通課路面電車活用担当課長(下水道河川局事業推進部河川事業課事業係長)根元俊二▽総合交通計画部交通計画課交通施設担当課長(下水道河川局事業推進部下水道計画課計画係長)星野樹哉▽総合交通計画部交通計画課空港担当課長(経済観光局産業振興部国際経済戦略室経済戦略推進課食・健康医療産業担当課長)谷口秀一
◆財政局
▽税政部納税指導課長(財政局税政部北部市税事務所納税課滞納整理担当課長)大柿善崇▽税政部中央市税事務所納税課長(手稲区市民部新発寒まちづくりセンター所長)柴垣香▽税政部中央市税事務所固定資産税課長(経済観光局中央卸売市場経営支援課長)井上豊▽税政部北部市税事務所納税課滞納整理担当課長(財政局税政部北部市税事務所市民税課長)藤川眞浩▽税政部北部市税事務所市民税課長(西区市民部戸籍住民課長)松田寛司▽税政部東部市税事務所市民税課長(財政局税政部中央市税事務所固定資産税課長)池江正明▽税政部南部市税事務所納税課長(中央区市民部円山まちづくりセンター所長)清水一彦▽税政部南部市税事務所市民税課長(建設局総務部用地管理課長)木戸郁夫▽税政部西部市税事務所納税課長(中央区保健福祉部保険年金課長)冨樫勝▽管財部管財課長(建設局総務部道路管理課長)加藤浩治▽管財部工事管理室技術管理課建築設備検査担当課長(病院局経営管理室経営管理部総務課施設管理担当課長)野田尚弘
◆市民文化局
▽地域振興部戸籍住民課長(西区市民部山の手まちづくりセンター所長)小澤秀弘▽地域振興部市民自治推進室市民自治推進課長(保健福祉局高齢保健福祉部高齢福祉課長)柴垣和久▽地域振興部市民自治推進室市民自治推進課市民活動促進担当課長(総務局東京事務所副所長)柏原理▽市民生活部アイヌ施策課長(教育委員会生涯学習部生涯学習推進課長)大場智裕▽文化部文化振興課国際芸術祭担当課長(厚別区市民部厚別西まちづくりセンター所長)日比野篤
・・・・
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/288074

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「ボーナス」で3カ所目 ゲーム感覚でテロ決行 背景に白豪主義

2019-03-20 | 先住民族関連
産経新聞 2019.3.19 22:02
 【クライストチャーチ=平田雄介】ニュージーランド南島クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)2カ所が襲撃されたテロで、殺人罪で訴追されたオーストラリア人の男が3カ所目を襲う計画を立てていたことが19日、明らかになった。自作とされる犯行声明に、うまくいけば、「ボーナス」ステージがある-とゲーム感覚で計画を記載。「白豪主義」を背景とした移民排斥への共感とあいまって同国史上最悪の50人が死亡する銃乱射事件は引き起こされた。
 男はブレントン・タラント容疑者(28)。犯行声明は同容疑者の名前で事件直前にインターネット掲示板に投稿され、拡散したもので、現地紙ニュージーランド・ヘラルド(電子版)は声明の内容と事件の態様が一致することから本物とみているが、テロをあおる記述があることなどから報道を控えている。
 声明によると、3カ所目の標的はクライストチャーチ南西90キロのアシュバートンにあるモスク。キリスト教の教会を改装しており「神への冒涜(ぼうとく)だ」として、「2カ所の襲撃に成功すれば攻撃できる」と続けた。
 タラント容疑者の祖母は「高校生の頃、孫はゲームばかりしていた」と豪テレビ局9ニュースの取材に話した。「孫の人格が完全に変わった」のは2010年に父親を病気で亡くし、「欧州を旅行するようになってからだ」という。
 声明は、17年の欧州旅行中にスウェーデンで起きた外国人労働者によるテロ事件を契機に移民排斥を決意したとする。クライストチャーチでは「豪州育ちの容疑者は『白豪主義』の影響も受けたのでは」という見方も出ている。
 白豪主義は豪州が19世紀後半から20世紀半ばに採用した有色人種の移民を排斥する政策。今回もアニング豪上院議員が「イスラム教徒を受け入れるニュージーランドの移民政策が原因だ」と述べ、批判を浴びた。
 今も根強く残る差別意識の解消は豪州の課題だ。モリソン首相はヘイトスピーチ(憎悪表現)の拡散やテロリストによる悪用を防ぐ目的で交流サイト(SNS)の安全策強化を今年の20カ国・地域(G20)首脳会議で取り上げるよう安倍晋三首相に求めた。
 犯行声明は「白人の土地を奪う移民への復讐(ふくしゅう)」とテロを正当化した。しかし、白人が豪先住民族アボリジニやニュージーランドの先住民族マオリを虐殺した歴史には触れていない。
https://www.sankei.com/world/news/190319/wor1903190027-n1.html

