はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

そして母は

2008-02-28 15:11:46 | はがき随筆
 1月末、90歳の誕生日を前に、母は大量の吐血と下血をして救急病院に運ばれた。すぐに姉妹に連絡して病院に詰めた。
 点滴を自分で外したり、少し良くなると深夜はいはいをする不良老女だった。半月ほどで、ハンサムな先生や優しい看護士さんたちのお陰で、退院できるまでになった。
 「大変御迷惑をおかけしました。ありがとうございました」
 「とっても楽しかったですよ。帰るのね。寂しくなります」
 母はここでも、皆さんに愛されていたようだ。
 家では、しだれ梅が母の回復を祝うように咲き誇っていた。
   阿久根市 別枝由井(66) 2007/2/28 毎日新聞鹿児島版掲載 
写真はよっちゃんさんからお借りしました。