20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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イスラエル

2023年10月15日 | Weblog
           

かつて私は『アンネ・フランク』の伝記を書いたことがあります。(ポプラ社)
その伝記はすごくたくさんの子どもたちに読まれ、NHKでも取り上げられ、教科書にも掲載され、文庫にもなり、ハード、文庫ともに、いまだ、売れ続けています。

ユダヤ人に関しては、アウシュビッツなど様々な迫害の歴史を知っています。
「アンネ・フランク」のラスト、私は、こう書きました。

「だれが、こんな苦しみをわたしたちに与えたのでしょう。だれが、わたしたちユダヤ人を、他の人たちと区別したのでしょう。神さまは、ユダヤ人を見捨てません。戦争がすんだら、わたしは、勇気を持って生きていきます。」

その後、こういう文章も書きました。

「二千年以上の年月、自分たちの国を持つことのできなかったユダヤ人が、ようやく国を持つことができました。1948年、5月14日、ユダヤ人の国家、イスラエルが誕生したのです。」

けれど、その後、イスラエルは、アラブのパレスチナと、領土を巡っての争いが何度も続きます。
中東戦争です。
とうとうイスラエルは、アラブ人の一部を、日本の小豆島くらいの大きさの土地に封じ込め、高い塀で閉じ込めます。
ガザ地区です。
ここに住んでいる人たちは、4度もの、中東戦争で、子どもの割合が多い地区だそうです。
今回、ハマスが、イスラエルにテロを起こし、蛮行を重ねました。
これは決して許されることではないと思っています。

そのことで、イスラエルやアメリカは、ガザ地区の住む人たちへの容赦ない攻撃を始めました。
アメリカは「普通の人々は南部に避難させるように」「エジプトへの退避回廊を作る」など言っていますが。

ガザのレポートをネットで読んだりするたび、ガザが高い塀を作られ、(天井のない監獄)と言われる、衛生状態も悪く、中東戦争はこの16年で4回も続いていて、戦争ばかりの国。過去の戦争で、父や母を失った光景を何度も思い出し、苦しんでいる子どもたちも、多数いるようです。
そして子どもたちは、大人になっても仕事がない。
高い塀の外に出ることも許されない。

子どもの自殺率が、ものすごく高い地区だそうです。
希望など何もありませんから。
赤ん坊であった子どもが、最低限の教育を受け、思春期になっても、何の希望もないのです。ここで結婚して、子供を産んで。

基本的には、人道支援が、生きるための命綱です。
国連機構が、ヨルダン・レバノン・シリア・ガザ地区・ヨルダン川西岸の5つの現場でパレスチナ難民に、小中等および職業教育と基礎的医療サービスを提供しているだけだそうです。

こんなちっぽけな地域に、たくさんの子どもたちがいる地域に、イスラエルは、地上作戦。

イスラエルのネタニヤフは極右の首相だそうです。
とはいえ、アウシュビッツで、ユダヤ人は、あれだけ惨殺され、人権も尊重されなかった歴史を知っているはずです。

でも、今は、かつて彼らがやられたようなことを、希望のなさから生まれたとはいえ、テロ組織であるハマスは別ですが、市井の人々に、同じようなことをやろうとしているのが、到底信じられません。
コメント (10)
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