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<4>大自然の美術館、カカドゥ国立公園

2019-03-20 | 先住民族関連
朝日新聞 2019.03.19
雄大な自然とアボリジナルの文化が息づく地・ノーザンテリトリー。今回は、カカドゥ国立公園にアートを訪ねる旅をお届けします。美しい湿原をボートで訪ねるイエローウォータークルーズも楽しみのひとつです。
アボリジナルアートを訪ねて
ノーザンテリトリーを旅するうちに、先住民族アボリジニのことをもっと知りたくなってきた。何万年も前からこの地に暮らし、独自の文化を伝えてきたアボリジニ。伝統文化のひとつ・壁画(ロックアート)は、カカドゥ国立公園と、その東に広がるアーネムランドに特に多く残されると聞き、さっそく行ってみることにした。

アーネムランドはアボリジニの聖地。訪れるには入域許可が必要
まず訪れたのは、アーネムランドに隣接する岩場・ウビア。岩に沿った遊歩道を歩くと、次々とロックアートが出現する。
カメ、トカゲ、バラマンディ(魚)……。今もこの地に、あるいはかつて生息していた動物が岩に刻まれている。輪郭線の中に描かれた多数の線は、内臓や骨を表す。「X線画法」というアボリジニ独特の手法で、文字を持たない彼らは、この図で生き物の食べられる部分を伝えたのだとも言われる。
ほかにも伝説に登場する猟師マブユや虹の蛇、アボリジニたちに命令する白人など、モチーフは多種多彩。2万年以上前の古いものから、1980年代に描かれたものまで、ウビアの岩は長い年月にわたってアボリジニの思いを受け止め、生きる知恵を伝えてきたのだ。
散策を終え岩場の上まで登ると、眼下に広がるのは湿地、岩場、サバンナが続く、広大なアーネムランドだ。アーネムランドはアボリジニの居住地かつ聖地で、伝統的な暮らしが営まれ、外国人は入域許可がないと入れない。伝統楽器「ディジュリドゥ」もアーネムランドで生まれたという。いつか訪れて、アボリジニの魂に触れてみたい。沁みるような美しい夕景を眺めながら、再訪を願った。
豊かな物語が描かれた、ノーランジーロック
威嚇するように手足を広げた3つの姿が岩に刻まれている。人とも精霊とも見えるこの線画は、雷雨を操作する雷男ナマルゴンと妻バラギンジ、天地創造神話に登場するナモンジョックを描いたもの。赤い岩に浮かび上がる自由で伸びやかな描線は、見飽きることがない。
ここはノーランジーロック。ウビアと並ぶ、ロックアートの宝庫だ。有名なナマルゴンの絵のほかにも、狩りの様子や動物が描かれ、見ごたえ十分。アボリジニは絵を通じて私たちが想像する以上に豊かな感情や情報をやりとりしていたのだろう。
生命の楽園、イエローウォータークルーズへ
鮮やかなピンクのスイレンが咲く静かな湿原を、ボートはゆったり進む。日差しが水面に反射してきらきら輝き、たっぷりと水を含んだ草木の緑はみずみずしい。周囲を行きかうのは、カワセミやワシ、ペリカンなどの鳥。蓮の葉の上をちょこちょこ歩いているのは、トサカレンカクという鳥だそう。なんだか、現実離れした美しい風景だ。
イエローウォータークルーズは、カカドゥ国立公園で特に人気があるアクティビティー。広大な湿原には1600以上の植物、200以上の鳥類が生息するのだという
「クロコダイル!」
ガイドの声に、乗客から歓声があがった。体長3メートルくらいありそうな、大きなワニが何匹も岸辺でくつろいでいる。動物は朝か夕方が活発、と聞いて夕方の便にしたのは正解だったようだ。
夢中でシャッターを切りながら、カカドゥやその他の場所で見てきたアボリジニの絵を思い出した。描かれていたたくさんの動物、伸びやかな線、強い色。すべての要素は、今、目の前に広がる生命の楽園に見つけられる。アボリジナルアートは、ノーザンテリトリーの自然が生み、何万年もの時間をかけて育んできたものなのだ。
>>「<1>刻々と色を変える神秘の一枚岩、ウルル」はこちら
>>「<2>絶景の懐に飛び込むアドベンチャー体験 アリススプリングス」はこちら
>>「<3>渓谷と温泉、水の恵みに癒やされるキャサリン」はこちら
>>ノーザンテリトリーの特集はこちらから
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壮大な自然と出会う オーストラリア ノーザンテリトリー
広大な空と大地の絶景、様々な自然遺産、野鳥や動物とのふれ合い――。オーストラリアの中央北部のノーザンテリトリーは、世界遺産のウルル(エアーズロック)を中心に、先住民のアボリジナル文化にふれたり、トレッキングやクルーズを体験したりと、地球の神秘とアクティビティーを楽しむことができます。また、ネイチャーリゾートだけでなく、グルメやショッピングも楽しめるエリアがあるのも魅力の一つ。ノーザンテリトリーで優雅な自然体験をしてみませんか。
特設サイトをご覧ください。
https://www.asahi.com/and_w/20190319/338986/

