瀬戸内寂聴師が「笑うと人生が変わります。おかしくなくても笑顔になると脳が笑っていると勘違いをし、元気になったり、病が軽くなることもあります」と、テレビで話しておられたことがあった。
数年前から悪いことが次々に起き、くよくよ悩む性格の私は落ち込んでいた。ある日、鏡を見て驚いた。72歳で亡くなる直前の母とそっくりの顔になっていた。写真に写る自分の顔が引きつったように見えた。
寂聴師の話を思い出し、鏡の前で作り笑いをと、「ニタッ」としてみた。ところが長い間笑うことを忘れていたためか、口角が痙攣して口元がゆがみ、笑顔にはほど遠い顔になる。
四六時中、笑顔を作ることばかり考えるようになった。テレビに映し出されたいろいろな人の顔を見るたびに、その人の口元が気になる。あっ、と思い出して「ニッ」。自分と話す相手の口を見ては「ニッ」。
3カ月ほどたつころ、口角が痙攣しなくなったのに気づいた。くよくよすることが少なくなり、しだいに性格も大らかになっていったように思う。写真を撮る時には、ニッコリ作り笑顔でポーズをとれるようになった。友人が「笑顔がすてきよ」と言ってくれた。
笑顔は人を変えるという節は間違っていないと思う。さあ、皆さんも「笑って、笑って」。
山口県美弥市 萬代信子(66)2008/2/16
毎日新聞鹿児島版「女の気持ち」掲載
数年前から悪いことが次々に起き、くよくよ悩む性格の私は落ち込んでいた。ある日、鏡を見て驚いた。72歳で亡くなる直前の母とそっくりの顔になっていた。写真に写る自分の顔が引きつったように見えた。
寂聴師の話を思い出し、鏡の前で作り笑いをと、「ニタッ」としてみた。ところが長い間笑うことを忘れていたためか、口角が痙攣して口元がゆがみ、笑顔にはほど遠い顔になる。
四六時中、笑顔を作ることばかり考えるようになった。テレビに映し出されたいろいろな人の顔を見るたびに、その人の口元が気になる。あっ、と思い出して「ニッ」。自分と話す相手の口を見ては「ニッ」。
3カ月ほどたつころ、口角が痙攣しなくなったのに気づいた。くよくよすることが少なくなり、しだいに性格も大らかになっていったように思う。写真を撮る時には、ニッコリ作り笑顔でポーズをとれるようになった。友人が「笑顔がすてきよ」と言ってくれた。
笑顔は人を変えるという節は間違っていないと思う。さあ、皆さんも「笑って、笑って」。
山口県美弥市 萬代信子(66)2008/2/16
毎日新聞鹿児島版「女の気持ち」掲載