過日、児童書出版関係者有志による「特定秘密保護法案」の廃案を求める共同声明がだされ、11月29日一日限定の中で、作家・翻訳家・評論家・出版各社など、150名の賛同が寄せられ、時事通信などを通じ発表されました。
私もその賛同に加わらせていただきました。
そういった状況のなか、日本児童文学者協会でも独自にそうした事態にきちんと態度表明をしなくてはいけないと、この間、常任理事でさまざまなやりとりを行いました。
通常、声明を出すときはいつもしかるべき手続きを踏み、会員の皆さんのご意見をくみ取り、発表しておりますが、今回は時間的にそうした手続きがとれず異例の方法で、下記の声明を新聞各社へFaXしていただきました。
会員の皆さんには近々お手許に届くと思いますが、なにとぞご了解ください。
声明は、12月2日付けで日本児童文学者協会のHPにもUPされています。
http://jibunkyo.main.jp/(コピペしてご覧になってください)
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子どもの未来を闇でおおう「特定秘密保護法案」の廃案を求めます
「特定秘密の保護に関する法律案」(特定秘密保護法案)が、11月26日に衆議院で強行採決されました。多くの言論人をはじめ、国民の多数からさまざまな疑問や反対の声があがる中、なぜここまで拙速にこの法律が制定されなければならないのでしょうか。
そもそもこの法律は、国家が知られたくない情報を「特定秘密」として隠し、組織の内部から不正を告発する人、それを支持し明るみに出そうとする市民の活動を、厳罰の下に封じこめようとするものです。この法律によって、ジャーナリストや文学者の取材も、また歴史の検証に不可欠な文献・資料の活用も、処罰の対象となりかねません。今後本格的に検証していかなければならない原発情報の多くも、この法律を盾に隠蔽される恐れがあります。これは、明らかに主権者である国民の「知る権利」への侵害であり、日本国憲法の基本理念である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義に反する大きな問題を抱えています。
戦前を知る人は、関東大震災から二年後の治安維持法の制定と、その後に日本が辿った戦争への道が現在と酷似し、ふたたびそれが再現されることを恐れています。そうした社会の中では、子どもたちが主権者として生き生きと成長していくことは叶いません。
未来に生きる子どもたちに向けて創作活動を続けている私たちは、子どもたちの未来を闇でおおう「特定秘密保護法」の制定に強く反対し、廃案を求めます。
2013年12月2日
一般社団法人 日本児童文学者協会(理事長・丘 修三)