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強さと団結力を象徴する「ハカ・ダンス」 ニュージーランド銃乱射事件で広がる追悼ダンスの輪

2019-03-20 | アイヌ民族関連
ハフポスト 2019年03月19日 11時16分 JST
「あなたは1人じゃない」とメッセージも
ニュージーランド・クライストチャーチの2カ所のモスクで銃乱射事件が発生した後の週末、ニュージーランド国民はハカを踊り被害者へ敬意を示した。
ハカはニュージーランドの先住民族として知られるマオリ族の伝統的な儀式で、強さと団結力を象徴している。
ハカを踊った団体の一つは、クライストチャーチ・ボーイズ・ハイスクールの生徒たち。彼らは「ハカを踊ることを光栄に思う」と話した。
「ハカは僕らにとって、とても特別です。このダンスは僕らの文化の一部で、共に育ってきました。そして今回、深い悲しみにある人々の為にハカを踊れることは、大変な名誉です」と生徒の1人がオーストラリアのTV局に答えた。
クライストチャーチのイスラム教コミュニティの一員であるモハメド・ダゥド・カーンさんは、生徒らのハカを「非常にありがたく思う」とTV局に話した。
「私たちはここニュージーランドに居られること、そして私たちの文化と宗教を理解してくれる人々と共に居られて幸運です。...今回の事件は私たちを傷つけましたが、同時に団結することができました」と語った。
他の生徒は「あなたは1人じゃない」「ここはあなたのホーム。あなたたちは私たちの一部なのです」「血の色はみんな同じです」などのメッセージを紙で残した。APが報じた。
近くの高校に通う17歳の女子生徒は今回の一連の追悼活動に感銘を受けたという。
「すべての人種、生徒、年齢、性別の人々が団結しています。...ニュージーランドはこのような暗闇にある時にも団結し、自分たちらしくいられるのです。何も変わっていません。事件は私たちを脅威にさらしましたが、何も変えてはいないのです」
今回の白人至上主義にのっとった銃乱射事件では、50人が死亡し多くが負傷した。
28歳のオーストラリア人が逮捕され、殺人罪で起訴されている。
ハフポストUS版の記事を翻訳、編集しました。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/newzealand-haka-christchurch_jp_5c90472ae4b04ed2c1ad963f

