先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

「先住民族」初めて明記 アイヌ新法成立(北海道)動画

2019-04-20 | アイヌ民族関連
STV 4/19(金) 20:10配信
法律で初めてアイヌ民族を「先住民族」と位置づけた「アイヌ新法」が国会で成立しました。新法には、アイヌ文化の維持や地域振興のための交付金創設などが盛り込まれていて、アイヌ民族の伝統を守る地元からは期待の声が上がりました。
伝統的な儀式で使われるアイヌ舞踊や、煮込み汁やシカ肉の焼き物。札幌市内では、代表的なアイヌ料理を提供しています。
(国会)
「よって法案は可決されました」
そのなかアイヌ民族の誇りを尊重する新たな法律が19日、国会で成立。見届けたアイヌの関係者からは安堵する表情が見られました。
(菅官房長官)
「アイヌの人々が、とりわけ北海道の先住民族である、その認識を示したことは我が国における共生社会の実現に向けた大きな前進である」
成立した新法には、初めてアイヌの人々を「先住民族」と明記したほかアイヌ文化を進める自治体などに新たな交付金を創設することが盛り込まれています。また、白老町に来年開設される「民族共生象徴空間」の交付金も盛り込まれました。白老のポロトコタン周辺では博物館や公園の整備が進められていて国は、年間100万人の来場者を目標にしています。新法の成立を受けて地元では。
(白老アイヌ協会 山丸和幸副会長)
「先住民として位置付けられたこと。もうひとつは地域に交付金がくるということ。地域の住民がよくなればわれわれアイヌにとっても良くなる。この2点の政策については評価している」
また、アイヌ文化の伝統を守り続ける日高管内の平取町は。
(平取町役場 アイヌ施策推進課武田弘幸課長)
「より一層アイヌ文化普及に向けて力を入れていけるということで期待したい」
工芸品を手掛ける貝沢守さんは。
(二風谷民芸組合 貝沢守代表)
「いま本当に第一歩だと思う。文化を守っていく中にいくらかでも力を貸していただければという考えが多い」
地元では、「アイヌ新法」がアイヌの人々が抱える問題や文化などについて考える機会につながれば、と期待しています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190419-00000265-stv-hok

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「先住民族」と明記 アイヌ新法が成立 北海道アイヌ協会理事長「歴史の大きな1ページ」(動画)

2019-04-20 | アイヌ民族関連
HBC 4/19(金) 19:37配信
アイヌ民族を法律で初めて「先住民族」と明記したいわゆるアイヌ新法が、19日、参議院本会議で可決、成立しました。
19日成立したアイヌ新法では、アイヌ民族が法律として初めて「先住民族」と明記されています。
また、市町村が行うアイヌ文化の推進事業に国が交付金を出す制度を設けたほか、サケ漁など伝統的な生活文化を守るための規制緩和も盛り込んでいます。
本会議を傍聴した北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は、画期的な出来事と評価しています。
「泣いてます、うれしくて。抱えきれないような苦しみと悲しみと歴史がありましたけれども、きょうから出発できる。歴史の大きな1ページ」(北海道アイヌ協会・加藤忠理事長)
ただ、法律では生活支援などについては盛り込まれず、付帯決議で支援事業の充実に「一層努める」とされるに留まりました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190419-00000013-hbcv-hok

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<北海道>“アイヌ新法”成立 「先住民族」と明記(動画)

2019-04-20 | アイヌ民族関連
HTB 4/19(金) 18:48配信
 19日、アイヌ民族に関する新しい法律が成立しました。法律で初めてアイヌ民族を先住民族と明記しました。
 新法は、法律で初めてアイヌ民族を先住民族と位置付け、差別を禁止する基本理念やアイヌ文化を生かして地域振興を行うための交付金の創設などを盛り込んでいます。
 北海道アイヌ協会・加藤忠理事長「苦しみと悲しみの歴史がありましたけれど、これからも一歩一歩進んでいきたい」
 アイヌ政策を巡っては国連が日本政府に対し、もともとアイヌ民族が持っていた土地や天然資源などの権利を保障するよう求めていましたが、新法に盛り込まれませんでした。
 萱野茂二風谷アイヌ資料館・萱野志朗館長「先住民族の権利に関しては一切触れていない」
 コタンの会・清水裕二会長「こんな状態で『法案ができました』と言われて『はい分かりました』なんて(言えない)。悲しいという気持ちしかない」
 法律の成立にあたり、アイヌ施策をさらに進めていくことなどを政府に求める意見が衆参両院で加えられています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190419-00000009-htbv-hok

