時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙17 ~紅椿ノ谷~46

2010-03-30 | 読書
花菊香り
江戸が秋の風情をただよわす頃
深川六間掘
金兵衛長屋に住む浪人・坂崎磐音は
日々の生計に追われていた
そんな磐音が
両替商・今津屋吉右衛門と
お佐紀の祝言に際し
花嫁行列の案内役を務めるのだが…



これは
嬉し泣きを表現しています

冒頭
今津屋吉右衛門と
小清水屋右七の次女である
お佐紀の婚礼の日の一日が語られます
祝言のどさくさに紛れ
三河万歳として乗り込み
手引きしようとする輩が登場したり
神田三崎町
神保小路・直心影流
佐々木道場の道場増改築費用に纏わる
トラブルが発生致します

ですが
ですが何と申しましても
メインは
坂崎磐音とおこんさんの
三国峠下・法師の湯へ向う道中
そして湯治の日々でしょう
長年
今津屋の奥を取り仕切ってきたおこんさんが
お佐紀さんの登場で
精神のバランスを崩します
お佐紀さんとおこんさんの仲がどうこうではなく
奥向きの仕事が
お佐紀さんに引き継がれる中
仕事に対する虚脱感と申しますか
自分の存在意義や
今津屋でのポジションに変化が生じ
おこんさん自身も気が付かない
心の隙間が出来てしまったんです

その心の不安を
いち早く察した磐音が
中川淳庵や桂川国端に相談
湯治場での療養を勧められます
吉右衛門・お佐紀・由蔵・金兵衛等々
多くの人たちが心配する中
始めは
湯治に難色を示したいたおこんさんも
周囲の温かい心遣い
何よりも

自分には
おこんさんしかいない!
掛替えのないおこんさんを病などで失いたくない

と云う
磐音の切実な願いを受け入れ
共に江戸を旅立ちます

旅を続けていく中
互いの存在の大きさを実感し
想いが近づき
共に夫婦となることを確信する

薄化粧に唇に紅をさし
白縮緬を着たおこんさんが
有明行灯の明かりの中
夜具の上に端座し
自ら夫婦になりたいと打ち明ける…

はしたないおこんは嫌いですか

そのようなことがあるものか!

磐音は
白無垢姿のおこんをひしと抱きしめた…


も~
長かったよ~ここまで来るの…

祝言はまだ挙げてませんけど
文句を言う野暮な輩はおりませぬ!

ですが…
佐々木道場増築に纏わり
100%逆恨みなんですけど
磐音とおこんさんの婚前旅行
いえ
湯治旅行に水をさす
愚か者の影が…

もう少し
二人のほのぼのシーン
多くして欲しかった気もする
佐伯泰英氏は
男と女の吉備みたいなもん描くの不得手?
でもいい!
あっしは嬉しかったぞ!

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