時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

刑事犬養隼人シリーズ3~ハーメルンの誘拐魔~

2020-12-29 | 読書
記憶障害を患った15歳の少女
月島香苗が
街中で忽然と姿を消した
現場には
「ハーメルンの笛吹き男」の
絵葉書が残されていた
その後
子宮頚がんワクチンの
副反応による障害を負った者と
ワクチン推進派
日本産婦人科協会会長
槙野良邦の娘・亜美
参議院議員会館委員会室で
開催されていた
子宮頸がんワクチン院内集会<被害者の声を聞いて>に
参加していた5人の少女と
計7人が誘拐されることとなる
そしてついに
一連の犯人と思われる
笛吹き男から
捜査本部宛てに封筒が届いた

これで七人になったのでそろそろ要求する
一人に付き十億円
合計七十億円を支払えば人質は無傷で返す
金銭の工面については
こちらから提案してやろう
ワクチン事業で潤った製薬会社とそれを推進させた
産婦人科協会に協力を仰げばいい
拒否されたらそれが彼らの信条と思って諦めるしかないが
そうなれば被害は七人では終わらない
わたしが古に攫った子供は
百三十人だつたのだから
                ハーメルンの笛吹き男


同じ内容の封筒が
在京テレビ局五局と三大全国紙にも送られ
第二の薬害エイズばりの
騒動へと…
少女達の命と
警察の威信を懸け
孤高の刑事
犬養隼人が辿り着いた真実とは
人気シリーズ第3弾!

映画『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』公開中


すでに
色んなドラマで
見たことがある
ストーリー展開なので
新鮮味は
正直ないです
ですが
COVID-19に対する
ワクチンの接種が
今まさに
世界中で始まる
このタイミングで読むと
考えさせられる内容でした

一般に
新薬として承認されるまで
最低でも10年はかかります
第I相から~第Ⅳ相と段階を経て
慎重に慎重を重ね市販されます
治験を行う前には
医師・薬剤師を始め
法律家等外部委員が召集され
治療内容・法規的・倫理的に
問題はないか
治験期間の費用負担
有害事象(副作用)が起きた場合の補償
兎に角
危機管理を徹底した上で
安全を第一に
患者さんに治験を行います
因みに
市販後も
市販後臨床試験(第Ⅳ相)と称して
副作用のデーター収集が続きます
同じ薬でも
人種・年齢・性別が違えば
効能・効果・副作用等々
違いが出てきます
安全性と有効性を
より確実にするには
それだけの年月がかかるわけです

ワクチンとて
同様
ですが
現実問題として
COVID-19が
世界的規模で
感染拡大なか
待ってもいられない

隣国では
自国で開発したワクチンの治験を
国内のみならず
アフリカや南米の国で行う(行って)いまが
因みに
ペルーでは
早速
治験を取りやめました
日本国内での
COVID-19に対するワクチン接種は
早くても
2021年春以降とか?
副反応が出た場合
製薬会社ではなく
国が補償すると言う話ですし
過剰な不安感を
持つ必要はないのかもしれない
隣国は
他国で行った治験の副反応に対して
どう対応するんでしょう
(関知しない旨誓約書交わして無料配布してたりして?)

ですが
治験もそこそこに
接種を開始するという事は
当然
副反応のデータ蓄積が少ないわけで
因果関係の
立証(認定)が
非常に難しいだろうなぁ~
と思うわけです
全ワクチン接種人数に対して
何%の割合で
副反応が出るのか
誰も予想できません

個人的には
感染しないよう
細心の注意を払いながら
ワクチン接種はせず
動向を
見守りたいと思っています
って
実際
自分のところに
接種の順番回ってくるの
当分先なんだろうなぁ~

中山七里さんは
留置されている月島綾子の元に
意識障害に改善が
見受けられる娘・香苗の
面会シーンを
エピローグとして書かれていましたが
解説を書かれた
三省堂書店の
新井見枝香さんは
事件の十年後を
亜美の唯一の親友
子宮頸がんワクチンを接種し
副反応が出なかった
栗田美鳥の視線で書かれています
香苗さんや
亜美も登場しています
新薬開発には
最低十年はかかると
書きましたが
副反応との戦いも
同じように続きたであろう
十年後の世界
普段
解説読まない方にも
是非読んで頂きたい!

このシリーズは
犬養隼人の相棒
ストーリーごとに替わりますが
今作品で
相棒となった
高千穂明日香は
次回作
『ドクター・デスの遺産』にも
相棒として
登場するようですね

なんか
支離滅裂な
感想になっている…