北海道新聞2024年12月12日 18:42
【上富良野】十勝岳ジオパークの魅力を発信する住民団体「十勝岳ジオくらぶ」は21日午前9時~正午、町保健福祉総合センターかみんで、アイヌ民族について学ぶイベントを開く。
富良野地域でアイヌ文化を伝える活動を行っている門別こずえさんと吉村圭一郎さんが、・・・・・
参加費は100円。定員30人で13日締め切り。申し込み、問い合わせは同くらぶの国枝さん、電話090・2749・3146へ。
北海道新聞2024年12月12日 18:42
【上富良野】十勝岳ジオパークの魅力を発信する住民団体「十勝岳ジオくらぶ」は21日午前9時~正午、町保健福祉総合センターかみんで、アイヌ民族について学ぶイベントを開く。
富良野地域でアイヌ文化を伝える活動を行っている門別こずえさんと吉村圭一郎さんが、・・・・・
参加費は100円。定員30人で13日締め切り。申し込み、問い合わせは同くらぶの国枝さん、電話090・2749・3146へ。
会員限定記事
北海道新聞2024年12月12日 18:16(12月13日 0:01更新)
間宮 芳生さん(まみや・みちお=作曲家)11日、肺炎のため死去、95歳。旭川市出身。葬儀は18日午前11時半から東京都目黒区下目黒3の19の1、羅漢会館で。喪主は長女えまりさん。
東京音楽学校(現・東京芸術大)で池内友次郎に作曲を師事。日本の民謡を調査し、はやし言葉をモチーフにした「合唱のためのコンポジション」シリーズや、オペラなどを幅広く手がけた。
他に高畑勲監督のアニメ映画「火垂るの墓」、NHK大河ドラマ「竜馬がゆく」(68年)なども担当。・・・・・・・
UHB 12/12(木) 11:30
「Wonder Culture Trip ―FACT―」に出演する安田章大(C)UHB
フジテレビ系列の北海道文化放送(UHB、本社・札幌市)は12月31日午前9時50分から、アイヌ文化をテーマとしたドキュメンタリー番組「Wonder Culture Trip ―FACT―」を放送する。
人気グループ「SUPER EIGHT」の安田章大を起用。北海道を旅し、「狩猟」「音楽」「食」をキーワードに、アイヌ文化を紡ぐ人たちの素顔に迫る。
監督は映像作家のエリザベス宮地で、YouTubeでも配信予定。
番組は音楽専門チャンネル「スペースシャワーTV」を展開する「スペースシャワーネットワーク」(本社・東京都渋谷区)との共同企画。第2回はスペースシャワーTVで2025年1月28日午後10時から放送する。
安田章大が旅を終えて思うこと
「執着しないとか、なるようになるっていうアイヌの皆さんが話してくれた精神が自分の考えと似ていた。
もっともっとアイドルやっている時、10代、20代の時もがんばって生きていたけど。病気をしてからは、自分ファーストじゃなく、必死じゃなくなった。
誰かのために生きている人生というのを、明確に理解できたのかもしれない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9998d1173b919be2f2b6c2ce38074343b8a17107
十勝毎日新聞2024/12/12 9:28
文化活動で優れた功績を挙げた人に贈る今年度度の文化庁長官表彰に、十勝管内からアイヌ古式舞踊の舞踏家、広尾正さん(77)=帯広市=が選ばれた。広尾さんは「うれしい。たくさんの人の力をもらっての賞だ...
●この記事は会員限定です。
高知新聞 2024.12.12 08:17
北海道や東北に先住していたアイヌ民族の歴史を学ぶ集いが14日午後2時から、高知市九反田の市文化プラザ「かるぽーと」第2学習室で開かれる。
市民有志でつくる実行委員会の主催。アイヌ伝統工芸家の成田得平さんがアイヌ民族の歴史や未来について語る。参加費千円(学生無料)。問い合わせは実行委の武田さん(090・4788・6620)へ。
2024.12.12 マグミクス
初の映像化となった「偽アイヌ」のエピソードで、かつてないほどにブチギレた杉元『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』より (C)野田サトル/集英社 (C)2024 WOWOW
2024年12月1日、ついにドラマ『連続ドラマW ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―』の最終話が放送され、その後に「続編映画」の発表がありました。原作ファンも大満足で、すぐに続きが決まるほどの大ヒット実写版を生んだ制作陣のこだわりについて、WOWOWの植田春菜プロデューサーにお話を聞きました。
制作陣も予想外だった「サスペンダー」のトレンド入り
日露戦争後の明治後期の北海道を舞台に、道内のどこかに隠されたアイヌの莫大な金塊をめぐる戦いを描いた『ゴールデンカムイ』(著:野田サトル)は、2024年1月公開の実写映画の続編となるドラマ『連続ドラマW ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―』全9話が2024年10月から放送され、大好評で幕を閉じました。そして、12月1日の最終話放送後、「続編映画」の制作も発表されています。
【画像】え…っ? 刀の構え方も、肌の色も、目力も、「眉毛」も完璧!こちらがドラマ『ゴールデンカムイ』最終話でついに登場「鯉登少尉(中川大志)」です
実写化において、カット、改変をしなければならない部分は少なからず出てきますが、「ゴールデンカムイ」シリーズは実写版のオリジナル要素も高い評価を受けました。また、アニメではカットとなったエピソードの映像化も反響を呼んでいます。実写『ゴールデンカムイ』シリーズを手掛けたWOWOWのプロデューサーである植田春菜さんに、ドラマへの反響、こだわり、裏話について聞きました。
――ドラマになって時間をかけて描くことができた分、狩猟やグルメにアイヌ文化、その他『ゴールデンカムイ』らしい小ネタや、原作での攻めた表現の再現も増えていました。特にドラマにして「ここを表現できてよかったな」と思う場面はありますか。
植田春菜さん(以下、敬称略) 細かい部分を挙げ出すとキリがないのですが、特に手ごたえを感じたのは2話の「辺見和雄(演:萩原聖人)がシャチに投げ飛ばされる場面」ですね。あのシーンは野田サトル先生にも、とても喜んでいただきました。
植田 また、第8話の「沈黙のコタン」のエピソードも、個人的に原作でもすごく好きなこともあって、ドラマ版で描くことができてよかったですね。コタン(集落)のアイヌたちが偽物だと気付かない杉元が、「アシリパ(演:山田杏奈)」さんに関する話題で一気に戦闘モードになる場面など、コメディーとシリアスの緩急を描いたことで、反響がありました。
――第2話「杉元佐一(演:山崎賢人)の全裸」や、4話の短縮された「茨戸の用心棒」のエピソードなど再現されなかった場面は、どのような理由でカット、改変となったのでしょうか。
植田 昨今の撮影現場では男女ともに肌を露出する場面というのは非常にセンシティブで、俳優さん自身に納得してやっていただけるかを大事にするのが大前提です。ただ、第2話の杉元が辺見を助けるために海に飛び込む場面は、全裸になるのが問題というよりもリアリティの面で、上着だけ脱いで海に入る形になりました。
辺見が海に落ちてすぐに助けに行かなければいけない状況のため、実写の表現としては、全裸になるよりも最低限の上着だけ脱いで急いで飛び込むほうがリアルだという判断です。ただ、あの場面で杉元が「サスペンダー」を着けていたことがあんなに話題になるとは予想外でした(笑)。
もちろん時代考証もしっかりして、着けていてもおかしくない衣装としてあの格好になったのですが、トレンド入りするほど話題になり、サスペンダーに「萌える」人がこんなにいるとは驚きでした。
「茨戸の用心棒」に関しては、描きたいエピソードだったのですが、話数に限りもあるなかで、主人公の杉元中心に話を進めていくという観点で、短くすることになりました。野田先生や集英社の方々とも相談して、「尾形百之助(演:眞栄田郷敦)」が「土方歳三(演:舘ひろし)」の一派に合流したり、「奥山夏太郎(演:塩野瑛久)」が登場したりと、ストーリーに必要な要素を残して現在の形になっています。
「私が行って殺してきます」「天狗だけはダメだって」大きな話題となった実写オリジナルセリフ
――前出の「杉元のサスペンダー姿」や、第3話の尾形百之助に対する「鶴見中尉(演:玉木宏)」の「さすがは曲がりなりにも軍神の倅だな」や、「月島軍曹(演:工藤阿須加)」の「私が行って殺してきます」のセリフなど、原作にないオリジナル要素も好評ですね。
