表紙は、ファランギース嬢です。
ほかのキャラはそんなことないけど、この人の台詞は演じた人の声――真綾ボイスで聞こえてくるから不思議だ(笑)。
じつは、この作品をブログで採り上げるのは初めてですが(アニメのほうはチラッと書いたけど)、やっぱおもしろいですよね。
架空戦記って、読者にとってはとっつきにくいんだよね。下手すりゃ、作者のアイデア、想像力が「イタい」と思われてしまう。いわゆる厨二なノリが多いから。それに加え、題材が題材なだけに、堅苦しい面も否めない。
でも、この作品はそれらをあまり感じさせない、いい意味での強引さと、キャッチーなキャラ設定があると思う。それゆえ、おもしろい。そういう作品って、オレが知る限りでは、アルスラーン戦記と軍靴のバルツァーくらいじゃないかな。まあ、後者はちょっとホモっぽいトコもある気もするが。
今回、カッコよかったのはキシュワードの登場シーン。ダリューンの無双ぶりが「いかにも武神」といった、(もちろん、鍛錬も経験も積んでるけど)“武の才”溢れる強さであるのなら、キシュワードのそれは(もちろん、才能も豊かだけど)戦場での経験による安定した強さ、って感じがしました。個人的には。
それと、ヒルメス。この人、普通に明君だよな。アルスラーンは名君、この人は明君。
いや、復讐に燃えている、という点ではダーティヒーローだけどさ、臣下であるザンデの失敗に対し、叱責することもなく、彼の能力と、相対したナルサスの能力を比べて(ザンデも無能ではないよ。ヒルメスはそれも把握してる)、自身が指揮を執るべきだったと反省できるくらい、聡明だし。
さらには戦術眼も、個人的武勇も並はずれてるよね。負けっぱなしに見えるのは脚本の都合(笑)。っつーか、「ヒルメス陣営は彼のみがチート、アルスラーン陣営は彼の取り巻きが全員、チート」ですもんね(笑)。そりゃ勝てませんよ。アルスラーン自身が、能力的には平凡なのが、せめてもの救い。
ともかく、あり得ない話ですが、もしヒルメスが王位を奪還して天下を取っても、庶民は法にさえ触れなければ幸せなんじゃないかな? まあ、奴隷階級は解放されないでしょうが。
アルスラーンは、取り巻き次第なトコがあると思う。とくにダリューンとナルサス次第。このふたりが健在なら大丈夫だろうけど(ナルサスも宮廷画家やりながらも、アドバイスを求めれば答えてくれるでしょう)、仮に若死にするようなら、変なのに寄り付かれそうな気もする。アルスラーンは人がいいし、謙虚すぎるトコもあるから(そこが魅力でもあるけど)。
そもそも、彼のブレーンは、ダリューン、ナルサスの二枚看板込みで、軍事的才能ばっかで、政治的な人はいまんトコ、いないんだよね。ナルサスだって、あくまで「戦略家」「戦術家」でしょ。政策面でもプランは出せるでしょうが、細かい部分までは果たして・・・? まあ、オレの読み落としがあったら、申し訳ございません。
まあ、原作者が三国志好きなトコもあるらしいんで、ヒルメス=曹操、アルスラーン=劉備って面もあるのかな(ザンデは夏侯惇?/笑)。
そういえば、荒川弘ヒロインは魅力的な人が多いですよね。ハガレンのウィンリィ、ホークアイ中尉、銀の匙のアキや吉野さんと、外見は「昔ながらの少年マンガのヒロイン」って感じなんで、若い読者にはとっつきにくいかもしれんけど、オレのような中年読者にはこれくらいの絵柄でいいんです(笑)。女作者なのに、少女マンガっぽい絵柄でもないしね。
アルスラーン戦記のほうも、この6巻の表紙を飾ってるファランギースといい、そしてアルフリードといい、めっちゃ魅力的です。って、この作品は原作付きなんで、厳密にいえば原作者の「田中芳樹のヒロイン」でしょうが・・・まあ、この作品のヒロインたちは、「荒川弘も噛んでるヒロイン」っつーことで(笑)。
今回はアルフリードがかわいかったなぁ。
アルフリードの「押し掛け女房っぷり」が素敵です(笑)。
で、そんな彼女の自己紹介――
ダリューン卿! 現世の武神が顔芸! (笑)
ダリューンの顔芸を見ることができるとは(笑)。三国志でいえば、関羽が顔芸やってるようなもんですよ! (横山三国志でも、蒼天でも可)
とはいえ、これで驚いていてはいけません。
エラムの、この顔(笑)。
よっぽど、慕ってたナルサスに伴侶ができる(?)現実と、その伴侶を名乗り出たアルフリードの存在に対し、不快を覚えたんでしょうね(笑)。いや、ホモな意味じゃなくてね。
ともかく、オレはファランギースも好きだけど、アルフリードみたいなヒロインも好きだよ。
今後も活躍してほしいもんです(笑)。
それと、エステル(エトワール)。あのコもいいよね。
ただ、アルフリードとエステルは、最後・・・そんな結末らしいが、荒川コミカライズ版は、改変してくれてもいいかもね。原作ファンは怒るかもしれんが(笑)。