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マオリ伝統の戦舞“ハカ”でモスク襲撃事件の犠牲者を追悼&レイシズムに「NO!」

2019-03-20 | 先住民族関連
ガジェット通信2019/03/19 11:05

多くの犠牲者を出したニュージーランド・クライストチャーチのモスク襲撃事件現場で、先住民族マオリの民族舞踊“ハカ”を踊って犠牲者を追悼する人たちが現れ、海外メディアから注目されている。
https://twitter.com/sfutterman/status/1107457785631891456
https://twitter.com/SBSNews/status/1107499346319204353
https://twitter.com/7NewsSydney/status/1107136077423214592
https://twitter.com/hassan_ghani/status/1107181371422736384
事件現場に設けられた献花台の前で、またニュージーランド各地で、学生やサーファーからバイク乗りの“ちょいワルおやじ”たちまでもが隊列を組み足を踏み鳴らして“ハカ”を踊る。マオリの血を引いていると見える子も白人もアジア系も、男も女も、みんなで一緒になってハカを踊り、犠牲者を追悼するとともに国民に連帯と調和を呼びかけた。目を見開いて舌を出したり歯を剥いて見せたりする様は威圧的で場違いにも思えるが、これが本来の流儀だそうだ。
ラグビーニュージーランド代表チーム・オールブラックスが試合前に踊ることで有名な“ハカ”は、先住民族マオリの民族舞踊。主にマオリの戦士が戦いの前に自らを鼓舞するために踊っていたが、その他にも、功績を称えたり、お客を歓迎したり、葬儀をする時にも行われてきたという。今日では結婚式やスポーツの式典などでも欠かせない踊りになっている。自国の歴史と文化を学ぶ授業の一環として、学校でも“ハカ”を踊るところが多いという。
画像とソース引用:『Twitter』及び『nzholidayguide.com』より
http://www.nzholidayguide.com/new-zealand-haka-dance/
https://news.nicovideo.jp/watch/nw5012209

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米中西部で大規模な洪水、ネブラスカなど3州が非常事態宣言

2019-03-20 | 先住民族関連
(CNN)3/19(火) 19:42配信
米中西部の広い範囲で先週から洪水が発生し、ネブラスカ、アイオワ、ウィスコンシンの各州が非常事態宣言を出している。
ネブラスカ州内では74市と65郡、4つの先住民居住区が非常事態を宣言し、17カ所で過去最高の水位を記録した。リケッツ知事は「州史上で最も広範に及んだ災害」だと述べた。
米中部を先週襲った「爆弾低気圧」による冬の嵐が去った後、暖かい雨の日が続いて雪や氷が解け、各地で川の水位が記録的な高さに達した。
洪水で車が流されるなどして、少なくともネブラスカで3人、アイオワ州で1人が死亡した。
CNNの気象専門家によると、中西部の全域で今週から来週にかけ、水位はさらに上がる見通し。ネブラスカ州の最大都市オマハなどで被害が拡大する恐れがある。ミネソタ州からメキシコ湾にかけての計14州に洪水警報が出ている。
サンダース大統領報道官は18日夜、ペンス副大統領が19日にネブラスカ州の被害状況を視察するとツイートした。
同州の被害総額は公共部門で2億500万ドル(約230億円)、民間部門で6000億ドルに上っているとみられ、リケッツ氏は緊急災害指定による連邦当局の支援を要請している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-35134449-cnn-int

