パールライスのつれづれなるままに

日常のちょっと気になった事を気ままに書くブログ
最近は、美術鑑賞・ガジェット紹介が中心です。

ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし展 at 東京藝術大学

2015年06月28日 | アート・文化
ヘレン・シャルフベック、彼女はフィンランド生まれの画家です。
3歳の時、階段から落ちて大怪我をして、一生涯、杖無くして歩くことが出来ませんでした。
彼女の絵は、失恋が大きく影響しているそうです。
そう言う身体だから、恋愛が非常に重要だったのですね。

一枚目の画像は、初期の頃のものです。写実的です。これだけでも名を残すだけの価値はあるでしょう。

ニ枚目の画像は、彼女の模写です。ベラスケスにモーリス・ドニ。その他色々な画家の模写もしています。モネやドガによく似た風景画も展示しています。これだけ多種多様に似せることが出来るとは、驚くべき画力です。

で、最終的に三、四枚目の様な抽象的絵画になります。これだけの画力ですから、凄く引きつけられます。
四枚目の右側、これはエル・グレコの「無原罪のお宿り」の一部を彼女なりに解釈した物です。現物は見たことがなくて、雑誌の掲載された白黒写真に感銘を受けて描いた物。凄い。アレがこうなるか。

五枚目の絵は、「黒いりんごのある静物」最晩年の作です。黒いりんごは、腐ったりんごの事。衰えていく自分と重ね合わせた、と言う事ですね。

彼女の絵をみて感じたのは、上松松園に近いかな?です。荘園も生涯独身でしたが、シングルマザー(決して相手の男性の名は明かさなかった)でした。絵筆一つで、男性社会の美術界を渡りきった人です。
あの画力の凄さは、この、根性のなせるワザではないかと思いました。

東京藝術大学美術館は、展示室が3階と地下一階に分かれています。変則的なのですが、今回のシャルフベック展は3階のみ。それで1,500円高いんじゃね?と思いましたが、内容が濃いだけに満足しました。
さすがは藝大。(笑)
      

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