東十条探偵団2

明日は何を撮りに行こうかな?

江戸っ子が熱狂!、変化朝顔

2022-09-01 | 季節の花

  向島百花園に展示される変化朝顔、
  いつの頃からかな?かなり前からになりますが。
  毎年夏の終わりには朝顔とも言えない朝顔が並びます、
  これが展示されると夏も終わりだなぁ、、、と。

 

   世の中すっかり落ち着いて天下泰平となったころ
   江戸に一大ブームが巻き起こりました、
   骨董品収集、釣り、園芸に人々は熱中。
   そんな中で変化朝顔が生まれました。

 

 

   江戸時代の朝顔の中には、これが本当に朝顔なの? と
   驚いてしまうような「変化咲き」のものがたくさんあります。

 

 

   江戸時代も中頃ともなると武家も衰退し
   職を離れて帰参も叶わぬ浪人さんなんかも
   長屋の片隅で朝顔づくりに熱中していたようです。

 

 

   当時はもちろん遺伝の法則なんて知られていない、
   ただただたくさん作ってその中から生まれた
   突然変異の花を抜き出して育てました。

 

 

   江戸時代までの朝顔はまだ単純な円形で、
   色も青と白しかない素朴な花でした。
   それが赤やピンク、紫、また絞り模様なども咲かせる
   華やかな花になったのはこのブームのおかげです。

 

 

   珍奇な花が出来ると一生懸命大事に育てました。
   そのうち名前もつきました、花も珍奇なら名前も珍奇
   この名前を翻訳すると
   青い柳のような葉、紅紫の花びらで撫子のように咲く。
   こぞって花に似合う名前を考えたようです。

 

 

   朝顔には元々突然変異しやすいという性質があります。
   普通の青くて丸いアサガオが、突然変わった花を咲かせる
   なんてこともよくあることでした。

 

 

   珍しいものが大好きで、驚いたり驚かせたりするのも大好きな江戸っ子が、
   これに心を奪われぬはずがありません。
   てやんでぇべらぼうめ、オレの花を見てみろってんだ 
   なに?恐れ入り谷の鬼子母神だってぇ・・・?。

 

 

   はじめは素朴な花で満足していた人々も、
   だんだん変わった形を追い求めるようになっていきました。
   その結果わずか数年で、朝顔職人が多く住んでいた  
   下谷御徒町あたりは見物客が大勢集まるようなアサガオの名所へと変貌しました。

 

 

   「売れ残る 花より葉より 商人(あきんど)の 昼は萎れて もどる朝顔」
   江戸時代の狂歌です。
   植物の苗を売る人もいました。早朝から声を枯らして町中を歩き、
   昼には萎れてしまうアサガオをなんとか朝の内に売り切ろうと
   必死な朝顔売りがたくさんいたのです。

   変化咲き朝顔の栽培は、効率を考えたらビジネスとしてはお話にもならない世界でした。
   しかしここは江戸の「粋」の世界、
   愛好家たちは「とにかく変わった形のアサガオを作りたい」という一心で、
   手間暇を惜しまず情熱を燃やしたのでした。

 

          data: EOS70D/EF28-80mm。 撮影   月  日  向島百花園

          

コメント (2)
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