植田 視聴者のみなさんが本当に細かい部分まで原作と比較してくださっているなと感じています。特に反響があったのはやはり、月島の「私が行って殺してきます」のセリフですね。
あとは、第4話の「家永カノ(演:桜井ユキ)」に拷問された男娼(演:佐伯大地)が、家永が持っている天狗のお面に反応して「じいちゃんが言ってたんだ 天狗だけは駄目だって」という場面もすごく話題になりました。
原作でも家永は該当の場面で天狗のお面を持っているのですが、あのセリフは台本にはなくて、現場で第4話監督の落合賢さんが遊び心で足したものです。そういった原作にない要素も楽しんでいただけて、ほっとしました。
それ以外でも、第5話では原作の「キロランケ(演:池内博之)」が競馬に参加する場面を変えて「丁半博打」にするなど、いくつか大きな改変はしているのですが、ちゃんと意味がある形で変えています。なので、ファンの方々から「実写だとこうなるのか」「納得がいく改変だった」という風に言っていただけて、ありがたかったです。
――いろいろ話題になった要素はありますが、第8話での「誰なのおじさん」の登場は特にいろんな反響があったのではないでしょうか。映画、ドラマの第1話と最終話を担当した久保茂昭監督がおじさん役というのも驚きでした。
植田 第8話を担当した片桐健滋監督が、やっぱり「誰なのおじさん」は登場させたいとこだわっていたなかで、そもそも衣装や特殊メイクのチームの技術がすごいので、もともとそこまで「誰なのおじさん」に似ていない人でもいけるのでは?という話になったんです。
それで現場で久保監督に対して「誰なのおじさん役どうですか」という話題が盛り上がって、私も「本当に大丈夫ですか」と確認もしたんですが、久保監督も「お客さんが喜んでくださるならやります」と引き受けてくれました。でも、久保監督ももともと特殊造形や特殊メイクが出てくるような作品が大好きな方で、また監督自ら特殊メイクを施されるような役を演じるというのはなかなかないですし、お客さんはもちろん久保監督も楽しんでいただけたんじゃないかと私は思います。
――映画は2時間かけて3巻途中までをしっかり描くというスタンスで、ドラマも全9話を使って3巻途中~11巻序盤までと、とにかくじっくり話を進めているのが印象的でした。
植田 実写『ゴールデンカムイ』を企画した松橋真三プロデューサーから学んだことで、原作を再現するうえで、あまり欲張り過ぎないということが基本姿勢としてありました。見せ場を盛り込み過ぎず、原作の短い範囲をしっかり実写化することで、お客さんに「もっと見たい」と思ってもらえるのかなと。
松橋さんが手掛けた実写「キングダム」シリーズ(原作:原泰久)も、原作5巻までの話だけで映画1作目(2019年)を作っていて、当時ひとりの観客として「ここまでしかやらないのか」と驚いたのですが、それでも満足感はしっかりあったんです。あれもこれもと詰め込んで映像化するのではなく、むしろ「引き算」が大事だと学ばせていただきました。
――最終話の放送後に、ついに続編映画の情報がありました。まだどんな内容になるか、どこまで再現するのかは話せないかと思いますが、「ここを再現してほしい」というファンの方々の反響はすごいですね。何か一言続編を待っている皆さんに最後にお願いいたします。
植田 詳細はまだお話できないのですが、おかげ様で引き続きWOWOWが製作幹事として、続編映画の製作が決定いたしました。まずはWOWOWでドラマ版の全9話を配信しておりますので、ぜひたっぷり楽しんでいただけたらうれしいです。
※山崎賢人さんの「崎」は「たつさき」
※アシリパの「リ」は小文字
ENCOUNT 12/12(木) 16:10
14日公開の最新ドキュメンタリー映画『アイヌプリ』への思い
映画『アイヌプリ』のメガホンを取った福永壮志監督【写真:ENCOUNT編集部】
山田杏奈主演の映画『山女』(2022年)などを手掛けた福永壮志監督(42)は、今年のエミー賞史上最多18冠を成し遂げた米ドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』などを手掛け、世界で活躍する気鋭の監督だ。最新ドキュメンタリー映画『アイヌプリ』(12月14日公開)では自身の出身地である北海道で暮らすアイヌ家族の生活を追っている。福永監督が『SHOGUN 将軍』での経験、本作への思いを語った。(取材・文=平辻哲也)
【写真】「アイヌのことをもっと知りたいと思った」 映画に出演した天内重樹さんとの2ショット
福永監督は北海道伊達市生まれの42歳。2003年に渡米し、ニューヨーク市立大学ブルックリン校映画学部で学び、2015年にアフリカからニューヨークに渡った移民の姿を描いた初長編映画『リベリアの白い血』で監督デビューし、世界の映画祭で高く評価されてきた。以降、自身の企画として、アイヌの血を引く少年の成長物語『アイヌモシリ』(2020年 ※「リ」の正式表記は小文字)、18世紀の東北の因習を背景に、女性の生き様を描く『山女』を送り出してきた。一方、『SHOGUN 将軍』7話、『TOKYO VICE』シーズン2といった大作ドラマの演出にも参加している。
『SHOGUN 将軍』は、所属するエージェント会社から推薦を受けたことがきっかけだった。
「ショーランナー(脚本総指揮者/制作総責任者)が、僕のピッチ(アイデア提案)と過去作を気に入ってくれたのが始まりです。『アイヌモシリ』も観てくれたそうです。いきなり未経験の大きな予算の作品をやることになったので、不安もありましたが、『失敗しても死ぬわけではないから(笑)』と思いながら、全力で取り組みました。終わってみると案外やれるものだと実感しました」と振り返る。
現場では、主演・プロデュースを手掛けた真田広之の高い熱量を間近で感じた。
「スタッフ全員が『真田さんのプロジェクト』という意識を持ち、そのために頑張ろうという空気がありました。僕が担当した第7話の後の回でも、一部の演出を任されました。日本人が出ない英語でのシーンでしたが、真田さんから『英語で演出している姿を見て誇らしかった』と言っていただけたことが印象に残っています。エミー賞受賞は、本当にうれしい出来事でした」
福永監督は、メジャードラマで確かな演出力を発揮したが、自ら企画する作品と、制作会社から依頼される仕事との間には明確な意識の違いがあるという。『リベリアの白い血』『アイヌモシリ』『山女』、そして最新作『アイヌプリ』は、最初から自身の手で作り上げた「作品」だと感じている。
『アイヌプリ』は、北海道・白糠町でアイヌプリ(アイヌ式)を実践し、祖先から続く鮭漁(マレプ漁 ※「プ」の正式表記は小文字)の技法や文化を息子の基輝君に伝えている天内重樹(シゲ)さんと、その家族を追ったドキュメンタリーだ。
「アイヌへの興味はずっとありましたが、知る機会が全然なかったんです。アメリカに行ってから、先住民族への意識、歴史への理解が進んでいるのを目の当たりにして、恥ずかしくなり、アイヌのことをもっと知りたいと思ったのが、『アイヌモシリ』制作のきっかけです」
『アイヌプリ』では劇映画からドキュメンタリーへと形を変えたが、それには、シゲさんの存在が大きい。
「アイヌの鮭漁は、すごくストイックな伝統文化です。シゲさんが2011年に復活させるまでは誰もやっていなかったんです。ただ、シゲさんが鮭漁を始めた理由は、『ただ自分がやってみたい』という純粋な思いで、誰かに見せるためではありません。その姿勢に感銘を受け、映像として記録に残したいと思いました。シゲさんという人間や、目の前で起きていること自体が魅力的だったので、それを脚色してストーリーを紡ぐ必要はないと思いました」
カメラは、シゲさんに寄り添い、ありのまま出来事を捉える。その独特な距離感が作品のトーンを形つくっている。
「非当事者である自分がアイヌの映画を撮ることはとてもセンシティブなことですし、慎重になりました。自分のイメージを押し付けず、目の前の現実をそのまま映画として形にすることを目指しました。作り手として『社会に良い影響を与えたい』という気持ちはありますが、現実とのギャップには葛藤もあります。しかし、シゲさんは屈託なく、目の前のことに真っすぐ向き合って行動しています。そして、その行動が結果的に大きな意義を持っています。その姿が本当に素晴らしいのです」
自身の映画表現を実現しつつ、ショービジネスからも引く手あまたの福永監督。今後はどんな作品を手掛けていくのか。
