前回に引き続き湖北から。
厚い霧が晴れない余呉での撮影を早々に切りあげた後、ぜひ行ってみたい場所があった。
といっても、紅葉の名所というだけで、
地名は知らず、漠然と木之本付近にあるらしい…程度のいい加減な場所。
それで、「ぜひ行ってみたい」とはおこがましい話だが、
偶然にも、北陸自動車道木之本インター出口で、「鶏足寺はこちら」という臨時案内看板を見つけ、
「ここに違いない」と決めつけて向かった次第だ。
途中、さらにいくつかの案内看板を手掛かりに
滋賀県外ナンバーの車列について走ること約10分、
鶏足寺の臨時駐車場にたどり着くことができた。
朝、九時前にもかかわらず、すでに満車状態。
それでも、ぎりぎり待つことなく駐車することができたのは幸運だった。
そこから徒歩で20分程度、田んぼや茶畑を横目に畦道をのんびりと歩き、たどり着いた場所がここ。
紅葉が顔色に映りこむのではないかと思うほど、辺り一面が染まっている。
地元の方によると、この時期、マスコミにとりあげられることが多く、(前夜のニュースステーションでも報道されたらしい)
そのせいもあって、毎年観光客が増えるのだとか。
天候に恵まれたこともあったのか、人出の多さに驚く。
しかも、ついつい「人里離れた」などと表現したくなる場所に、なんと中国人の団体が殺到していたことにさらに仰天。
ひょっとして、ここを知らなかったのは私だけ...?!
さて鶏足寺。
もとは飯福寺といい、奈良時代に創建されたというからたいへんな古刹。
湖北仏教文化の中心的存在として、おおいに栄え、浅井家、豊臣家の庇護も受けていたらしいが、
人里離れた立地から次第に衰退し、昭和の初めに本堂が焼失したことから、現在は廃寺となっているとのことだ。
その鶏足寺が脚光を浴びるのが、紅葉シーズンの半月あまり。
木々を見上げると、今シーズンのピークは過ぎた感もあるが、
地面を覆う見事な紅葉は、あとわずかだけ見頃が続くとのことだった。
数年前から、紅葉時期は立ち入り禁止となっているという参道。
紅葉名所のシンボル的な場所とのことだが、
ここに限らず、紅葉の美しさを維持するため、
この時期、地元ボランティアの方々はたいへんなご苦労をされているのだと感じた。
ところで。
ネットで調べたら周辺案内図が出てきた。ぜひご参考いただきたい。
...おや?!
案内図に「オトチの洞穴」とあり、三成がかくまわれていた場所だと記してある。
関ヶ原の戦いに敗れた石田三成は伊吹山中で捕縛されたと記憶していたが、
ここも吹山系?
いずれにしても、とても興味深い。
先に調べておくべきだった。
最後にもういちど紅葉の絨毯を。
このふかふかの感触が伝わったなら幸い。
さわやかさを感じる曲をと思いつつ、折にふれての選曲。
mixi時代からコメントをくださる「友人」に教えていただいたサイモン&ガーファンクルのデビューアルバム「水曜の朝、午前3時」から。
彼らの楽曲として最もポピュラーな「サウンド・オブ・サイレンス」だが、
「どこか雰囲気が違う」そう気づく方も多いかもしれない。
Simon & Garfunkel - Sounds of Silence
よく耳にするバージョンは、映画「卒業」の主題曲にもなったものでストリングス等でアレンジされたもの。
それに対して、こちらはいたってシンプル。
アルバム発売当時はほとんどヒットしなかったというが、
あらためて聴いてみると、そのシンプルさがかえって心に沁みる。