ずっと、私のそばにいてくれたピアノと、とうとうお別れします。
今日、これから運び出されます。
写真の、古いピアノは、すでに、もう20年以上、無用の長物になっていました。
世田谷の桜新町に住んでいた頃、長いスカートに足を取られ、駅の長い階段から転げ落ちて、左手の指を3本骨折してしまったことがあります。
日常生活には困りませんが、それ以降、ピアノは弾けなくなりました。
指が硬くなっていて、曲げるのがやっとです。
子どもたちは遊びで、私のピアノを弾いていましたが、娘は途中からエレクトーンに変わりました。
そんなわけで、弾き手のいなくなったピアノは、長いあいだ、窓辺にひっそりと佇んでいました。
けれど、今回、老前整理の名のもとに、とうとう捨てる決意をしました。
昨年は、エレクトーンも捨てました。
運ばれる前に、鍵盤を磨いたり、ピアノをきれいにお掃除しました。
最後にちょっと、ピアノを弾いてみました。
思いの外、大きな音で、びっくりしました。
夫も、驚いて自分の部屋から飛び出してきたくらいです。
「久しぶりに聞いたけど、ピアノって、こんなに大きな音だったんだね」と。
我が家から運ばれたピアノは、今度は、どんな国の、どんな人が使ってくれるのでしょう。
長い間、ありがとう。