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ文化振興へ交付金創設 支援新法が成立

2019-04-20 | アイヌ民族関連
毎日新聞2019年4月19日 12時58分(最終更新 4月19日 15時12分)
 法律として初めてアイヌを「先住民族」と明記し、独自の文化の維持・振興に向けた交付金制度を創設する新法「アイヌ民族支援法」が19日、参院本会議で可決、成立した。政府や自治体の責任で産業や観光の振興にも取り組み、アイヌ以外の国民との共生や経済格差の是正を図る。
 先住民族への配慮を求める国際的な要請の高まりに応えた。ただ2007年の国連宣言で民族の権利とされた自決権や教育権などは盛り込まず、付帯決議で宣言を尊重するよう政府に求めるにとどめたため、アイヌ関係者から批判も出ている。
 石井啓一国土交通相は「国会審議や付帯決議を踏まえ、確実な施行に努める」と述べた。(共同)
http://mainichi.jp/articles/20190419/k00/00m/010/120000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ民族への同化政策/紙氏「政府は謝罪を」/新法案は可決/参院国交委

2019-04-20 | アイヌ民族関連
しんぶん赤旗2019年04月19日 09:27
 日本共産党の紙智子議員は18日の参院国土交通委員会で、アイヌ新法案について、アイヌ民族への謝罪もなく議論が進んだと指摘し、「先住民族の権利に関する国連宣言」が認める諸権利を盛り込むよう求めました。
 紙氏は、同化政策について「厳粛に受け止める」としか言わない政府に対し、「明治以降の歴代日本政府がアイヌの権利を侵害し、土地、生活、自然を破壊したことを反省し、謝罪すべきだ」と強調。国連宣言に反対したオーストラリアやカナダの政府でも、その後謝罪しているとして、「なぜ日本政府は謝罪しないのか」と迫りました。
 石井啓一国交相は答弁に立たず、橋本元秀アイヌ総合政策室長は「意見交換では『未来志向で』との意見が強かった」と政府の姿勢を正当化しました。
 紙氏は、同法案の目的に「国連宣言を踏まえ」と明記すべきだと主張。研究と称してアイヌの遺骨が盗掘・保管されている問題で、「遺骨を取り戻す運動は先住民族の権利の中核をなす」との有識者の指摘を紹介し、国連宣言が認める権利だとして同法案に盛り込まなかったことを批判しました。
 さらに、付則の5年後の見直し規定に触れ「5年を待たずアイヌの声を反映させ、見直すべきだ」と求めました。同法案は、同日、日本維新の会を除く各会派の賛成多数で可決しました。
https://blogos.com/article/372032/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ新法成立=「先住民族」明記、交付金創設

2019-04-20 | アイヌ民族関連
時事ドットコム2019年04月19日12時20分
 アイヌ民族の誇りを尊重し、必要な支援策を盛り込んだ新法が19日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。法律上初めてアイヌを「先住民族」と明記。産業・観光振興などに使える交付金を創設すると定めた。公布後1カ月以内に施行される。
 アイヌ施策を進めるため、政府が基本方針を策定し、市町村が計画を作成。国は計画に盛り込まれた事業を交付金で後押しする。アイヌと地域住民の交流の場の整備やアイヌ文化に焦点を当てた観光プロモーションなどが想定される。
この他、市町村計画に応じ、祭具作りのため、国有林の樹木採取も特例で認める。また、伝統漁法の維持に向け、河川でのサケ捕獲に関し都道府県知事に手続きの簡素化などを促す。2020年4月に北海道白老町にオープンする「民族共生象徴空間」の管理や入場料の徴収についても規定した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041900128&g=pol