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熱帯雨林に生きる「簡素な生き方に戻ろう」

2019-03-20 | 先住民族関連
Swissinfo2019/03/19
文・Ruedi Suter 写真・Bruno Manser Fund
「熱帯雨林保護活動家ブルーノ・マンサー氏、行方不明に」。2000年、そんな見出しが世界を駆け巡った。スイス人研究者であり、熱帯雨林保護・人権活動家のマンサー氏(46)は、友人の先住民、プナン族が住むボルネオ島の熱帯雨林で突然、消息を絶った。プナン族の一員となった彼は、この先住民の保護に心血を注ぎ、世界中で注目を浴びた。正直な性格が人々の共感を呼び、20世紀に最も高い信頼を得た環境保護活動家の1人だったマンサー氏。地球人として自分の信条を生き抜いた彼は、他人が目を背ける問題にも正面から向き合った。
 「マレーシア政府や木材企業がマンサー氏の口を封じるつもりだったことは裏付けされている」。03年末、氏の失踪に関する裁判手続きの際、バーゼル民事裁判所はそう説明している。バーゼルで育ったマンサー氏は生きることをこよなく愛していた。しかし問題に背を向け、破壊や略奪を容認することができなかった。そして原住民の犠牲や自然の略奪の上に成り立つ、自分が育った産業社会を受け入れることはできなかった。そんな彼は、禁欲をもって飽和状態の現代社会に対抗した。氏の人生は、ひたすら簡素な生き方に戻る過激な道だったと言える。知能、創造力、そして頑固さとユーモアを持って、できる限り現代の生活様式を拒んだのだ。
 マンサー氏は学業を諦めてチーズ職人になり、羊飼いになった。11年も山で暮らした彼はこう言う。「毎日の生活に必要な知識を全て身につけたかった」。そしてその知識を実際に生かすために、太古の昔から狩りや採集で暮らす民族を探した。だが技術化の進んだ欧州では、そういった民族は既に消滅していた。そのため、氏は1984年、マレーシア領の一つであるボルネオ島のサラワク州へ旅立った。そこで勇敢に原生林を探索し、完全な移動民族として今もなお森に生きるプナン族300世帯に出会った。
 プナン族はこの変わり者を仲間として受け入れた。そこで彼は衣類、救急箱、歯磨き粉、靴など、自分の所持品を全て捨てた。ただし近眼だったため、眼鏡だけは取っておくことにした。プナン族のように裸足で歩く生活を試みたが、初めは慣れず、いつも足が傷だらけで、毎回ナイフでとげを抜かなくてはならなかった。やがて痛みに耐えることを覚えた。原生林の中でプナン族と同じ生活をするには、痛みに慣れるしかなかったのだ。そして、いつしか裸足の生活が苦にならなくなった。現代人である彼が、もう靴にしばられないでも生きていける。それは正に、自分自身に対する勝利だった。
同じ仲間に
 彼は瞬く間に周囲からも認められるようになった。一切妥協せず、プナン族と全く同じ生活を営んだ。裸足で歩き、衣類をまとわない暮らし。空腹や湿度、昆虫、ヒルに耐え、皮膚病とマラリアに悩まされる毎日。そしてこの眼鏡をかけた男は、いつしかプナン族と変わらない森の住民になっていた。マチェテ(山刀)で巧みに茂みをかき分け原生林を進み、プナン族と同じようにしゃがんで休み、氾濫する川を泳いで渡り、夜は木の上に寝床を作って眠った。
 この移動民族の簡素な生き方が、マンサー氏はとても気に入っていた。まるで自分の前世の家族と再会したようだった。狭く、排気ガスと騒音に溢れるスイスにはもう戻るつもりはなかった。種の多様性を破壊し、次第に自然な生き方から遠ざかり、技術や金儲けや娯楽産業に人生の意味を追い求める現代人。そして結局は行き先を見失い、ますます不幸せになっていく人間の元に帰る気持ちは毛頭なかった。
 自分はこの質素な、温かい心を持つ人々と共に生き、共に苦しみ、喜び、命を育む原生林で幸せに暮らすのだ。
 やがて彼はプナン族にとっての仲間「ラキ・プナン」になった。野獣を知り尽くし、投網で魚を捕まえ、吹き矢や毒矢、そして槍と鉄砲で熊や猿、猪、鹿、鳥を狩り、野生の果実を集め、ヤシの幹中に蓄積されるサゴでん粉を採集した。言葉を学び、観察したことを書きとめ、人間、動物、植物について数えきれないほどの記録を残した。
熱帯雨林・人権保護活動家
ブルーノ・マンサー氏はマレーシア領ボルネオ島のサラワク州へと旅立つ1984年まで、スイスのグラウビュンデン州で羊飼いとして働いていた。やがて現地に住む移動民族のプナン族から受け入れられ、彼らと同じ簡素な生活を営むようになった。サラワクで6年の月日を過ごした後、スイスへと戻り、木材企業と熱帯雨林の乱伐に反対の声を上げる熱心な熱帯雨林保護活動家となった。
(写真・Bruno Manser Fonds)