「僕は、長期的なビジョンを持って行動できるタイプではありません。一つ一つ目の前のことに取り組み、気がつけば今に至るという感じです。点と点が結果的に線になり、何かが残ればと思っています。これまで手掛けてきた作品は、社会の中で光が当たりにくい人々や場所、届きにくい声を可視化することに意義を感じてきましたので、今後もそれはやっていきたい」。その独自の視点と揺るぎない情熱が、これからどのような物語を紡ぎ出すのか。福永監督の今後にも注目が集まる。
■福永壮志(ふくなが・たけし)1982年9月10日、北海道出身。2003年に渡米し、ニューヨーク市立大学ブルックリン校映画学部を卒業。15年に初長編映画『リベリアの白い血』がベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品、ロサンゼルス映画祭で最高賞受賞、16年のインディペンデント・スピリットアワードでジョン・カサヴェテス賞にノミネートされた。長編2作目の『アイヌモシリ』は、20年のトライベッカ映画祭の国際ナラティブ・コンペティション部門で審査員特別賞、グアナファト国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。『山女』が長編3作目となる。近年では、米ドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』の7話、『TOKYO VICE S2』の5話、6話の監督を務める。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1bd601ee959e7571e9eb47adb14900f6f7a6639d
VOI 12 Desember 2024, 17:12
軍隊のイラスト。(軍隊_マテリアル-ピクサベイ)
ジャカルタ-インド軍は12月12日木曜日に激しい銃撃戦で7人のマオイス反政府勢力を射殺した。
最新の銃撃戦は、反乱の震源地であるチャッティースガル州バスタール地区の人里離れた森林地帯で行われた。
「これまでのところ、制服を着たマオイスの7人の遺体が捜索活動中に発見された」と、AFPが引用したP・サンデラジ警察監察官は述べた。
サンデラージは、激しい抵抗があるにつれて死傷者は増加すると予想されると述べた。
インドは反政府勢力モイスを根絶する確固たる政策を実施している。
何十年もの間、マオイス反政府勢力が指名するヌサライト運動によって開始された反乱の迫害で10,000人以上が殺された。
マオイスは、資源に富むインドの中央部で疎外された先住民族の権利のための闘争を呼びかけていると述べた。
近年、反乱のケースは大幅に縮小しています。
政府のデータによると、2024年を通して200人以上のマオイス反政府勢力が殺害されました。
SBS 12 December 2024 6:00pm
日本やオーストラリアには、春・夏・秋・冬の四季がありますが、先住民の人々は昔からもっと多くの季節を認識していたことをご存じですか?地域によっては、1年を6つの季節に分けている先住民の文化もあります
天候や季節を理解することは、アボリジナルやトレス海峡諸島民が何万年にもわたって培ってきた重要な文化的知識のひとつです。
天候は動植物の成長や暮らしに大きく影響し、そのつながりを知ることは、特に季節ごとの激しい気候や厳しい自然環境があるオーストラリアで生きるためにとても大切です。
「すべてのものはつながっている」
これはオーストラリアの先住民文化の中心にある哲学です。
何千年にもわたり、アボリジナルやトレス海峡諸島の人々は自然を観察し、気候や天候、季節、そして動植物の変化の間にある、細かなつながりを学んできました。
例えば、特定の鳥の鳴き声は、雨が近づいていることを示し、ある植物や木が花を咲かせることは季節の変わり目を告げたり、別の土地に移動するタイミングを教えてくれたりします。
ガディガル族出身でオーストラリア東部沿岸の地域で育ったジョアン・セルフさんは、家族やコミュニティから天候や季節、自然環境に関する知識を代々受け継いできました。
「気象や季節、自然環境を詳しく理解することは、すべての人が生き延びるために大切です。先住民である私たちは、この知識を深く結びつけることで、厳しい環境の中でも生き抜き、繁栄してきました。」
嵐の前触れや干ばつの時期といった、天候の変化に関する先住民の知識は、オーストラリアの厳しい自然環境で生き抜くために欠かせないものであると、セルフさんは説明します。
「私たちの大陸は、雷雨や干ばつなど、さまざまな気候変化に敏感です。しかし先住民はこれらの変化に備え、サイクロンへの対応や雷雨の際の安全確保、干ばつへの準備など、生き抜くための知識を築いてきました。」
「天候が人々に与える影響を考えると、私たちはそれをコントロールしたくなりますが、安全を守る鍵となるのは知識です。『ディアラ・ムラマ・コイング(夕日が赤く沈む)』という言葉が示すように、それは明日の天気が良いことを意味します。」
オーストラリア西部・マードック大学の先住民学者、ジョーダン・アーチーさんはキンバリー地域で生まれ、ビンジャレブ、ワーダンディ、パリク、ニキナ、ヤウルルの人々とつながりがあります。
「私たちが遊牧民だったという考えがありますが、これは私たちが場所や家を持っていないという印象を与えるものです。」
私たちは季節に合わせて、持続可能な方法で場所を移動してきました。
Jordan Ah Chee
「アボリジナルおよびトレス海峡諸島の人々は、何千年もの間、土地、海、水、空との深いつながりを育んできました。このつながりを通じて、私たちはここで繁栄するための細かい知識を培ってきたのです。そして、その根底にあるのは『すべてがつながっている』という考え方です。」
土地や空、海との深いつながりは、季節の変化が風景にどのように反映されるかを理解させるものであると、とアーチーさんは説明します。
「西洋の考えでは、季節はカレンダーの特定の日付に結びつけられますが、私たちの場合、風景の変化や動物の行動、環境の変化を通じて、季節の到来時期やその流れを理解してきました。」
「それによって、私たちは、特定の時期、どこにいるべきか、どの食べ物が手に入るか、または海岸にいるべきか内陸にいるべきかを決めていました。天候や季節を理解することは、私たちの生活にとって非常に重要なのです。」
Fire stick farming Credit: Christian Bass/Unsplash
先住民の季節に対する理解は、文化や伝統的な慣習にも影響を与え、土地を大切にし、カントリーを守ることに繋がっていると、アンティ・ジョアン・セルフは説明します。
「まず思い浮かぶのは『ファイアスティック・ファーミング』です。ファイアスティック・ファーミングは、地面にある燃料の量を低く保つことで、雷やその他の出来事で火災が発生した際、燃料が過剰にならないようにするものです。」
「また、この方法は、特定の動物たちが好む新しい緑の芽を確実に育てるためにも役立っています。」
先住民の人々が描く季節のサイクルは、オーストラリアの地域によって異なります。
6つの季節
西オーストラリア南西部のヌンガー族の土地では、1年を通して6つの季節が認識されています。ビラクは、12月初旬に夏の始まりを告げるもので、暑い天候とお祝いの時期を意味します。
「ビラクは、熱、太陽、そして火に関連しています。気温が上昇するこの時期は、『若者の季節』ともして知られ、お祝いの時期でもあります。この季節、ヘビや爬虫類は脱皮し、ヒナは巣を離れ、動物は成長し、外の世界に出ていく様子が見られます。」
「また、風景の中で見られる大きな変化は、ムジジャー、またはクリスマスツリーと呼ばれる美しいオレンジ色と黄色の花が咲くことです。この木はヌンガー族にとってスピリチャル的に非常に重要な木です。そして、この時期には、天候や気候に応じて文化的な火入れが行われることもありました。」
また、月のような天体サイクルは、先住民の人々が天候の変化を予測するために使われています。
先住民の知識では、月のハローは雨の到来を示すものとされています。
Aunty Joanne Selfe
「月の光が氷の結晶によって反射されることで、月の周りにハローが現れることがあります。そして現代の科学でも、月のハローが低気圧の前兆であり、雨や気温の低下に続くと認識されています。」
そして月の位置のわずかな変化も、重要な意味を示すと言います。
「時には月がそのハローの中心にないことがあります。少し横にずれていると、風が来ることを示しているんです。」
ファーストネーションズの人々は、口承で、天候についての知識を伝えてきました。また、岩絵やペトログリフにもその知識が記録されています。