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ新法が成立 「先住民族」明記

2019-04-20 | アイヌ民族関連
日本経済新聞 2019/4/19 12:11
北海道などに居住するアイヌ民族を「先住民族」と初めて明記した新法が19日の参院本会議で可決、成立した。アイヌ民族の文化伝承や観光振興を支援するための交付金を創設する。伝統儀式に必要な水産物や林産物をとりやくするための規制緩和も盛り込んだ。
新法の条文に「先住民族であるアイヌの人々」と記した。政府がアイヌ民族向けの施策を推進する基本方針をつくる。基本方針に基づき市町村は計画を立て、アイヌ民族に関する文化事業や観光振興のための交付金を地方自治体に支給する。規制緩和を通じてアイヌ民族の伝統的なサケ漁や、祭事に使う木材の伐採を後押しする。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43933310Z10C19A4EAF000/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ施策「着実に推進」=官房長官

2019-04-20 | アイヌ民族関連
ヨコハマ経済新聞 2019.04.19
菅義偉官房長官は19日の記者会見で、アイヌ新法が成立したことを受け、「政府一体となって、法律に基づく一つ一つの施策を着実に推進していく」と述べた=首相官邸 【時事通信社】
https://www.hamakei.com/gpnews/691756/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本一のすずらん群生地に感動必至! 初夏の北海道は「平取町」へ行こう

2019-04-20 | アイヌ民族関連
ビッグローブ2019年04月19日 15時00分
「平取町」と書いて「びらとりちょう」と読みます。
この北海道南部にある町をご存じない方もいるかと思います。しかし、ここには日本一の面積を誇るすずらんの群生地があり、北の大地が生んだ極上和牛グルメから、旅には欠かせない良質な天然温泉まで揃い踏み。さらに「アイヌ文化発信の地」としても有名です。まだアナタの知らない北海道が、平取町にあります。
Text:小林智明
アイヌがルーツ、大自然あふれる町

北海道・日高山脈の西側に位置するのが平取町です。札幌の中心地から南東方面へ車で約90分、新千歳空港からだと約60分で到着します。
平取町の歴史は古く、その地には源義経の伝説が残り、アイヌ民族の文化拠点の一つでした。特に「二風谷(にぶたに)」というエリアは、アイヌ文化の重要拠点の一つでもあります。「二風谷コタン(集落)」内では二風谷アイヌ文化博物館(写真)などがあり、アイヌの伝統的な家屋「チセ」を訪れることも。ぜひ足を運んでアイヌ民族の息吹を感じてみてはいかがでしょう。
また、日高山脈最高峰である雄大な幌尻岳(ぽろしりだけ)は、標高2,052mの登山地。頂上から山が幾重にも重なる絶景が一望できるため、人気があります。
広大な敷地に咲き誇る、初夏の風物詩すずらん
北海道の初夏を代表する花といえば、「すずらん」です。その群生地が平取町幌尻岳の麓、「芽生(めむ)」という場所にあります。面積は約15haと、野生のすずらん群生地として日本一の広さ! 鈴のように揺れる真っ白な花が辺り一面に広がる光景は、まさにフォトジェニック。花の甘い香りも漂いますから、女子必見のスポットですよ。
一般公開されるのは毎年5月中旬~6月中旬の時期のみです。その中でも「すずらん観賞会」期間中の土・日には、名物びらとり和牛などが楽しめるバーベキュースペースも設けられ、賑わっています。小鳥のさえずりを聞きながら、可憐なすずらんの姿を愛でてみませんか?
新緑に囲まれた天然温泉も初夏の楽しみ
すずらん観賞のあとは温泉へ。二風谷エリアには、温泉も楽しめる「美味しい宿ゆから」があります。泉質自慢の湯は透明で柔らかく、体の芯まで温まると評判です。大浴場の外には森に囲まれた露天風呂があり、貸切家族風呂やサウナも完備。道内ではまだ少ない炭酸泉の浴槽もあります。しかも、日帰り入浴の料金は大人500円と良心的。地元の方々から人気なのも納得です。
もちろん、「ゆから」に宿泊するのもおすすめです。夏のシーズン中は、敷地内で話題のグランピングもできますので、気軽にお問い合わせを。館内には、地元食材をふんだんに使った料理を味わえるレストランや、びらとり和牛直売店もあるのでチェックしましょう。
旨味たっぷり! びらとり和牛グルメに感嘆
ここまで読んで、何度か登場した「びらとり和牛」が気になった方も多いと思います。この和牛こそ、平取町を代表する特産品です。大自然と恵まれた気候条件で育ったこの黒毛和種は、口の中でとろけるなめらかな食感が特徴。そして日高の冬の厳しさを乗り越えることで霜降肉には甘味・旨味が凝縮され、赤身は濃厚な味わいに。ぜひ一度食べてほしい逸品です!
近隣にはレストランや直売所もあるので、びらとり和牛グルメをいろいろ試してみましょう。ステーキや焼肉、しゃぶしゃぶなら間違いなし。地元の方が推すハンバーグも噛まずに食べられるほど柔らかく極上! ブランド和牛を食べに、ぜひ平取町へ。
すずらんが観賞できる5月中旬~6月中旬は、すずらん・天然温泉・びらとり和牛による“旅のフルコース”を堪能できるので、この機会を逃す手はありません。初夏の北海道周遊を検討中なら、平取町観光は欠かせません。
◆北海道・平取町
電話:01457-3-7703(平取町観光協会)
「平取町観光協会」公式ページはこちらhttps://biratori-kanko.jp/
https://beauty.biglobe.ne.jp/news/spot/tap_190419_2470694568/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ新法が成立「先住民族」と明記 自治体への交付金創設も