文明の侵略
 スイスに未練はなかった。確かにスイスに残した家族や友達を思う度に郷愁がこみ上げたが、彼の信条が揺らぐことはなかった。心の痛みを癒すように彼は頻繁に家族に手紙を書いたり、録音テープを送ったりした。だがこの熱帯雨林に生きる新しい家族の元を離れることは決してなかった。ここが、彼の新しい故郷なのだ。とうとう思い通りの楽園を見つけたのだ。もう何も彼をここから引き離すことはできなかった。
 もしかすると彼は、この澄んだ水と動植物に溢れる見事な森が、いつの日か破壊されてしまうことを薄々感じていたのかもしれない。
 事実、既に原生林のあちこちで木材企業による乱伐が進んでいた。木材企業には政府という強い後ろ盾があった。政府は森の果実を食べて平和に暮らす原住民がこの地に生きる権利と、深刻になりつつある彼らの窮状を無視した。サラワク州の首都クチンにいる政治家にとって、熱帯雨林は単なるセルフサービスの店に過ぎなかったのだ。産業社会の消費者が求める屋根の梁、家具、高級ヨット、窓枠やホウキの柄を作るために、大木から取る良質な硬材が次々と輸出されていった。
「国家の敵」ナンバーワンに
 そして森に響く鋭いチェーンソーの切断音を耳にした時から、マンサー氏にとって楽園からの追放劇が始まった。プナン族に助けを求められた彼は、原住民と共にバリケードでブルドーザーに対抗した。彼は突然、文明に対するプナン族の平和的な抵抗を助ける戦略家に様変わりした。それはかつて自分が背を向けた文明、そして権利をふりかざし、兵士を送り込み森の民族の生活空間を破壊するコンツェルンと国家権力への抵抗だった。こうして国家の敵・ナンバーワンと化した彼は、まるで獣のように追われ、銃で狙われる存在になった。
 やがてマスコミが訪れ、この変わり者は「勇敢な熱帯雨林保護活動家」として脚光を浴びることになる。そしてこの「白いターザン」は世界中の報道機関にとってプナン族の代弁者となった。謙虚で、もの静かな彼の正直な言葉に、世界中の人々が耳を傾けた。こうして抵抗の立て役者であるマンサー氏は、熱帯雨林の乱伐に対する反逆のシンボルと化したのだった。
 「プナン族の生活空間が安い木材の犠牲になっている事実に触発され、私は1990年、スイスへ戻る決心をした。この文明社会に『我々の森を破壊してあなたたちの家を建てないで』という彼らの叫びを伝えるために」。バーゼルでは人権活動家のロジャー・グラーフ氏の援助で「ブルーノ・マンサー基金(BMF)」を設立。今では熱帯雨林の保護には欠かせない機関へと発展した。「産業国全ての消費者が熱帯樹の使用を止めること」が基金の目標だ。
 基金はこの狩猟民族と森の共生関係を明らかにし、「森の死は、この民族の死を意味する」と訴えた。口調こそ穏やかだったが、欧州連合(EU)、国連、国際熱帯木材機関(ITTO)といった国際的な組織に絶望的な事実を説明し、プナン族の苦境を訴えかけた。スイス滞在中、マンサー氏はできる限り質素な生活をしながら、四六時中働き、各地を訪れた。そしてボルネオ島ではプナン族に対する攻撃に抵抗して戦った。プナン族に残された時間はわずかだと感じた彼は、ますます過激な行動に出るようになっていった。
消息が途絶える
 マンサー氏は「木材と木材製品の出産国明記の義務化」を求めスイスでハンガーストライキを決行、物議を醸した。だがそんな努力もむなしく、「飽和社会の人間は空腹者の気持ちを理解しようとしなかった」(マンサー氏)。サラワクの熱帯雨林はますます消滅し、動物は追い散らされるか乱獲された。それに伴い、かつて健全に機能していた森の民族、プナン族の困窮化も進んだ。1996年には、既に原生林の7割が破壊されていた。問題に目を向けさせようと、欧州とサラワクで無謀な抗議行動に出たマンサー氏だったが、その努力が報われることはなかった。そして2000年に再びボルネオへ旅立った彼は、そこで永遠に帰らぬ人となった。
 氏は暗殺され、跡形もなく抹消されたのだろうか?恐らくそれが最も有力な死因と思われるが、事故死や自殺の形跡が見当たらないのと同じく、暗殺の証拠も全くない。彼の失踪は今も謎に包まれたままだ。ブルーノの帰りを待つことはもうやめた家族や友人。だが彼は心の中に生き続けている。時々、ふと彼の力強い声が聞こえるような気がするという。「本当に意味があるのは、行動だけだ。それは君も同じことだよ」
リュディ・ズーター、「ブルーノ・マンサー 森の声」著者
(独語からの翻訳・シュミット一恵 編集・スイスインフォ)
https://www.swissinfo.ch/jpn/longform/swissabroad/person-5

