Reuters 2024/12/17
[オタワ 16日 ロイター] - カナダ政府が16日発表した報告「秋の経済声明」によると、2023―24会計年度(23年4月―24年3月)の財政赤字は619億カナダドル(約434億5000万米ドル)となり、フリーランド副首相兼財務相が昨年11月に公約した401億カナダドル(281億7000万米ドル)以下の目標を50%超上回った。フリーランド氏はこの日、政府支出を巡るトルドー首相との意見の対立を理由として副首相兼財務相の辞任を表明した。
23―24年度の「秋の経済声明」の公表が大幅に遅れていたため、エコノミストやアナリストの間では財政赤字が目標を大幅に超えたのではないかとの憶測が広がっていた。
フリーランド氏は23―24年度の財政赤字を401億カナダドル以下とし、政府債務の対国内総生産(GDP)比率を前年度の42.4%から引き下げ、24―25年度も低下させ、26―27年度は1%未満に抑えるという3つの目標を提示していた。政府債務の対GDP比率を前年度未満に抑える目標は達成したものの、予想していた1.4%を上回る2.1%となった。
「秋の経済声明」によると、23―24会計年度では先住民対策の偶発債務関連で約164億カナダドルの支出と、新型コロナウイルスのパンデミックに絡む47億カナダドルの支出を計上する見込みとなり、財政赤字を膨らませたと説明。これらの費用計上がなければ財政赤字は約408億カナダドルにとどまったとしたが、それでも目標の401億カナダドル以下を上回る。