2019-04-20 | アイヌ民族関連
NHK2019年4月19日 13時36分
アイヌ民族を先住民族として初めて位置づけ、アイヌ文化を生かした地域振興策を行うための交付金の創設などを盛り込んだ新たな法律が、19日の参議院本会議で可決・成立しました。
この新たな法律ではアイヌ民族を「先住民族」と初めて明記し、「アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図る」としています。
また国や自治体が、アイヌ政策を実施していく責務を負っているとしたうえで、地域の活性化を目指してアイヌ文化を生かした事業を計画する自治体を対象に、新たな交付金を創設することも盛り込まれています。
さらに、アイヌの人たちが独自の文化を継承するのを後押しするため、国有林で樹木を採取したり、川でサケを捕獲したりできるよう手続きを簡素化し、規制緩和を行うなどとしています。
法律を担当する石井国土交通大臣は閣議のあとの記者会見で「アイヌの人々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代に継承していくことは活力ある共生社会を実現するために重要だ。国会審議での意見などを踏まえ確実な施行に努めたい」と述べました。
紋別アイヌ協会会長「国はアイヌの歴史を調べ国民に説明を」
紋別アイヌ協会の畠山敏会長は、先住民族の権利を訴え、去年9月、北海道紋別市でアイヌの伝統儀式に使うサケを、川を管理する自治体の許可なしに獲ろうとしましたが、警察から法律違反になるとして止められ、漁を行うことができませんでした。
新たな法律について畠山さんは「先住民族であるアイヌの土地や資源に対する権利を保障しておらず、国際的な基準を満たしていない。過去にアイヌは住んでいた土地を追いやられて、過酷な労働を強いられた。国はそうした歴史を調べて国民が理解できるよう説明すべきだ」と国の対応を批判しました。
北海道アイヌ協会理事長「歴史の大きな1ページ」
アイヌ民族を先住民族として初めて位置づけた新たな法律が可決・成立したことを受けて、「北海道アイヌ協会」の加藤忠理事長は、「涙が出てきます。これまで抱え切れない苦しみと悲しみの歴史がありましたが、ようやくこの法律で認めてもらいました」と話していました。
そのうえで、「きょうからが出発、歴史の大きな1ページです。ここから、地域の振興を一歩一歩進めていきたい」と述べました。
菅官房長官「民族の誇り尊重される社会実現」
菅官房長官は午後の記者会見で、「法律の施行にあたっては、アイヌの人々に寄り添いながら、課題の解決に向けた効果的な取り組みを実施していくことが大事だ。新たに創設される交付金制度等を活用しつつ、多岐にわたる施策を総合的に推進することになっていて、政府として、これらの取り組みを一つ一つ、着実に実施することによって、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会を実現していきたい」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190419/k10011889361000.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アイヌ新法」は先住民運動から学んでいない

2019-04-20 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2019年04月19日杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)
アイヌの先住権としての所有権・管理権、そして食料の優先的入手権

