はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

新年になって

2009-01-03 13:17:26 | はがき随筆
 「まあだだよ」の年ごろに近づいた私にも新年が来た。
 気持ちも若やぐ。この機に生活の巻き直しをしないと、見送った多くの親しい人たちに申し訳ないと思う。
 物忘れくんは日々訪れ、付き従ってくれている。でも、焦ることもあるまいと思うし、出来ることを考えたいと思う。 
 平凡かもしれないが、より多くの本を読みたいと思う。若いころの積み残しが山とあるのだから。テレビは消して。
 唐の詩人、陳子昂(ちんすごう)は「前に古人を見ず」と詠んだ。でも私は古人を前に見たい、と思う。
 ボランティアを続けながら。
   出水市 松尾 繁(73) 2009/1/3 毎日新聞鹿児島版掲載
   写真は粗茶さん

人生今が旬

2009-01-03 13:03:16 | はがき随筆
 出来る時に出来ることをする。その時々(生業、学業他)を精いっぱい生きること(旬)。百歳のお年寄りが、最愛の牛の飼育と、自作の竹ぼうきでの庭や牛舎の掃除に生きがいを持つのをテレビで見て、それだと思った。余生を悔いなき日々にしたいと念じ、福沢諭吉の「世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩に着せない事です」を心として、退職後は老人福祉に精進した。現在は不慣れながら家事と介護を天命と心得、懸命に進めている。昨年決意した川柳と狂句も模索しながら継続中で、今年も老体にむち打ってより満足の句にしたい。
   薩摩川内市 下市良幸(79)2009/1/1 毎日新聞鹿児島版掲載