「シドニーにはかなり多くのペトログリフがあります。その中で特に目を引くのが『ムーン・ロック』と呼ばれるもので、月が彫られています。月の八つのフェーズを示すもので、クリエイターであるバイアミのブーメランから始まります。」
「これは重要な意味を持っています。ガディ族は素晴らしい漁師として知られており、女性たちはいつもワラン、シドニー港で小さな火を灯し、時には子供を連れて釣りをしていました。月の最初と最後の四分の一の時期が釣りに最適だと分かっています。その理由は、新月や満月は潮の流れを強め、海底の堆積物を動かすからです。」
オーストラリアの気候は熱帯モンスーンから、砂漠、山間部の寒さまで、非常に多様で、それぞれの地域には独自のリズムがあります。
先住民のコミュニティにとって、季節は日付で定義されるものではなく、植物や動物が環境にどのように反応するかによって決まります。この視点は、馴染みのある四季のモデルよりもオーストラリアの気候についてより豊かで奥深い理解を提供してくれます。
これは、先住民文化が土地とどれほど深くつながっているか、そしてその知識や伝統を理解することで私たちがどれだけ多くを学べるかを改めて思い起こさせてくれます。
さらに詳しく知りたい方は、下記から。
Bureau of Meteorology Indigenous weather knowledge
Gigazine 2024年12月12日 07時00分
アメリカ先住民ナバホ族の通信士として、ナバホ語を元にした暗号で太平洋戦争における連合軍の勝利に貢献した暗号話者「コードトーカー」の最後のひとりであるジョン・キンセル氏が、2024年10月19日に亡くなっていたことがわかりました。
John Kinsel Sr., Navajo Code Talker in World War II, Dies at 107 - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/10/20/us/navajo-code-talker-john-kinsel-dead.html
John Kinsel used his own language to fool the Japanese
https://www.economist.com/obituary/2024/12/05/john-kinsel-used-his-own-language-to-fool-the-japanese
ナバホ・ネイションのブウ・ニグレン大統領はFacebookへの投稿で、「ナバホのコードトーカーである、故ジョン・キンセル氏(107歳)の遺族に哀悼の意を表します」と述べて、キンセル氏が亡くなったことを発表しました。
Navajo Nation President Buu Nygren
President Buu Nygren expresses sincerest condolences to family of the late Navajo Code Talker John Kinsel, Sr., 107
WINDOW ROCK, Ariz. – Navajo Nation President Buu Nygren today offered his sincere condolences to the family of the late Navajo Code Talker John Kinsel, Sr., who died Saturday. He was 107.
“On behalf of the entire Navajo Nation, our Navajo veterans and service men and women, First Lady Jasmine Blackwater-Nygren and me, we extend our sincerest condolences and pray...
1942年10月から1946年1月まで兵役に就いていたキンセル氏は、ナバホ語を使った暗号を開発した最初の29人に続く暗号話者、つまりコードトーカーとしての訓練を受けた第2陣の海兵隊員のひとりでした。
最初のグループは自らを「ウィンドトーカー」と呼んでおり、その活躍を題材にしたフィクション映画の「ウインドトーカーズ」が2002年に公開されています。
第二次世界大戦中の日本の暗号解読者は優れた解読能力を持っていたといわれていますが、ナバホ語は文字がなく複雑であったため、解読はほぼ不可能でした。これを利用し、ナバホ族のコードトーカーらは手りゅう弾は「ジャガイモ」、水陸両用車は「カエル」、急降下爆撃機は「チキンホーク」、12月は「固まった雪」という具合に、軍事用語をナバホ語に言い換えて部隊の動きや敵軍の位置などを伝え合いました。
キンセル氏も3つの暗号の開発を手伝っています。1つ目は戦車を意味する「亀」で、2つ目は飛行機全般を指す「鳥かご(bird carriers)」です。ルートを意味する3つ目の「ウサギ道」は、キンセル氏自身が考案したものだったとのこと。
日本は最後までナバホ語の暗号を解読できず、コードトーカーらは太平洋戦争における連合軍の勝利に大きく貢献しましたが、キンセル氏はそのことを自慢せず、多くを語りませんでした。
キンセル氏は、自分がどう活躍したかより共同体や部族、あるいは海兵隊の一員であったことを重んじており、戦争の経験を語るときも「私(I)」ではなく「我々(We)」を使ったといわれています。
ニグレン大統領は「キンセル氏は海兵隊員であり、ナバホ族のコードトーカーとして最大の責任を負いながら、最も恐ろしい状況下で勇敢かつ無私の心で私たち全員のために戦ってくれました。彼は戦友たちとともに、アメリカの海兵隊のため、アメリカのため、そして戦時下のナバホ・ネイションを守るために戦ったのです」と述べました。
https://gigazine.net/news/20241212-john-kinsel-language-navajo/
VOI 12 Desember 2024, 08:25
ヨグジャカルタ - 倫理政治(Etische Politiek)の出現の理由の1つは、植民地の人々の運命を苦しめたオランダ植民地政府の扱いに対する批判でした。倫理政治または報復政治は、オランダ出身のジャーナリスト兼作家であるピーター・ブルースホーフと、オランダ出身の法律専門家として知られるコンラッド・セオドア・ファン・デベンターによって開拓されました。
エチス政治は、1901年にインドネシアのオランダ植民地政府(当時はオランダ領東インド)によって実施された政策であり、植民地の住民を繁栄させる道徳的義務としてのプログラムを含んでいた。
民族主義政治や報復政治の実施中のプログラムは、教育、灌、移住からなるトリアス・ファン・デベンターとしても知られています。
強制植栽システムは、インドネシア国民を非常に惨めにしたオランダ植民地政府の政策の1つになりました。1830年、この規則はヨハネス・ヴァン・デン・ボッシュ総督によって実施され始めました。当時の植民地政府による抑圧と強調は、物質的にも人的にも人々を苦しめました。
強制植林は、植民地政府にとって貴重な輸出商品を人々に植えることを要求するだけではありません。強制植林規則の1つは、各村が輸出商品作物によって管理され植えられるために土地の約20%を確保することを要求することです。一方、庭を持たない人は、少額の給料と厳しい条件で政府所有の庭で働かなければなりません。
強制植栽システムは、その結果、食用作物の品質と作物も低下し、飢餓という新しい問題を引き起こします。これは、植民地政府が要求するプランテーション作物の世話をしなければならなかったため、農民が田んぼや畑の世話をする時間がなかったために起こりました。食糧不足の状態はまた、蔓延し始めている病気の発生を引き起こしました。チレボンとグロボーガンでは、死者数が増加し、人口が大幅に減少しました。
強制植栽システムはまた、プレミアムシステムまたは暗殺インセンタン、すなわち生産量が目標を上回る先住民族の支配者および摂政または地域長に利益をもたらすことを提示する。これは、可能な限りプレミアムを得るために人々の労働の恐喝につながります。1887年にジャワ地方周辺で活動を行っていたピーター・ブルースホーは、オランダ領東インドの人々が経験した苦境を文書化の形で証明しました。
