昨日は、上野の都美術館に「ゴッホとゴーギャン展」を見に行きました。
南仏アルルで、共同生活をしていた二人は、たった2〜3ヶ月でそれも破綻します。
そんな二人が、画家として尊敬しあい、影響しあったということが、絵を見ながら納得できます。
『楽園のカンヴァス』の作家、原田マハによる、トークイベントがあったと伺い、早とちりの私は、てっきりこの展覧会かと勘違いしていました。
でも同じ上野でも、上野の森美術館で行われている「デトロイト美術館展」だそうです。
美術に造詣の深い、彼女の話を伺って見たいものです。
展覧会を見ながら、私が思わず立ち止まり、紙にペンを走らせたのは、ゴッホが描いた「ゴーギャンの椅子」の絵。
ゴッホがゴーギャンのために買った椅子。
この椅子には、ガス灯や燭台、そして本が置いてあります。
ゴッホはゴーギャンを「詩人」と評していました。
ゴーギャンは、思考や、絵画想像を広げる創作アプローチを、想像にしていたのです。
そのあたりのゴーギャンの人間性を、この「ゴーギャンの椅子」は見事に表しています。
ゴッホが精神の病からか、自分の耳を切り落とすという事件があってから、ゴーギャンとの関係に破綻を迎えます。
この頃のことを、ゴッホは、友人にこんな手紙を書きます。
「ゴーギャンとわたしは、体じゅうの熱という熱が消えてゆくほど、感情を高ぶらせ話し込んだものだ」
「破局は急に訪れ、制作に没頭していたにもかかわらず、この時期は一世紀もの長さに感じた」
彼らが共同生活を解消して2年が経ったある日。
ゴッホは麦畑で、自らをピストルで撃ち、死にます。
彼の死後、ゴーギャンは、南仏からひまわりの種を取り寄せ、ゴーギャンの椅子にそのひまわりを描いた作品を発表します。
ゴッホへのオマージュでした。
二人の関係や、黄色い家は有名ですが、こうして実際に絵を見ながら、キャプションを読みながら、二人の軌跡を辿っていくのは、とても興味深くドキドキする時間でした。