路面電車雑感

　鹿児島市営の路面電車は、座席が対面式で座っていると目のやり場に困る。正面には人の顔があり、いつまでも顔を見合わせている訳にはいかず、上段の広告を見たり外の景色を眺めるふりをしたりと、なかなか大変である。特にこわもての兄ちゃんだとやっかいだ。その場から逃げ出したくなる。また、うとうとしていて目が覚めたら、つり革にぶら下がっている女性の胸のあたりが面前に現れたりするとびっくりする。
　路面電車は、私にとって便利な乗り物である半面、いろいろと気を使う乗り物でもある。こう思うのは私だけだろうか。
　　　鹿児島市　川端清一郎（60）　2008/2/10　毎日新聞鹿児島版掲載