この状態は良心を喚起し、この政策を非人道的と見なしたオランダ人から様々な非難を引き起こしたことが判明しました。ヴァン・デベンターはさらに、De Gids誌で「Eeu Ereschuld」または「Hutang Budi」というタイトルで、その結果が実際にオランダの人々に略奪されたインドネシアの人々の闘争について語っています。ヴァン・デベンターのアイデアは、1901年の演説でも言及されたウィルヘルミナ女王の支持を受け入れ、その後、新しい政策の存在によって証明されました。
AFPBBNews2024年12月12日 17:47 発信地:ウェリントン/ニュージーランド [ ニュージーランド アジア・オセアニア ]
ニュージーランド・ウェリントンの議会の外で抗議活動に参加する先住民マオリの人々と支持者(2024年11月19日撮影)。(c)Sanka Vidanagama/AFP
【12月12日 AFP】ニュージーランドで11日、先住民マオリの指導者らが英国のチャールズ国王に対し、介入を求める書簡を送っていたことが明らかになった。マオリの人々は、マオリの権利を「骨抜きにする」法案成立を目指している保守派政権に抗議し、支援を求めている。
ニュージーランドの首都ウェリントンでは先月、英国君主とマオリとの間で締結され、建国の礎となったワイタンギ条約を見直す法案を提出した保守派の動きに抗議し、数万人がデモ行進を行った。
そうした中でマオリの約80の部族の代表者は、英国君主の「正義感」に訴える共同書簡に署名。
チャールズ国王に対し、「2023年10月14日に選出されたあなたの新たな連立政府は、(ワイタンギ条約および)われわれのワナウ(マオリの言葉で「家族」)の権利を攻撃すると明言している」とし、「立憲君主として、そしてビクトリア女王の子孫として、政府が君主国の主権という名誉を損なわないよう介入を求める」と訴えている。
書簡は11月中旬にチャールズ国王に送られていたが、11日夜にその事実が明らかになった。
チャールズ国王はニュージーランドの国家元首ではあるが、慣例により政治に介入することはない。(c)AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3553768?pno=2&pid=doc-36MQ897_1_2163630_preview
苫小牧民報2024/12/12配信
北海道アイヌ協会は15日午後2時から、白老町高砂町2の白老生活館で、アイヌ民俗技術・民俗芸能伝承講座発表展示会を開く。白老やむかわ町など全道6カ所で開講したアイヌ民俗文化財伝承・活用講座の受講生による作品展示や古式舞踊、トンコリ演奏などを…
この続き:277文字
ここから先の閲覧は有料です。
FASHIONSNAP 2024.12.12 Thu. - 12:00
今年のお買い物を振り返る「2024年ベストバイ」。4人目は、店舗デザインの専門誌「商店建築」編集者の平田悠さん。商店建築は、1956年創刊のインテリアデザイナーのための月刊誌です。“お店”の設計に焦点を当て、「カフェ」や「ホテル」「アパレルショップ」など業種切りで最新店舗デザインを紹介しています。地方取材が多く、月に2~4回出張するという平田さん。単なる建築デザインの紹介ではなく、お店を通して社会を読み解く「商店建築」の編集者はどのような視点で買い物をするのでしょうか?平田さんの2024年に買って良かったモノ7点。
お椀が伸びて進化した「STORE Tall Round 容器」
FASHIONSNAP(以下、F):まずはデザイン専門誌らしくプロダクトから紹介ですね。これはどこで買ったんですか。
平田悠(以下、平田):漆器メーカー「関坂漆器(SEKISAKA)」が手掛ける福井の雑貨セレクトショップ「アタウ(ataW)」に取材に行った際に購入しました。関坂漆器とイギリスのデザインスタジオ「インダストリアル・ファシリティ(Industrial Facility)」がコラボレーションしたブランド「ストア(STORE)」名義のアイテムです。形はいわゆるお椀なんですが、縦に引き伸ばして、フタを付ける。すると、意味が変わります。今までお吸い物やお味噌汁を入れるものだったのが、縦に伸ばしただけで「コーヒー豆とか入れてみようかな」とか、「指輪や小物類を入れてもいいかな」とか。
F:気に入った点は?
平田:高さというパラメーターを1つ変えるだけで、意味が無限に広がっていく感覚ですね。お椀を縦に伸ばすと、もうお椀じゃなくなって、何でもなくなります。そしたらお米を入れてもいい、別に食品じゃなくてもいい、と無限に可能性が広がっていく感じがします。それを含めて気に入って買いました。
F:ひねったものが好きなんですね。
平田:そうかもしれません。あと、単純にモノだけが買う決め手ではないんです。
F:というと?
平田:同じものがECで手に入ったとしても、お店の人と話してモノの背景を教えてもらうと、同じ器でも特別な器に感じたりするじゃないですか。そうすると出張先で会った人や、そこで見たものの記憶も持ち帰れて、購入品を見ただけで情景が浮かんでくる。ただ、話を聞いたら必ず買うというわけではなくて、良いと感じるかどうかは重要です。この容器は福井に行った時にオーナーさんと喋って、というプロセスを経た中で手に取りましたね。
F:コミュニケーションが付加価値になるというか。
平田:そうですね。それを含めて、そのモノになるというか。最近、モノも買い方も、めちゃくちゃ増えているじゃないですか。そんな中で、本当に良いと思うものに出合って購入することって結構難しくなっていると思っています。選びきれないし、今目の前に見えている選択肢はごくごく一部です。ECではリコメンド機能や広告で、出合うように仕向けられて出合っているみたいな感覚があって、そうじゃない出合い方ができないかなと、取材先ともよく話すんです。
F:どの業種の取材が多いですか?
平田:業種というよりも、僕は地方の店舗取材が多いですね。東京の最先端のホテルやラグジュアリーなレストランも興味深い分野ですが、“ハレとケ”で言うとケである、日常の延長にあるお店にすごく興味があります。コロナ禍を経て特に顕在化したと思うんですけど、当時移動ができなくなって、オフィス街やファッション街のような用途が決まりきった街がもろくなったと感じました。「もう家を中心に生活するしかない」という時に、近所に住宅しかなかったらつまらない。例えば東京の谷中みたいに、住宅と小さいお店が混ざっていると楽しいじゃないですか。“ハレの商い”ではなく、“ケの商い”ってすごく大事だなと実感したんです。
アイヌに思いをはせる「木彫りの熊」
F:日々“商店”を取材する編集者らしい視点だと感じます。しかし次は何の変哲もなさそうな熊の置物ですね。
平田:はい、どこにでもあるような熊の置物です(笑)。これは長野のリサイクルショップ「リビルディングセンタージャパン(ReBuilding Center JAPAN)」で手に入れました。このお店は、空き家を解体する際に古材や古道具を引き取って販売するお店です。
F:熊の置物は北海道のお土産というイメージがあります。
平田:僕はアイヌの文化が好きなんですが、彼らが日本に同化していくにしたがって、木彫りの技術を生かして熊を彫り始めたという背景があるそうです。これはアイヌが彫ったかはわからないんですが、おそらく北海道で作られたものが長野に行き、東京に持って帰ることになった……という循環が面白いと思って買いました。アイヌには「カムイ」という言葉があります。あらゆるものには神様が宿っていて、壊れたり死んだりした時は、カムイの世界へ送り返す、そして再び現世に戻ってくるという信仰です。僕はこの熊にカムイのような循環を見出したんです。
F:かなり拡大解釈な感じがありますが(笑)。単なるオブジェという、機能が無いようなモノにも興味があるんですね。
平田:この熊を見たら、長野に行った時のことを思い出す、これも一つの機能だと考えています。ただ「カッコいい」「可愛い」とかであっても、十分機能だと思いますね。なので僕はすべてが機能性で解けると思っています。
F:持つ人の感情に何らかの作用を及ぼすことも機能ということですね。
平田:そういうことです。
消臭アイテムとしても「CULTI MILANO ルームスプレー」
F:次はまさしく気分に作用する香りのアイテムです。イタリアのルームフレグランスブランド「クルティ ミラノ(CULTI MILANO)」のルームスプレーですね。
平田:ドラッグストアで売っている消臭スプレーを部屋に置きたくなくて、買いました。香りはお茶系で爽やかな芳香が気に入っています。布団や服にプッシュしたり、フレッシュなので朝起きた時に焚いたりしています。
F:香りモノは好きなんですか?
