時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

今度は愛妻家 1

2010-01-28 | 映画
この一年
一枚の写真も撮る事ができず
ぐうたらな毎日を送っている
かつて売れっ子カメラマンだった夫・北見俊介

一方
大の健康マニアで
健康に関する新聞のスクラップ集めに余念なく
毎日せっせとニンジン茶をすする妻・さくら



ある朝
さくらが呟いた
「今朝、夢で見て思い出したのよ!一年前の沖縄旅行で…」

『一年前?沖縄?』

そう云えば…

クリスマス直前のある日
さくらに
沖縄へ子作り旅行へ
連れて行かれたことを思い出した

そう云えば…

あれ以来
さくらの様子が何となくおかしような…

妻が居なければ…


                    

さくらが
箱根に出かけるという日
女優志望の蘭子を
家に連れ込みあとは実行あるのみ!
と浮かれてた様子を
バッチリさくらに目撃されてしまう

結婚して10年
浮気はしないと誓ったにも関らず
私が知っているだけですでに10件…
堪忍袋の緒が切れたさくらは
家を飛び出し行方知れず…

しばらくは
独身気分を満喫していた俊介だったが
なかなか家に帰ってこないさくらに
苛立ちを覚え始める



そしてある日
俊介はカメラに残された一枚の写真をみつける
それは
走っていくさくらの
小さくなった後ろ姿…

???

俊介は
何かを少しずつ理解し始める



『今度は愛妻家』と言うタイトルだったので
このストーリー展開に驚きでした
妻の存在を新たに認識し
仲良く生きていくのかと思いきや…

‘来世は愛妻家’ってことね

薬師丸ひろ子さんと豊川悦司さんの共演は
アルコール中毒の妻と同性しか愛せない夫の日常を描いた
江國香織さんの小説
『きらきらひかる』の映画以来でしょうか
この小説の世界感大好きで
何冊買って人に薦めたことか(笑)



お二人が演じた
ダメダメ亭主とちょっと間の抜けた妻
二人の醸し出す雰囲気が
何とも優しくて可笑しくて
切なくて愛おしく感じました

行定勲監督の作り上げる
映像ワールドは
ストーリーも丁寧で
その丁寧さが
背景やちょっとした小道具にも及んでいて
登場人物も
背景に縁がキチンと設定されていて
毎度の事ながら
気持ちがいいです

オカマのぶんちゃんの設定なんて
小賢しい~くらいに
良かったです