進撃の巨人が完結しましたね。
思えば、この作品が表紙になっていた別冊月マガの創刊号を、衝動的に「表紙買い」してね。案の定、傑作でしたね。
いや、なんか直感的にね。表紙のイラストを見て、「名作の予感」みたいなものを感じてね。決して、上手な絵ではないし、自分好みの絵柄でもなかったんですが。
以来、まあ、別冊月マガ本誌はすぐに買わなくなっちゃったけど、単行本は欠かさずにチェックしてましたね。
正直ね、中弛みというか、途中からは惰性で読み続けているトコはありました。最後のほうなんて、ちょっと意味がわからなくなってたし。
それでもね、充分に楽しませてもらいました。ホントに「長い間、お疲れさまでした」といいたい。
また、作者の諫山さんとしては、「描きたいことを、予定どおりに描き切った」という感じなんでしょうね。まあ、途中、「vs巨人」というより「vs人間」となった辺りから、編集の意向も強くなったのかもしれませんが(勝手な憶測ですが)。
で、この最終巻。
オレの中では、ミカサこそが主人公でしたね。
ご存知のとおり、本来の主人公・エレンは、闇落ちしてるんですよ。まあ、「彼は彼で理想があって」のことでしょうが。
一方のミカサは、幼いころからエレンに恋心を抱いていて、ゆえに彼が世界にどんな災厄をもたらそうと、敵対する覚悟がなかなかできない。
けど、それでもエレンがやってきたことを考えると・・・彼を討つ以外にあり得ない。
その直前、――これは「エレンへの思い」と現実問題との間で苦しむ、ミカサの妄想なんですかね?――エレンとの逃避行先で、
エレン「オレが死んだら、このマフラーを捨ててくれ。
――おまえはこの先も長生きするんだから、オレのことは忘れて、自由になってくれ」
ミカサ「ごめん――」(ここで現実に戻る)
このミカサの決意、まさに主人公っぽいですよね。
でも、そこはミカサも女の子ですんで、「女視点」な演出になったんでしょうが。
前述の「マフラー」は、エレンがミカサに贈った、唯一のプレゼントみたいなもんなんですよ。その辺のことは、こっち(進撃の巨人12巻)でも書いてたかな。
ともかく、「愛するエレンとの象徴」ともいえるマフラーも、エレンとの思い出も、そしてエレンに対する自分の気持ちも――すべて忘れることなどできない。
それでも、
「エレンは私の手で」と言わんばかりの決意。
そして――
ミカサがエレンを討ったことで、世界は一応、救われます。
で、エレンもやっぱ、ミカサに気があったんだね(笑)。
エレンとアルミンが、互いの意識内でやりとりしてる際、
エレンもやっぱ、本来は普通の男の子なんだよね(笑)。
ちなみに、ミカサは死に臨み、エレンから貰ったものであろうマフラーを首に巻いて、入棺されていました。「ほかの誰か」とは結ばれたみたいですけどね。
まあ、正直ね、あのストーリー展開だったから無理なのはわかってたけど、ミカサはエレンと結ばれてほしかったなぁ。何らかの形で、ハッピーエンドになってほしかった。
ただね、ストーリーや設定的にね、エレンのやってきたことを考えると・・・
もちろん、ミカサの幸せを否定する気はないけどね。彼女は相手が誰であれ、幸せになるべきですよ。
それに、おまけマンガのほうで、彼らとアルミンの幼馴染みトリオが、仲良くやってるんでね(笑)。
スクールカースト最下層の三人――冴えない少年であるエレンと、イタいオタク女になってるミカサ、そして厨ニ心全開なアルミンが、こっちの世界でも仲良くなってて、三人で映画(この作品の本編と思われる)を観てね。
アルミンとミカサが、オタクならではの感情的な論争を始めちゃってね。「じゃあ、エレンにも意見を聞いてみよう!」ってなって、話題を振られたエレンが、
「オレは・・・おまえらと映画を観れて、楽しかったよ。次回作があったら、また観に行こうな」
と。
このやりとり、なんかよかった(笑)。こっちの世界では、ハッピーエンドもあり得る?
ってか、このおまけマンガ、本編と繋がってるかもしれんのね。本編の100年後で、エレンたちが転生しているのかも。
ともあれ、いい作品でした。こんな傑作に、初回から、リアルタイムで出会えたことに感謝しています。
あ、ほかにも「進撃の巨人」関連の記事はありまして・・・よかったら、こちらも(進撃の巨人をオレなりに考察!)。