平田:好きですね。他にも「アポテーケ(APFR)」のお香や「シロ(SHIRO)」や「オゥパラディ(AUX PARADIS)」、「イソップ(Aēsop)」などの香水を使っています。ベタな話なんですが、香りは脳に直結するというじゃないですか。シロとオゥパラディはそれぞれ北海道の「みんなの工場」、栃木の「ガーデン オゥパラディ(garden AUX PARADIS)」に行った際に購入したのですが、やはり嗅ぐとその場所の風景を思い出すんですよね。それも含めて香りなんです。
F:正にプルースト効果。平田さんの買うモノは取材の記憶と密接ですね。
サイズ5の「BLACK Scandal Yohji Yamamoto パンツ」
F:服は2点ですが、まずパンツは「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」ブランドらしく、黒で、ビッグサイズですね。ウエストもかなり大きい。サイズ5を選んだんですね。
平田:1番大きいサイズを買いました。僕は身長185cmあるんですが、でかいのが好きなんですよね。極力自分の体のラインを出したくないんです。ドローストリングで縛って、ベルトをして穿いています。
F:どこが気に入ったんですか?
平田:オーバーサイズで品もある服を探している時に、ヨウジヤマモトに行き着きました。僕は、自分が着る服を1つのテイストに固定したくないんです。ミックスしたいし、意味を固定化したくありません。オーバーサイズでもだらしないのはみっともないけれど、ヨウジヤマモトはそこをバランスよく昇華したブランドだと感じます。このパンツはコットンで比較的カジュアルに穿けるので、日常的に穿き倒していきたいと思っています。使い倒せるし、綺麗にも見えるというところで、すごく気に入っています。
F:他によく買うブランドはありますか?
平田:特にありません、基本的に古着ですね。今日着ているのも古着です。
F:次は古着のシャツですね。ヨウジヤマモトのパンツとセットアップのようです。
ちょっとズレた「古着のワークシャツ」
平田:このシャツは京都の古着屋「ボロ(boro)」で買いました。
F:出張中に買ったのでしょうか?
平田:そうです。僕は京都出身で、学生の頃からボロに通っていました。今年久しぶりに訪れて、オーナーさんと話しながら買いました。話によると、元々フランスの青いシャツを黒に染色したもののようです。袖口がボタン開閉じゃなくてゴム入りとか、ラグランスリーブの袖とか、普通のシャツから少し外れた感じのディテールが気に入りました。ワークシャツらしくカジュアルにも着られるし、上に羽織るものによっては綺麗にも見えるという点が決め手です。サイズ感もちょうどよいオーバーサイズ具合で、適度なバランスです。日常的に愛用しています。
F:パンツ、シャツ共に“ケ”に活躍ですね。“ハレ”の服はどうされるんですか?
平田:ハレ用をほぼ持っていなくて、困っています(笑)。このシャツとヨウジヤマモトのパンツで行くしかないですね。
F:スーツは?
平田:持っていますが「スーツを着るほどでもないけれど、ラフ過ぎるのもNG」みたいなカジュアルなパーティでは困ります(笑)。個人的には、家からそのまま出て来たけどかっこよく決まるくらいのスタイルが理想なんです。
出張の相棒「Columbia バックパック」
平田:これは出張のために購入しました。僕は出張で取材が終わったら、終電までできるだけ多くのお店や建築を見るようにしています。いかに回れるか重視です。
F:お仕事への献身ぶりに頭が下がります。
平田:なので機動性が重要なんです。キャリーケースはほとんど使いません。1週間未満の出張ならバックパック一つで行きます。
F:コロンビアのバックパックを選んだ理由は?
平田:40Lという十分な容量と、アウトドアっぽくない、タウンユースできる見た目ですね。コンパートメントが複数あるのも使いやすいです。パソコンと取材先への贈呈誌、着替え、読んでいる本、メモ帳などなど分けて収納できます。
F:シティ感あるミニマルなデザインですね。
平田:トラベラー感を出したくないんです。旅先に溶け込みたく思っています。
F:それはどういう理由ですか?
平田:その街の日常を深いところから見てみたいんです。なので極力歩くようにしています。取材先の店舗に車で直接行ったり、近くのバス停まで行ったりしてしまうとその店しか見えません。そこまでのコンテクスト(背景)が分からないですよね。例えば商店街の中にあるお店だったら、絶対その通りが重要なはずじゃないですか。周りにこういうお店が多いから、このお店はきっとこういう人に愛されるんだろうな、といったことが想像できる。
1つのものを評価する時に、そのものだけ見ても意味はないと思っていて、歴史や敷地の周辺環境、お店のスタッフ、提供される商品まで含めて、そのお店の体験だと思います。外から見るだけじゃなく、いかにその中に入り込めるか、ということを大事にしたいんです。
F:良いお店って何ですか?
平田:究極の質問ですね。時代によっても人によっても変わると思いますが、日常に根差していながらも、行くと日常をアップグレードしてくれるようなお店が良いお店だと僕は思います。そんな施設を日々探しています。
F:ファッションアイテムはよく買いますか?
平田:そんなに買わないですね。一番お金を使うのは本です。自宅にも会社にも溜まっています。
F:それでは今年読んだベストブックを教えてください。
地方と消費の関係を考察した書籍「風景をつくるごはん」
「風景をつくるごはん」(真田純子著、農山漁村文化協会)
平田:食から地方と都市の関係を考察した1冊です。地方に行くと、畑にビニールハウスが並んでいる風景をよく見るじゃないですか。地方らしいと思うんですけど、実はそれってすごく消費が先立った生産の姿なんです。
F:どういうことでしょう。
平田:例えば、イチゴの旬は春です。でも、クリスマスケーキがあるので、冬のタイミングに合わせてハウス栽培で作られているんですね。昔は季節ごとに作るものが変わって、春になったら食卓にはこれが出て、夏だったらこれが出てというサイクルだったのが、今はもう年中育てられる時代です。そうなると、ある畑では完全にイチゴだけを作る方が効率がいい。季節に合わせて作物を変えるのは手間ですよね。でも、生産地としてはあまりいいことではありません。土にとって良くないですし、生産地の風景が変わってしまう。都市側から見ると、地方はハウスが連なり、生産の風景が残っているように思えるんですが、実はそれには大都市の消費の影が色濃く反映されているわけです。この本は、そういう状況は健全ではないと警鐘を鳴らしています。
一方、イタリアは生産と観光を組み合わせたりすることで、その農業従事者の仕事や生活の環境をすごく守ろうとしている。それこそが、その国や土地を強くしていくことにも繋がっていくんじゃないかと。観光って、遠くの場所に行くことじゃないですか。どこでも同じ風景じゃなくて、ちゃんとその土地にこの季節に行ったら何かがあるという特別感が観光になるのでは、と結論付けています。
左の2点は他に今年印象に残ったという「なぜ人はアートを楽しむように進化したのか」(アンジャン・チャタジー著、草思社)と「東京都同情塔」(九段理江著、新潮社)
F:地方取材が多い平田さんらしい選書ですね。
平田:取材にも大いに影響した本です。例えばシロの「みんなの工場」も、商品を売りたいなら東京に出した方がいいじゃないですか。でも今は、駅前にお店が多過ぎますし、ECに対して実店舗の役割が問われる中、 売ることだけを目的にしたお店には人が集まりにくくなっています。それがこれから加速していく時代に、みんなの工場は「作る環境を整えましょう」というプロジェクトなんです。工場は過酷で汚いというイメージを持たれがちです。でもシロは、公開できるくらい綺麗な工場で生産しているから、カフェや物販スペースを併設しました。そこを訪れて、モノづくりの風景を見るとファンになってしまいます。飲食をして、物販で何かを買いたくなるじゃないですか。
わざわざその場所に行くことが、これからの店舗空間のあり方としては面白くなっていくでしょう。人口は東京に集中していますが、地方は何もないのではなくて、資源や生産背景がたくさんあるはずなんです。そこにわざわざ行く人の流れを作ることがこれからの商業空間の大きなテーマになり、実は地方こそが商店建築のフロンティアになる、と仮説を立てたきっかけの本です。
F:ご自身が消費者を実践されていますね。
平田:そうですね、地方に行ってそこで何かを生産している人と話すと自分も気づけばファンになって、やっぱり何かを買って帰ってしまいます。
F:本は紙で買う派ですか?
