時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

69 sixty nine

2008-11-14 | 映画
1969年
九州の西の端
長崎県佐世保市にある
佐世保北高の3年生・矢崎剣介(愛称・ケン)は
教師に目を付けられている問題児



県下随一の進学校で
教師たちの締め付けに常に
反抗的態度をみせているからだ

今日も掃除をサボり
校舎の屋上で仲間の山田正(アダマ)
岩瀬学(イワセ)と校庭で
マスゲームの練習をしている女子生徒たちを眺めていた



「17歳の少女の体は地味な体操着で行進させられるもんじゃなか
よし 彼女たちを開放しよう」

口が達者で
行動力が伴わないケンのいつもの戯言と思いきや
本気の様子
長崎の高校生で初めて
ロックコンサートと映画と演劇の大イベント
‘フェスティバル’をやろうというのだ



アマダたちは
ケンの思いつきにまんまと乗せられた

これにはケンに不純な魂胆があった
「人生は楽しくなければならない」
がモットーの彼は
北高一の美少女・松井和子(レディジェーン)を映画に出演させ
ちゃっかり恋のアプローチをしようという思惑が…



ところが
8ミリカメラを調達しようと
北高全共闘のアジトに行くと

長崎大学の先輩から映画のテーマを聞かれ
ケンが思いつくままに軟弱な内容を口ばしると
カメラの貸し出しを拒否されてしまった

そのとき
ケンの頭の中に勝手に
レディジェーンの声が鳴り響いた



『ウチ デモやらバリケードやらする男 好いとるもん』

悪ノリのケンが叫んだ
「学校の屋上をバリケード封鎖する」
ひょんなことからバリ封決行

ケンたちは
「跋折羅(バサラ)団」
(梵語でエロティックな怒りの神々の意味)を結成



1学期終業式の前夜
北高に忍び込んだ

闘争的目的とは何ら関係なく
女子更衣室の「検索」も敢行

椅子や机で屋上の入口を封鎖し
校舎の至る所をペンキで落書き
ケンたちの「闘争」は
計画通り順調に進んだが
後輩の中村が
校長室の前で突然腹痛に…



「穴からピュピュって顔の出よっとです」
笑いをこらえながら
ケンが校長の机を指差した

「あそこ(校長の机)でウンコしてこい」
中村の真っ白い尻が
机の上に悲鳴とともに浮かび上がった

「あひぃ~~~」
ケンたちはやり遂げた
校舎に掛かる垂れ幕を見上げた
そこには
‘想像力が権力を奪う’の文字
一同は抱き合って喜んだ



翌日の北高は大騒ぎ
ケンたちの仕業だと疑う者もいたが証拠がない
ニンマリのケン

ところが
ドジなイワセの行動で
警察に犯行がバレてしまった

ケンたちは全員
無期停学の謹慎処分



それでも懲りないのがヤンチャな面々
「楽しく生きたモンの勝ちや
退屈な奴らにおれたちの笑い声を聞かせてやるぞ!」

ケンたちは
次の目的
‘フェスティバル’開催に向かって突っ走る?

                         「CINEMA TOPICS ONLINE」より引用



本当に
しょ~もない男の子くん達が登場します

お馬鹿なボーイズ集団なんです

現代を生きる子供達には
決して味わえない青春の一コマが
ここにはありました



1969年だからこそ許される
ユーモアであり
破天荒なイタズラなんだろうと思う

周囲の大人や教師も
イタズラを
イタズラとして許してくれる心の余裕が
辛うじて残っている時代



学校に呼び出される前夜
「ケン坊 卑屈になるなよ!校長先生に何ぼ言われても
 下向いたり目を逸らしたりするな
 別に威張ることはなかばってん 信じてしたことやけん
 堂々と処分受けてこい」
「…うん…」
「革命が起きれば お前たちは英雄かもしれん 
吊るし首になるとは校長の方かもしれん そう言う事さ」
「殴らるっと思った」
「自分の子供は可愛いかけん 殴りきらんもん」
「…」
「泣くなばか~」

こんな会話が
柴田恭平氏演じる父親と
妻夫木聡さん演じるケンとの間で繰り広ろげられます

いいっすね~
今どき絶対いない気がする



反骨精神とまではいかないけれど
教師に面と向かって歯向かったり
仲間と馬鹿を貫き通す彼らは
とても生き生きしていました

健全な性欲?とうぶな男心も
ちらほら垣間見させて頂きやした(笑)



あの落ちには
驚きましたが
なかなか笑かして貰いました

わたくし的には‘あり’です



小栗旬さんが25歳にして
学生服を身にまとい
高校生キャラを演じておりまるが
キッズ・リターンでデビューされた安藤政信さんは
27歳にして高校生を演じておりました



違和感ないところがお見事
年齢不詳の俳優でございます

無口で喜怒哀楽の
‘喜楽’キャラが少ない安藤政信さんですが
今回は違います!



安藤政信さんの仕事に対するスタンス
結構好きだったりするσ(^^;)

映画メインに仕事をするのは
現実的には大変だと思うのですが
その姿勢には憧れます



片や
妻夫木聡さん
映画・ドラマ・舞台と
コンスタントにお仕事をしておられる
初舞台が野田秀樹氏演出の「キル」

二代目テムジンは
なかなか好評だったそうです

来年は
NHK大河ドラマ「天地人」で
主役の直江兼続を演じられとか?

絶好調のようで…



仕事選びは
対称的なお二人ではありますが
それぞれに
魅力ある役者さんです
これからも楽しませて下さい




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