参院本会議場の傍聴席で、「アイヌ新法」の成立を喜ぶアイヌ=2019年4月19日
土地に対する所有権
 「アイヌ新法」によって、アイヌを先住民族とみとめた以上、(1)アイヌが北海道の土地に対する伝統的な所有権(論座「「アイヌ新法」はアイヌの先住権を葬る欠陥法」)を有することを認め、実際にその保障へ向けて努力すべきである。
 中でも、アイヌコタン(集落)の存続にとって不可欠な周囲の森林を返還すべきであろう。アイヌにとって森林は、薪や材木の切り出し場として重要な意味をもった。だからアイヌは、例えば二風谷(にぶたに、沙流郡平取町)にある三井物産の社有林――最初、アイヌからとり上げられて国有林とされたが、それがいつの間にか三井物産のものになっていた――を返還するよう、くり返し求めてきた(貝澤正『アイヌ わが人生』岩波書店、1993年、186頁以下)。
 いまだにこの切実な要望は実現していないが、これが、社会的・歴史的責任を自覚しない巨大企業の現実のようである。だが、国有林・道有林なら、その返還はまだしも容易なはずである。明治政府・開拓使・道庁がアイヌモシリを「北海道」と命名して「開拓」にまい進して以来、長年にわたってアイヌに加えてきた非道――ここには日本政府が、ダム建設のためと称して「土地収用法」を使って二風谷コタンの土地を奪った事実も含まれる――を認め、アイヌが切実に求める、一定地域の国有林・道有林の返還を真剣に模索すべきである。
 あるいは万一それが不可能なら(もちろん簡単にそう言わせてはならないが)、実質的な返還という実を上げるべく、当該の土地・森林をアイヌに対して長期にわたって無償で貸与するという方式がとられてもよい。実際無償貸与は、土地の返還と同時に、オーストラリアで先住民に対して行われてきた実績がある(後述)。
領域の自然環境に対する管理権
 以上と別に重要なのは、(2)森林・水域等を含む領域の自然環境に対する管理権(論座「「アイヌ新法」はアイヌの先住権を葬る欠陥法」)を、アイヌに対して保障することである。
 例えばイナウ(木幣)のためのヤナギ、あるいはアットゥシ(アイヌの伝統衣装)ためのオヒョウニレは、単に採集できればよいのではなく、イナウやアットゥシの製作に適した種をアイヌが自ら植え育てることが可能でなければならない。
 同種のことはサケの捕獲についても言える。上流の森林が伐採されれば栄養分は川に流れず、あるいは土砂が流出し、そうなればサケは溯上しない。また孵化場が川下に作られ、溯上するサケがそこで捕獲されれば、あるいは下流に簗(やな、ウライ)が設置されて稚魚が捕獲されれば、アイヌはサケを入手できなくなる。つまり、自然環境(ここでは森林・水域)の管理権をアイヌが持つのでなければ、アイヌの伝統的な物質的・精神的な生活を守ることはできない。
 各種草本・木本の採集権・サケの漁労権が認められるのみならず、一定領域(森林・水域)の自然管理権を認めることではじめて、アイヌにとって先住権のより確かな行使が可能となる。
食料の優先的な捕獲権――カナダ・アラスカ等
 食料の優先的な捕獲(漁労・狩猟)は、1980年代にはすでに各地――カナダ、アラスカ、スウェーデン等――で認められていたという事実が、アイヌ民族で元参議院議員の萱野茂氏によって報告されていた(本多勝一『貧困なる精神――悪口雑言罵詈讒謗集 B集』朝日新聞社、1989年、105頁、123-4頁)。
 それから30年以上が経過した今、日本政府ももうそろそろ各地で積み重ねられた経験に学んでもよいはずである。
土地の所有権――オーストラリア
 (1)土地の所有権、(2)領域の自然環境に対する管理権については、オーストラリアの経験から学ぶことが多い。
 オーストラリアの先住民は、長年にわたって権利獲得の努力を重ねてきた。そして政府(州政府を含め)は、長い目で見ればそれに対し比較的まともな対応をとってきたと判断される(もちろん政府の行政も人間のすることであるため、多かれ少なかれ「政治」が入りこんだ事実は否定できないが、ここでは論じない)。
 オーストラリアの場合、当初は、「申請者が特定の土地について伝統的な所有権を証明できた場合に限り、その土地……を、売買できない譲渡不可能な自由保有地としてアボリジナル〔先住民――杉田注〕の申請者集団に返還し得る」という対応をとった(友永雄吾『オーストラリア先住民の土地権と環境管理』明石書店、2013年、109頁)。ここで対象とされる土地は、かつての「指定地」(reserve, reservation)等に限定されていた。