平田:紙ですね。出張の時にも必ず1冊持って行きます。そして現地で本屋を見つけると必ず何か買ってしまいます。
F:荷物が更に重くなりますね(笑)。
今年を振り返って
F:今年の買い物を振り返って、こんな年だったという感想はありますか?
平田:お店のメディア性を強く意識したと思います。紹介した服にしても、めちゃくちゃ気に入っていますが、絶対にこれじゃないといけなかったわけではありません。でも、今すごく良かったと思っているのは、その買うプロセスが多分に作用しているからだと思います。ネットで買っていたらここで紹介するほどにはならなかったかもしれません。こうして話していても、なんとなく購入当時の情景が思い出されるんです。だからモノは、モノ単体では完結せず、モノ=メディア(媒体)で、そのメディアを通して「何を着ているのか」「何を読んでいるのか」ということを強く意識できたと思います。
F:パンデミックの前後で変わったと思うことはありますか?
平田:お店で商品を見られるのはもちろんなんですけど、人に会いに行くという役割がすごく強くなっているような気がします。「どのブランドで買いたい」かというより、「どのお店、どの人から買うか」ということが大事になってきているのでは。モノのデザインやディテールは面白いですが、もしかしたらさほど重要ではないかもしれないと思うことがあって、僕はモノを通して記憶やナラティブ(物語)を見ているのかもしれません。
F:来年はどんな年にしたいですか?
平田:ちょっとしたパーティに合う服を買おうと思います(笑)。
F:良い思い出ができそうですね(笑)。
■平田悠
1992年生まれ、京都出身。編集者。京都工芸繊維大学で建築を専攻し、卒業後、商店建築社に入社。店舗デザインを紹介する専門誌「商店建築」の編集部に所属。これまでに増刊「STARBUCKS STORE DESIGN」や「ホテル客室図面集」などの編集を担当。
@hira_hirary
FoE Japan 2024年12月12日 木曜 午後4:00
エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画の素案が来週にも提示されようとしています。市民参加のほとんどないプロセス、そして原発推進をさらに強め、化石燃料を維持温存する現状の審議会議論に対し、FoE Japanとして以下の提言をまとめました。
合わせて、17日(火)に緊急共同記者会見を開催します。(詳細は調整中)
ぜひご取材いただければ幸いです。
------------------------------------------------
第7次エネルギー基本計画に対する緊急共同記者会見
日時:2024年12月17日(火)11:00-12:30
オンライン会議システムZoom(ミーティング形式)利用
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZ0tcemsqT8tH9ZZRP-QxZnT5Ksvdub1UfsO
発言者(予定、敬称略):
松久保肇(原子力資料情報室事務局長)、武藤類子(ひだんれん共同代表)
大島堅一(原子力市民委員会座長)or 村上正子(原子力市民委員会事務局長)
桃井貴子(気候ネットワーク東京事務所長)、ワタシのミライから ほか
第7次エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画に向けた提言
2024年12月12日
国際環境NGO FoE Japan
第7次エネルギー基本計画策定に向けた議論が進み、まもなく、地球温暖化対策計画、GX2040ビジョンとともに素案が提示される。
2011年の東京電力福島第一原発事故から14年近くが経つが、事故はまだ収束していない。また、本年1月1日の能登半島地震は、あらためて原子力発電のリスクと現在の原子力災害対策指針では住民のいのちと暮らしが守れないことを如実に示した。にもかかわらず、エネルギー基本計画素案では、原発事故以来の大前提であった「原子力依存度の低減」が削除されること、また原発の建て替えを敷地外にも容認することなど原発回帰の内容となっていることが報じられている(*1、2)。
気候危機は年々深刻さを増し、日本でも多くの人のなりわいやくらし、命が脅かされている。化石燃料からの脱却は、不可欠であり、一刻も早く取り組まなければならないが、審議会では化石燃料を維持・延命するための議論が行われている。
気候危機への解決策は、先進国・多国籍企業等の利益や大量生産・大量消費の経済を前提とする社会から、自然や自然と共に生きる人々を中心にすえた持続可能で民主的な社会への抜本的な変革(システム・チェンジ)である。汚染やリスク、気候変動の被害などを一部の人や地域に負わせるのではなく、持続可能な形での省エネルギー・再生可能エネルギー社会の実現をめざし、FoE Japanは以下を提言する。
*1 朝日新聞「原発依存度「可能な限り低減」の文言削除へ 経産省のエネ基本計画」、2024年12月11日
*2 日本経済新聞「原発建て替え、敷地外も容認 次期エネ計画で経産省案」、2024年12月5日
1.多様な立場の専門家・市民の議論への参画と、複数の市民参加プロセスが不可欠
エネルギー基本計画について議論する審議会「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」の17名の委員の構成は、化石燃料や原子力、産業界につながりのある委員が多数を占めている。気候変動、再エネ、自治体や地域、SDGs、原発事故などに関わる専門家や当事者、環境NGO、そして若い世代も含めるべきである。
市民参加の機会も、現在「意見箱」とパブリックコメントのみに限られている。また「意見箱」の意見は審議会に提示されるのみで議論には反映されていない。パブリックコメントも最終段階での実施のため、反映されるとしてもごく軽微にとどまる。世論調査、討論型世論調査、各地での公聴会など複数の手段を組み合わせ、意味のある市民参加および市民意見の聴取・反映を行うべきである。
既得権益を守ろうとする一部の人たちによる閉ざされた議論のみで、市民参加も国民的議論もほぼないまま、原子力や化石燃料技術の維持・推進が強化されることを強く危惧する。
2.原子力からの脱却を
東電福島第一原発事故以降、日本でも世界でもエネルギーをめぐる情勢は大きく変化している。原子力については、事故の被害やリスク、放射能汚染や解決不可能な核廃棄物の処分の問題などが山積している。経済的にみても、原発の維持費や建設費は高騰し続けており、今や世界的にも最もコストの高い電源となっている。また、原発はトラブルが頻発している上、ひとたび停止すれば広範囲に影響をもたらすこと、調整力に欠けることから、決して「安定」電源とはいえない。
2024年1月1日に発生した能登半島地震は、地震国日本における原発の危険性および現在の原子力災害対策指針に基づく避難計画の非現実性を改めて私たちにつきつけた。
第7次エネルギー基本計画に向けた議論では、電力業界や産業界などが、原子力の建て替えに加え、新増設をも書き込むことを強く要請しているが、原子力のかかえる様々な問題を考えればこれらはまったく現実的ではない。
原発の新増設・建て替えに関しては、事業者らも長期脱炭素電源オークションなど既存の制度のみでは投資を進めることができないと主張し、新たな制度的措置を強く求めている。原子力小委員会で英国のRABモデルなど海外の事例を参考として、原発の建設費や維持費などを稼働前から電気料金で回収する新たな制度の必要性が議論されているが、それらは国民に新たな負担を強いるものである。原子力の建設を後押しする新たな制度の必要性を書き込むことに強く反対する。
3.1.5℃目標に整合し先進国としての責任を果たす気候変動目標を
近年、世界の平均気温は上昇し異常気象が頻発している。世界気象機関は「今後5年以内に、産業革命前とくらべ1.5℃以上上昇する確率は80%」としている(*3)。日本を含む先進国が、化石燃料を維持し続け、不十分な気候変動政策を方向転換しない間に、気候変動をめぐる状況は後戻りのできない危機へと進行しつつある。気候変動目標は、エネルギー基本計画と一体で議論され策定されるものである。「世界の気温上昇を1.5℃に抑える」ことを明確に掲げていなかった第6次エネルギー基本計画に対し、第7次では明確に掲げ、そこに整合する政策を掲げるべきである。
