恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

5/5(土祝)落語協会 五月まつり@国立演芸場

2018年05月05日 | 噺とか
毎年の大型連休にはあちこちでかけていることが多いのですが、
今年はこの日に合わせて予定を開けておきました。
国立演芸場で行われている「大演芸まつり」では、
日替わりで様々な演芸関係の協会が興行を打っているのですが、
本日は落語協会の興行ということになっています。
すでに前売りでチケットは完売となっており、
会場30分以上前についてにもかかわらず大行列という盛況ぶり。
まぁ確かに、鈴本もこの時期は座席指定制を取っているわけで、
そこに比べると値段も割安だから人も集まるのでしょうかね。

駒 六「手紙無筆」
一之輔「加賀の千代」
白 酒「新版三十石」
小さん「ちりとてちん」
市 馬「粗忽の使者」
-仲入り-
口 上
正 楽「紙切り(お笑い三人組・こいのぼり・五月人形・イチロー)」
金 馬「王子の狐」

・一之輔師匠がこの浅い出番で出てくるのが何とも新鮮というか。
 確かに他の面々がベテランクラスということもありますがねぇ。 
 「加賀の千代」は一之輔師匠で何度か聞いていますが、面白いですねぇ。
 甚兵衛さんのとぼけ具合、ご隠居のキャラクターなど、
 どれをとってもさすがだなぁと思います。
 どういうわけか持ち時間より少し早く噺を終えてしまいましたが・・・

・白酒師匠は「新版三十石」。こちらは初聴。
 浪曲師の訛り具合が何ともおかしいですね。
 公演中にスマホに電話がかかってきて孫と噺を始めてしまうあたりもツボ。
 少々マクラが長めだったのも、この噺自体が短めだからなのでしょうか。
 早く上がってしまった一之輔師匠を盛大にいじっておられました。

・小さん師匠はスタンダードに「ちりとてちん」。内容自体は決して悪くないのですが、
 前二人が盛り上げすぎてしまったこともあるのでしょうか、
 会場はそこそこのウケで終始していました。まぁ、ね。

・市馬師匠「粗忽の使者」で再び会場は元気を取り戻します。
 マクラなしで本題のみでしたが、だれることなくしっかり笑わせてくれます。

・口上はどの出演者も「趣旨がわからない」と一様にこぼしていました。
 確かに、誰かの真打披露でもなければ襲名披露でもない。
 確かにおっしゃる通りですね。
 で、始まってみて分かったのが、日本演芸家連合をよろしく、という趣旨なんですね。
 たしかに、そういう団体があること自体知らなかったわけで、なるほどなぁと。
 司会が一之輔師匠で、出演者プラス会長の三笑亭夢太朗師匠。
 披露興行以外での口上は初めてでしたが、大変面白く見せてもらいました。

・トリは金馬師匠で「王子の狐」でした。
 毎回思うのですが、芸歴77年で御年89歳というのが驚異的です。
 噺が始まると本当に引き込まれてしまうのもすごいところ。
 これといってたくさんの笑う場面が用意されているわけではないと思うのですが、
 随所でくすっと笑ってしまうのが腕ということなんですかねぇ。
 
そして、口上の時の様子を見ていてもわかったのですが、金馬師匠の表情から察するに、
本当に暖かい方なんだろうなぁと思いました。
多くの人に慕われ、支えられ現役を長く続けている金馬師匠、さすがです。

恐懼謹言。
コメント
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