時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

逝年 37

2016-09-28 | 読書
人生にも恋愛にも
退屈していた
二十歳の夏
「娼夫」の道に足を踏み入れた
森中領(リョウ)
所属する
ボーイズクラブのオーナー
御堂静香が
大学のゼミの同級生
白崎恵(メグミ)の通報により
摘発され
クラブは解散したが
1年後
リョウは
静香の娘・咲良
平戸東(アズマ)
そして
クラブを壊滅に追い込んだ
張本人白崎恵と共に
会員制ボーイズクラブ
『Le Club Passion』を再開する

ほどなく
静香も出所するが
彼女は
エイズを発症していた
永遠の別れを前に
愛する人に
自分は何ができるのか?
性と生の輝きを
切なく清澄にうたいあげる
至高の恋愛小説
傑作長編『娼年』続編



新たに
会員制ボーイズクラブ
『Le Club Passion』を再開した
リョウですが
その事務所が
代官山なんですねぇ~
前作では
JR京浜東北線の
洋光台と言う
駅名も登場してました
風景が
リアルに思い浮かぶ
場所が登場すると
何か焦る

代官山かぁ~
勝手に
どのあたりの
ビルだろう~と
ガチ
想像してしまいます

何なんだ白崎恵!?
クラブを壊滅に追い込んだ
張本人のあ~たが…
物事を
多面的に捉えようとする
その姿勢は認める
評価もするが
何故に
マネージャーとして働く?
働くのが
悪いとは言わないが…

リョウは
御堂親子同様
この手の才能を秘めた人間を
スカウトする才能だけでなく
経営者としての
才能もあったようです
新宿二丁目のバーで
バーテンダーとして働いていた
川瀬歩(あゆみ→アユム)を
見い出します
歩は
身体は女性
心は男性と言う
性同一性障害者
両親に
『Le Club Passion』で
働いていることがバレ
一時は
どうなるかと思いましたが
そのあたりは
娘の苦しみを
近くで
長いこと見続けてきた
アユムの母・美津子の
心の叫びと言うか
思いが
何とか父・重行に伝わり
事なきを得ました

アユムは
両親に
思いを告げ
メグミと言う
心の支えにも出会い
一時
心の平和を勝ち取りました
この先
身体だけでなく
戸籍上も
正式に性別をかえ
メグミを
籍を入れようと
考えているようで
その道は
決して
穏やかではありません
しかし
自分の道を切り開こうする
その姿勢には
共感できる!

静香とリョウの
関係性については
精神的な絆とか
つながりを
深く語って
貰いたかったけれど
結局
最愛の女性
静香と結ばれること
望むリョウ
最期の時を前に
細心の注意を計りながら
それを受け入れる静香
と言う
シュチュエーションが
落ち処になっています

全2巻
読み終えて思う事

登場人物の
生き様や価値観が
正しいか
正しくないか
ではなく
この世界には
異なる人種・環境・価値観が
多種多様存在していて
願わくば
対立することなく
共存できる
寛容な社会であって欲しい
と言う筆者の思いが
込められて
いるのか?
いないのか?

いや
そ~ゆ~
ことじゃ
ないんだろうなぁ~

未熟な自分には
微妙だ

ただ
あえて
舞台にするこたぁ~
なかった!
小説で描かれる方が
余韻があって
作品の
世界観にも
品と言うか
美しさがあった
と言う事だけは
確信しました