IPCCは第6次統合評価報告書において、世界の気温上昇を1.5℃までに抑えるためには、世界全体で温室効果ガスを2030年までに43%、2035年までに60%(いずれも2019年比)以上削減する必要があるとしている。Climate Action Trackerは、1.5℃に整合させるためには、日本は2030年に66%以上、2035年に81%以上の削減目標が必要だとしている(*4)。産業革命以降の歴史的責任を加味すればそれ以上である。
今回、エネルギー政策の方向性と密接に関わる削減目標(NDC)の案が示されたのは、11月25日の環境省・経産省合同審議会の終盤になってであった。12月3日に基本政策分科会でも複数シナリオが紹介されたが、素案の提示の直前というぎりぎりのタイミングである。委員への十分な説明や実質的な議論の時間すらごくわずかで、まさに「シナリオありき」となっている。このようなプロセス自体、大きな問題である。
*3 世界気象機関(WMO)”Global temperature is likely to exceed 1.5℃ above pre-industrial level temporarily in next 5 years”、2024年6月5日
https://wmo.int/news/media-centre/global-temperature-likely-exceed-15degc-above-pre-industrial-level-temporarily-next-5-years
*4 Climate Action Tracker「1.5-aligned 2035 targets for major emitters and Troika countries」、2024年11月 14日 https://climateactiontracker.org/publications/the-climate-crisis-worsens-the-warming-outlook-stagnates/
同、日本に関するページ:https://climateactiontracker.org/countries/japan/2035-ndc/
4.化石燃料からの脱却を
COP28ですでに、世界は「化石燃料利用からの脱却」に合意している。またG7では2022年から「電源の大部分を脱炭素化」すること、さらに2024年には「2035年までに石炭火力から脱却」する方向性にも合意している。一方で日本では、「あらゆる可能性を追求」するとし、石炭火力を含む、発電部門の化石燃料利用を継続することを強く主張している。
LNG火力には水素を、石炭火力にはアンモニアを混焼することで「化石燃料の脱炭素化」をしていくとするが、これには莫大なコストがかかる。また当面は化石燃料由来・海外製造の水素・アンモニアを輸入して利用する計画であり、温室効果ガス排出量は実質的に増える。再エネ由来の水素・アンモニアについては、発電以外の排出不可避分野での使用に限定すべきである。
CCSについても、国内では適地が限られ、2050年までのロードマップで示される量(年間1.2~2.4億トン、日本の温室効果ガス排出量の1~2割、圧入井240~480本もしくはそれ以上)の実現はまったく見通せない。マレーシア等にCO2を輸出しての貯留も検討されており、国内外から批判の声があがっている。
水素・アンモニアやCCSに関しては、民間では支えきれないコストを政府が支援することがGX基本方針等ですでに決められ、具体的な政策策定に進んでしまっている。温室効果ガス排出削減につながらず、化石燃料の利用をむしろ延命する新技術に頼ることはやめ、その資金を省エネ・再エネに振り向けるべきである。
5.エネルギー需要削減と効率化を
基本政策分科会においては、エネルギー基本計画改定の議論開始時より「データセンターやAIにより電力需要が急増する可能性がある」とし、「そこに対応するために脱炭素電源、特に原子力の拡大が必要ではないか」という方向性を強調している。データセンターやAIの役割の増大はあっても、それによる電力需要の増加については、政府の資料においても幅がある。AIによる業務の効率化やデータセンター自体の省エネを見込めば増加幅がそれほど大きくない、もしくは減る可能性もあるとする試算もある(*5、6)。
不確実な仮定に基づき原子力や脱炭素火力の設備容量増強を議論するのは誘導的であり、必要な政策の方向性を大きく誤るおそれがある。気候危機対策が急務である現在、電力消費を抑えるための政策こそとるべきである。
省エネ・エネルギー効率の向上は最優先課題である。機器の高効率化などとともに建築物の断熱等エネルギー性能の向上も、自治体や業界と連携して取り組む必要がある。
5 未来のためのエネルギー転換研究グループ「グリーントランジション2035: 2035年に再エネ電力割合とCO2排出削減のダブル80%を実現する経済合理的なシナリオ)」、2024年9月9日 https://green-recovery-japan.org/
6 日経クロステック「AIデータセンター急増で電力需要は”激減”か」、2024年8月21日
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/082001588/
6.持続可能な形での再エネ拡大を
化石燃料にも原子力にも依存せず、再エネおよび省エネをエネルギー政策の根幹に据える方向へ一刻も早く転換しなければならない。再エネを主力電源とする方向性は、すでに日本も第6次エネルギー基本計画で掲げているが、今こそあらゆる政策資源を投入すべきである。COP28では「2030年までに世界の再エネ設備容量を3倍、エネルギー改善率を2倍」を目指すことが合意文書に書き込まれた。日本でそれをどのように目指していくのか、具体的な議論が必要である。
「あらゆる選択肢の追求」として化石燃料や原子力に政策資源が大きく割かれていることが、日本での再エネの導入を妨げている。さらに現場レベルでも、再エネの出力抑制による経済的損失や系統への接続の遅延による工期の延長やコスト増加など課題が山積している。
同時に、輸入バイオマス燃料の拡大による森林破壊および人権侵害も懸念される。また、国内においても再エネ事業の乱開発による自然環境の破壊が生じている。これを防ぐため、適切な規制の整備やゾーニングを行うとともに、事業者による住民への事前説明と協議の徹底、自治体の権限を強化することが必要である。そのうえで、再エネをどこにどのように設置し活用していくのか、各地域で自治体が地域住民とともに計画を策定していく必要がある。
7.鉱物資源の需要削減を
再生可能エネルギー技術や電気自動車(EV)への移行のため、多様な鉱物需要の大幅な伸びが予測される中、鉱物資源の獲得競争が国際的にも激化しているが、真の「公正な」エネルギー移行のためには、国内外また陸海問わず、鉱物資源の際限ない採掘から脱却しなければならない。鉱物資源等の海外権益獲得や安定供給の重要性が強調されているが、鉱物資源開発の現場で従来起きてきた自然・生態系の破壊、貴重な生物多様性の喪失、土地の収奪、人々の暮らしの破壊、超法規的殺害を含む深刻な人権侵害などが、気候変動対策の名の下に繰り返されることがあってはならず、鉱物資源の可能な限りの需要削減が大前提である。
鉱物資源開発は広大な面積の開発を伴うため、プロジェクトレベルの環境社会影響の緩和には限界がある。鉱物資源の開発を前提とするのではなく、保護価値の高い生態系に影響が及ぶ開発を行わない、先住民族や現地住民が鉱山開発を拒否する権利を保護・尊重する、企業による責任ある鉱物調達を徹底するなどの取り組みを実践していくことが重要である。
このため、前述の通り、エネルギー・電力の需要抑制を最優先で進め、公共交通機関の利用促進、カーシェアリングなどによる自動車の削減にも積極的に取り組むべきである。
https://www.fnn.jp/articles/-/801033