 ちなみに「指定地」とは入植者側が先住民をおしこめた(たいてい)不毛の土地である。アイヌの場合も和人政府は同じ対応をとった。「北海道『開拓』でアイヌを迫害した北海道庁の罪」でとり上げた「近文」(チカプニ、ちかぶみ)などが、その典型である。ここは現旭川市の中心地に近いところに広がる、アイヌに対する「給与地」だが、道庁関係者の怠慢・詐欺等により3分の1に削られ、しかも実に40年にわたる紆余曲折を経た後にようやくアイヌに与えられた。だがこの地は伝統的な狩猟・漁労・採集生活には向かず、けっきょくアイヌはほとんどすべてを失った。
 さてオーストラリアの場合、上記のように「指定地」に限定されていたとしても、その所有権が保障された事実は画期的である。だがオーストラリアでは、その後は「指定地」等に限定されない土地についてさえ、より広く、先住民を「伝統的な土地所有者」であると見なすようになる(同前、141-149頁:ヴィクトリア州の例)。それにあわせて、かつての指定地以外の土地に対する所有権――もちろん個々のケースにおいて住人・土地所有者との間の調停が成功しなかった場合もあったが――を認める動きが強まったのである。
 今日、オーストラリアでは、州によって多寡に違いはあるとはいえ、かなりの広さの土地が先住民に返還されている(同前、33頁)。
領域の自然環境に対する管理権――オーストラリア
 土地の返還に行きつかない場合でも、オーストラリアでは、例えば「マレー河流域」(ヴィクトリア州)に見るように、周辺の森林・土地に関する「共同管理協定」(同前、116頁)が先住民と州政府との間で締結された事実が知られている。そして共同管理は、協定締結主体である先住民団体からの5人と、州政府からの3人の計8人によって構成される合同法人が行う(同上)。
 先住民団体は、協定が定めた土地と河川流域の資源管理への「合同管理」を実現しようとしたが、合同管理は最終的に土地の返還あるいは貸与を求めることにつながるため(同前、150頁)――先住民に対する99年間貸与の例が知られているが(同前、98頁)、それは実質的に所有権の返還である――、結局、同流域について実現したのは、州政府との「共同管理」にとどまったようである(同前、116頁)。
 とはいえ、その効果は大きい。他州で同じ99年の、および50年の貸与が実現したのみならず(本多前掲書『D集』朝日新聞社、1989年、103頁)、その後の「ヴィクトリア州環境評価委員会」の勧告を見ると、領域の違いあるいは先住民団体の違いによって、共同管理以外にも、合同管理の可能性が常に考慮されているようである(友永同前、141~149頁)。後続国日本は、先行国オーストラリアの経験を活かすべきであろう。
 人口密度の稠密な日本とオーストラリアを単純に比べることはできない、と言われるかもしれない。だが、ヴィクトリア州と北海道の人口密度の比は1:2.6程度であるが、アイヌが比較的多く住む町村に限定すれば比は1:0.71となり、かえって北海道の人口密度の方が低いのである。ただしヴィクトリア州の人口の多くがメルボルン市区に集中するため、ここをのぞけば比は約1:2となるが、要するに人口的に見た場合、ヴィクトリア州でできることは北海道でもできるはずである。
国立公園ではなくコタンの周辺の森こそ重要である
 ところで上記マレー河流域では、自然環境保護のために、国立公園化および先住民による公園管理がめざされたようである(同前、134頁)。その点では、小野有五氏が、大雪山・日高山脈など国立公園・国定公園に指定されている場所の自然の管理をアイヌに委ねようと提案した事実は、確かに興味深い(小野有五編『先住民族のガバナンス――自治権と自然環境の管理をめぐって』、北海道大学大学院法科研究科附属高等法政教育研究センター、2003年、8頁)。
 だがアイヌ政策として重要なのは、土地が国立公園・国定公園かどうかではなく、 ・・・ログインして読む
(残り:約700文字/本文:約4377文字)
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019041900004.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする