時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙47 ~失意ノ方~4

2015-01-07 | 読書
江戸城中を揺るがした
佐野善左衛門の刀傷騒ぎのあと
尚武館から姿を消した
松浦弥助は
自らが手にかけた
薮之助の遺髪を懐に忍ばせ
伊賀泉下寺を目指していた
一方江戸では
坂崎磐音が
月に一度の墓参のため
忍ヶ岡の寒松院を訪れていた
その帰路
竹屋ノ渡し場に立った磐音は
向こう岸から
近付く乗合船に思わぬ人物の姿を認めた



祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
驕れる人も久しからず ただ春の夜の夢の如
猛き者も遂には滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

栄枯盛衰…
遂に来ました
田沼意次の零落が…
剣客商売に登場する
田沼意次とのギャップが
少々辛いですが
このシリーズに至っては
坂崎磐音に牙剥く
敵としての立ち位置を
最後まで
貫いて頂きましょう

とは言え
磐音に至っては
この期に及んで
今更
復讐・敵討ちと言う
モチベーションではないようです
剣術家として
如何に生きるべきか
生かす剣を
模索する磐音なのです

田沼意知の墓前で
磐音と意次が
初めて
相対する場面がありましたが
そこでも
反目しあい
共存する道はないと
認めつつも
互いに
どんな結末が訪れようと
失ったモノは
戻ってこない
たた
虚しさが
残るだけだと
思っているようでした

そして
磐音の心配事
奈緒と三人の子供たちの
その後…
今もなお
山形市中に隠れ住む
親子の救出し
まずは江戸へ
呼び寄せる!
そして
幸せ&安住の地を
再び持たせる!

弥助と霧子の
大活躍にこうご期待です