時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

新・吉原裏同心抄4(吉原裏同心35)~祇園会~

2021-04-07 | 読書
江戸・吉原で評判の
遣り手らが不可解な辞職をし
相次いで姿を消した
異変の臭いを嗅いだ
吉原会所七代目頭取
四郎兵衛ら会所の面々は
その企みの背後を探ろうとする
一方の京では
ひと月の間続く華やかな祭礼
祇園会が始まっていた
祇園囃子の響く中
神守幹次郎は
新たな刺客からの脅迫と攻撃に直面する
大切な町を守るため
総力戦ともいえる戦いが
幕を開ける



今は
吉原遊郭会所八代目になるための
吉原の行く末を鑑みての
神守幹次郎と加門麻の
京都祇園での修行が本筋
メインです
本来なら
祇園でのトラブルにするべき
とは言うものの
今回の『祇園会』で
神守幹次郎は
祇園祭の祭事のひとつである
吉符入から
祇園五人の旦那衆の警護
とは言え
五人が五人てんでバラバラの単独行動
感神院の三基(中御蔵・東御蔵・西御蔵)の警護
神宝『勅板』の護衛
祇園周辺の治安維持etc.
ひとりで
全部出来る訳がない!

案の定
旦那衆の一人
仕出し屋主・中兎瑛太郎は
狙われているの自覚してるのに
独りで動きまわるなと
進言されてたのに
神聖な祇園祭りの最中
妾の所に出向いて殺される有様
しかも
これが
禁裏と薩摩藩・豊後岡藩が徒党を組んで
江戸幕府に対抗云々的な
悪巧みがある風な流れに繋がっているっぽい

あのぉ~
滞在期間一年足らずで
ここまで話を大きくする必要あります?
残る数ヶ月で
事態をどう収集させるおつもりですか?


と思っていたら
江戸の吉原では
徳川十一代将軍家斉の
御側御用取次である
朝比奈義稙が黒幕となって吉原に
ちょっかい出し始め
遂には
吉原遊郭四郎兵衛会所の名主
七代目四郎兵衛が拉致されたあげく
殺害されるという形で
物語から消してしまうとは…
しかも
四郎兵衛殺害の知らせを受けた
神守幹次郎が
数か月の修行を切り上げ
単身 江戸に戻る展開!?


この先
吉原(江戸)と祇園(京都)
同時進行で
状況悪化してくんですか?
21世紀の現代なら
京都から東京まで
2時間ちょいで戻れますよ
でも
時代は江戸時代ですよ?
‘どこでもドア(『ドラエもん』の秘密道具)‘
があるわけじゃなし
京都 - 江戸間
神守幹次郎が強靭だとしても
そう何度も簡単に行き来できる
距離じゃないと思うんですけど?

次回作
神守幹次郎の
影武者登場させますか?
いっそのこと
『新・古着屋総兵衛』の
影旗本・大黒屋一派か
『居眠り磐音』の
坂崎磐音に
ご登場頂きますか?

中途半端
どっちつかず
後味わるっ!

麻は文を披こうともせず
「義兄はうちを残して江戸に帰らはったんや」
と呟いた

        (「終章」340頁2行目以降より抜粋』

麻を伴っての
江戸帰還は時間がかかり過ぎる
冷静になれば
真っ当な判断だけれど
取り残された
加門麻の心情は如何ばかり
二人の信頼関係が
そう簡単に
崩れるとは思いませんが…

佐伯泰英氏は
神守幹次郎と言う
キャラクターが
ひとりの人間だってこと
忘れてませんか?
苗字は‘神守’だけど
神様じゃないんだから!


非情に不愉快です
不愉快極まりない

も~さいあく~