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だて歴史文化ミュージアムが来月オープンへお披露目【伊達】

2019-03-20 | アイヌ民族関連
室蘭民報2019.03.16
企画展示室で展示品に見入る参加者たち
 4月3日のオープンを予定する「だて歴史文化ミュージアム」の内覧会が15日、伊達市梅本町の同ミュージアムであった。関係者が新たに完成した博物館の高機能の展示設備に理解を深め、縄文からアイヌ文化、武家文化が融合した新しい歴史と文化の発信拠点の完成を喜んだ。
 ミュージアムは、カルチャーセンター、総合体育館、食育センターなどの施設が集中する「だて歴史の杜総合公園」内に建つ。新たに完成した博物館と、宮尾登美子文学記念館を改修した「同記念アートホール」、藍染めや刀鍛冶工房の「体験学習館」で構成する。総工費は約8億円。
 お目見えした博物館は、鉄筋コンクリート造り2階建て。延べ床面積は約1500平方メートル。2階の有料展示室は、常設と企画の展示室に分かれる。市が所有する重要文化財など貴重な資料が展示できるよう、温度湿度管理を徹底する空調設備をはじめ、エアタイト(高気密)の展示ケースを設置している。
 内覧会は2回に分け150人が参加。市教委の伊達元成学芸員(40)が案内役を務めた。参加者は、重要文化財の有珠モシリ遺跡出土の2千年前の骨角器をはじめ、19世紀のアイヌ民族の衣服、仙台藩亘理伊達家の2代目当主・伊達成実の鎧(よろい)、幕末の動向を示す文書類などに見入っていた。
 このほか、参加者は博物館1階部分で開催するフランク・シャーマンコレクションや「アートホール」を見て回った。
 菊谷秀吉市長は内覧会の冒頭あいさつで、伊達と名乗って150年を迎える今年に触れ「節目にふさわしい施設にしたい。次の時代へつなぐ役割となる施設になってほしい」と述べた。
 オープンの3日は午前9時半からセレモニーを開催する。市教委は年間3万人の来場者を見込んでいる。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/10803

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