庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

自然の容貌

2007-06-22 12:01:59 | 言葉
The stars awaken a certain reverence, because though always present, they are inaccessible; but all natural objects make a kindred impression, when the mind is open to their influence. Nature never wears a mean appearance.
Neither does the wisest man extort her secret, and lose his curiosity by finding out all her perfection. Nature never became a toy to a wise spirit. The flowers, the animals, the mountains, reflected the wisdom of his best hour, as much as they had delighted the simplicity of his childhood.
- Ralph Waldo Emerson

星々はある種の畏敬の念を呼び起こす。常に目に見えるところにありながら手が届かないからだ。しかし、心を開いてみれば、自然万物はみな同様の印象を与える。自然は決して卑劣な容貌を現さないものだ。
賢い人が自然の秘密を聞き出し、その完全性を全て発見したとしても、それで彼が好奇心を失うことはない。自然が賢人の単なる玩具(おもちゃ)になることはないのだ。花々や動物たちや山々は、子供の頃の素朴な心を喜ばしたと同様、賢人の最も分別ある年代の智恵を映し出してきた。
- R・W・エマソン


小学3・4年の頃だったろう。自宅の裏に別居していた“おタメ婆さん”の前庭を耕して、小さなお花畑を作ったことがある。デージーやグラジオラスの名前を覚えたのもこのころだ。大小色とりどりの花々に囲まれた時の、あの溢れるような幸せを忘れることはない。今はガレージ周辺をジャングルにしようとしている時計草にはまっている。

断崖でさえ

2007-06-20 12:17:12 | 言葉
For happiness one needs security, but joy can spring like a flower even from the cliffs of despair.
- Anne Morrow Lindbergh

幸福には安全が必要だ。しかし、絶望の断崖でさえ、喜びは花のように湧き出してくる。
- アン・モロー・リンドバーグ


彼女は夫のC・リンドバーグよりも20年以上長く、2001年、95歳まで生きた。その生涯が平穏無事だったわけではない。夫と同様、生来内向的で海辺の静けさを愛した彼女が、その名声に付随して体験することになる地上の苦悩と天空の危険は、彼女を何度か“絶望の断崖”に立たせたことだろう。それでも“喜びは花のように”数限りなく涌出して彼女の生命を満たし、その天寿ともいえる一生を全うさせたのである。

善き憤り

2007-06-19 12:41:49 | 言葉
A good indignation brings out all one's powers.
- Ralph Waldo Emerson

善き憤(いきどお)りは人の力を全て引き出す。
- R・W・エマソン


一般的な怒り“anger”に対して、特に不当なものに対する(つまり正当な)怒りとして、この言葉“indignation”を使ったりする。とりあえず、憤(いきどお)りと訳した。

あのエマソンでさえこういうことを言っているのだから、未だに気の短い凡愚の私などが、時々、世事諸々の不条理に触れて憤ることがあっても、ある程度は仕方なしとせねばなるまい。

ただ、たとえそれが“善き憤り”であっても、彼の言うように“人の力の全てを引き出す”、つまり自己の持てる能力が発現されるだけでなく、貴重な生命エネルギーを膨大に消耗してしまうことがあるから、充分に注意する必要がある。もっとも、彼がこんなことを分かっていないはずはないので、この“善き”は“善く”と取って、“無理のない適切な”憤り方を示唆していると理解すべきだろう。

自然の力用

2007-06-18 14:54:30 | 言葉
Climb the mountains and get their good tidings. Nature's peace will flow into you as sunshine flows into trees. The winds will blow their own freshness into you, and the storms their energy, while cares will drop off like autumn leaves."
-John Muir (1838-1914)

山に登り、その善き便りを得よ。大自然の平穏は日の光が森に流れ込むように、あなたの中に流れ込んでくるだろう。風はすがすがしさを、嵐はエネルギーを心身に吹き込み、心配事は秋の葉のように落ちてなくなるだろう。
- ジョン・ミューア


山だけでなく海や街の中でも、さまざまな表情を持つ大小の風に吹かれると、体中がリフレッシュされた気がする。心配事を払拭するには、それを上回る強さの風に身を任せればよい。風は常に動き、循環し、更新している。大宇宙・大自然の背景から生まれ出た人間という偉大な生命体が、不自然に作り出された瑣末な人間社会の心配事に、いつまでも囚われ悩まされる必然性も必要性もあるわけがない。

孤独

2007-06-17 10:40:12 | 言葉
I love to be alone. I never found the companion that was so companionable as solitude.
-Henry David Thoreau
 
私は一人でいることが好きだ。孤独ほど親しみやすい仲間に会ったことはない。
- H・D・ソロー


彼のいう孤独は、もちろん寂しく孤立した孤独ではない。ウォールデンの森に一人で住んでいた時、彼の世界は、太陽や雲や雨や風などはもちろん、大自然が生み出し育む無数の動植物との交流で溢れていた。

愛国心

2007-06-15 10:39:25 | 言葉
Heroism on command, senseless violence, and all the loathsome nonsense that goes by the name of patriotism - how passionately I hate them!
-Albert Einstein
 
命ぜられた英雄精神、無分別な暴力、そして愛国心という名の下に横行する忌まわしい愚行・・・私はそれらをどんなに激しく嫌悪しているだろう!
-アルバート・アインシュタイン


国民として自分の国を愛するのは当然だ・・・と言う人がいる。ではなぜ、人間として自分の世界を愛するのは当然だ・・・と言えないのか。人は国民である前に人間であり、国家は世界の中にあるのである。

真実と非暴力

2007-06-14 12:31:17 | 言葉
My religion is based on truth and non-violence. Truth is my God. Non-violence is the means of realising Him.
- Mohandas Gandhi

私の宗教は真実と非暴力に基づいている。真実は私の神である。非暴力はそれを実現する手段である。
- マハトマ・ガンジー


暴力に暴力で対抗することなど簡単なことだ。暴力に非暴力で対抗するのには勇気を必要とする。国家が臆病なら国民が勇気を持つしかないだろう。

不作為の作為

2007-06-14 12:23:40 | 言葉
Non-cooperation with evil is as much a duty as is cooperation with good.
- Mohandas Gandhi

悪に加担しないことは、善に加担すると同様の義務である。
- マハトマ・ガンジー


ある集団の中にあって、その流れに乗らず自己を保持するのは、激流に耐える巌(いわお)のような強さを必要とする。

理解の敵

2007-06-14 10:28:21 | 言葉
Anger and intolerance are the enemies of correct understanding.
- Mohandas Gandhi

怒りと不寛容は正しき理解の敵である。
- マハトマ・ガンジー


アインシュタインは「怒りは愚か者たちの胸にのみ住む」 Anger dwells only in the bosom of fools. と言っている。

一人でも

2007-06-14 10:26:29 | 言葉
Even if you are a minority of one, the truth is the truth.
- Mohandas Gandhi

たとえ一人の少数派であったとしても、真実は真実である。
- マハトマ・ガンジー


真実は一人の人間にとっては最も身近なところにあるが、多くの人間が集まると遠いところに引き下がることが多いように思われる。