時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

ストロベリーナイト 2

2013-01-31 | 映画
大和会系 石堂組傘下
仁勇会の下部組織
六龍会の構成因
小林充が殺害される事件が発生する

捜査一課は
この事件を成績不振の事情から
組織犯罪対策第四課(組対四課)と合同で
捜査することになった



そんな中
第十係主任姫川玲子は
捜査本部にかかってきた電話を取った

コバヤシミツルヲコロシタノハ
ヤナギイケント




9年前
柳井健斗の姉千恵が
自宅のアパートで殺害された
当時
父親である柳井篤司が
重要参考人として何度も聴取され
マスコミにも追い詰められた末
警官から拳銃を奪い
健斗の目の前で自殺…



実は
姉千恵は
小林に殺害されたのではないか?
そして
健斗が復讐のため小林を殺害したのでは?

菊田の情報によれば
当時
父親である柳井篤司のアリバイが
実はハッキリしていたにも関わらず
伏せられていたと…



その事実が明らかになれば
姉の事件で
柳井の父を容疑者として追及し
自殺に追いやった
警察の不祥事が明るみになることとなる

この事実を突き止めた姫川は
捜査を進めようとするが
捜査一課十係長・今泉春男警部と
捜査一課管理官・橋爪俊介警視から
「柳井健斗」の名前が出ても
一切追求するなという命令が下される



一方
極清会の会長・牧田勲も
柳井の事を探していた
彼は
自らの組を傘下に収める大和会系石堂組の中で
石堂組若頭・藤元英也の造反とも取れる行為による
内部瓦解を食い止めるため
柳井が持っているという情報を欲していた



そして
「柳井健斗」の存在を軸に
姫川と牧田は邂逅
2人は
互いに惹かれあっていくが
やがて
その禁断の恋は
事件を
衝撃の結末へと導いていく



巷では
牧田派?それとも菊田派
と言う論争が
勃発しているとか

姫川玲子と同じ
心に深い闇と憎しみを抱いた
極清会会長
石堂組若頭補佐極道
牧田勲役を演じているのは
大沢たかお

主人公・姫川玲子から
絶対的信頼を寄せられると同時に
姫川に絶対的信頼を寄せている
巡査部長菊田和男を演じているのは
西島秀俊

ひぇ~
選べませんがな…




陽と陰
光と影
対極にある二人の男が
姫川玲子演ずる竹内結子にぞっこん
ちゃう
竹内結子演ずる姫川玲子にぞっこん

世間の‘おなご’の
冷たい視線
嫉妬に燃える視線が
竹内結子さんに注がれます
いえ
姫川玲子に注がれます



今の電話誰からだと思います?
姫川主任からですよ



ほ~
男の顔になってきましたね

姫川主任を巻き込むな

でも
姫川玲子は
あんたには無理だ
彼女は血を流して生きてきた
たとえ
彼女の闇を知ったとしても
あんたに
理解することは出来ない


原作にないけれど
このシーン
悪くはない



ですが

原作の
第四章331頁以降の展開

…いろいろ、考えました
実際、過去についても、調べさせてもらいました

軽蔑しましたか

何がですか

二人殺していることです

いえ…むしろ、納得しました

何をですか

あなたの抱く…殺意の、種類についてです


以下の展開を
原作のまま
映像化して欲しかった…



折りに触れ
回想シーンとして登場してきた
玲子さんが仰向けになって
赤い月を見つめるしーんですが
今回
赤い月ではなく
雨が降りそそぐシーンになりました

あれは
前後のシーンからして
玲子さんが
或る意味
清められたってことを
表現したかったのか

或いは
それでも
降りしきる雨は
決して過去を洗い流してはくれない
と言う
意味なのか…

どっちだぁ~




そあと
その後の追加シーン

牧田と姫川の乗ったミニバンを
菊田が尾行する場面
以下諸々を
尾行していた菊田が
じっと伺っていたと言うのは
最悪でしょ~
趣味ワル

警察社会の
人間模様を追求する硬派路線が
一気に
恋愛路線?
しかも
えげつない

世界観台無し



終章432頁以下
牧田と姫川の交わすやり取りも
445頁以下警視庁本部庁舎六階会議室での
捜査一課課長 和田徹警視正と
朝陽新聞の曽根記者とのやり取りも
絶対
削るべきじゃなかったし

和田警視正の
新しい一課を作れ
姫川主任…君が、作るんだ
君たち一人ひとりが、作るんだ




これを
省いちゃいかんよ…

ついでに
言わせて頂ければ
映画の姫川と菊田のラストシーン
あれも
最悪じゃ~ないですか

あれじゃ~
姫川と牧田の関係を知った菊田が
身を引いた感じに
取れてしまいます



菊田が
真実を知らないまでも
牧田が言った通り
姫川が自ら血を流した
誰にも言えない闇の部分を
理解できない!
姫川玲子を
女として受け止められないと
認めてしまったように
取れるのでありますよ…

特に
映画では
姫川主任と牧田の
一線を越えた関係であることを
菊田自身知っている訳ですし…

菊田が
あ~もさっぱりとした表情で
快晴の青空の下
晴れ晴れと
姫川主任と別れてしまうのは

いかんです

菊田和男ぉ~
そこで
妙に吹っ切れた表情すな!

完全に
決別した感じじゃないですか


馬鹿者~ 愚か者~~

個人的には
映画「ストロベりーナイト」の菊田和男
希望がない
未来がない
救いがない
と実感致しております

原作の良さは勿論ですが
ドラマ化及び映画化にさいしての
キャスティング

日下守役:遠藤憲一
橋爪俊介役:渡辺いっけい
今泉春男役:高嶋政宏
井岡博満役:生瀬勝久
勝俣健作役:武田鉄矢
和田徹役:三浦友和

これが
お見事と言うほかございません
特に
遠藤憲一氏と武田鉄矢氏の
ハマり具合は
半端ないです

ですが
結論から申し上げて
原作の方が‘上手’
と言うのは
語るまでもございません




しかし
牧田さん?
あんな形で
唐突に姿消したら
玲子さんにとって
生涯
忘れられない存在に
なってしまったじゃないですか!

ど~してくれるんです!
玲子さんが
ますます
恋愛モードから
縁遠くなっちゃいました


原作のタイトル
「インビジブルレイン」とは
直訳すると
目に見えない雨になるそうです

如何に
清々しい青空のしたでも
それぞれの心には
見えない雨が…

何だか
スッキリしない
終わり方でした




         

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