庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

読むことと書くこと

2005-10-31 08:46:34 | 拾い読み
「読み始めると書けなくなる。書き始めると読めなくなる。」と言ったのは、たしか加藤周一だった。確かに人が同時に2つのことをするのは容易ではないし、何を読み何を書くかにもよるのだが、ともかく最近の私は読むことに忙しくて書くことが容易ではない。

読むといっても、私の読書は本をパラパラとめくって必要な部分を集中的に読む“拾い読み”がほとんどだ。しかし、ものによっては、拾うつもりが逆にその内容に私が拾われて、興味が興味を呼び、ほとんど際限のない読書の旅になってしまうこともある。


自然作家の高田宏については、先月末にこのブログにも少し書いた。その無理のない“自然な”日本語に魅かれて、行きつけの図書館で彼の著作を5冊ほど借りてきて読んだら、どうしても島崎藤村の『夜明け前』を通読したくなり、ソローの『森の生活』を精読したくなり、エマソンの『自然』を熟読したくなる。

ともあれ、エマソンの『自然』は珠玉の宝庫だ。

「太陽は大人の目には光をあてるだけだが、子供の目と心の中には輝きをもたらす」
The sun illuminates only the eye of the man, but shines into the eye and the heart of the child. 

「森の中には永遠の若さがある」
In the woods, is perpetual youth. 

「森の中で我々は理性と信仰に立ち返る」
In the woods, we return to reason and faith. 

「私は透明の眼球となる。私は無であり、一切を見る。普遍的な存在の流れが私の中を循環する。私は神の一部分、あるいは一微塵である。」
I become a transparent eye-ball; I am nothing; I see all; the currents of the Universal Being circulate through me; I am part or particle of God.

こんなきらめく言葉であふれた短い論文は、もともと匿名で出版されたものだが、やがてソローをはじめ多くの人々の心を引き付け、その後に続くアメリカ・ルネサンスの原点となった。

これを今、原文に昭和8年の片上伸訳と35年の斉藤光訳と平成10年の澤西康史の部分訳を引き当てて相対し、更にAudibleの朗読を自転車こぎながら聞いたりしているのだが、さて、単なる自然好きでいい加減な人間が、峻厳な偉人エマソンの自然にどこまで近づけるか・・・ともかくじっくり楽しみながら取り組みたい。

アインシュタイン

2005-10-12 08:59:01 | 自然
私は、誰にとっても簡素で控えめな生活の仕方が最良だと信じている。体にも心にも最良だ。
<Aルバート・アインシュタイン

I believe that a simple and unassuming manner of life is best for everyone, best both for the body and the mind.
-Albert Einstein


“簡素で控えめな生活”・・・派手で豪華な生活の仕方を披露するのに忙しい人たち、それを得るために狂奔している人たち、それを得させるために喧騒を演じている人たちには、この言葉は聞こえないかもしれない。

「驚異に触れて立ち止まり、畏敬に満たされて立つことができなくなった人は、死んでいるも同然だ。その人の目は閉じられている。」
He who can no longer pause to wonder and stand rapt in awe, is as good as dead; his eyes are closed.


「私は単なる平和主義者ではなく、戦闘的な平和主義者である」・・・アインシュタインは控えめな紳士であったが、決して権力に従順なおとなしい博士ではなかった。
I am not only a pacifist but a militant pacifist.

「もし人が善いことをするのは、単に罰を恐れ、報酬を望むためだけであるなら、私たちは実に全く悲しいものではないか。」
If people are good only because they fear punishment, and hope for reward, then we are a sorry lot indeed.

「偉大な魂は、常に平凡な心を持つ人々からの激烈な反対に遭遇してきた。」
Great spirits have always encountered violent opposition from mediocre minds.

G・W・カーバー

2005-10-07 09:02:25 | 自然
私は好んで自然を何も制限のない放送局だと考える。それに周波数を合わせるだけで、神は毎時私たちに語りかける。
=@ジョージ・ワシントン・カーバー (January 1, 1860 - January 5, 1943)

I love to think of nature as an unlimited broadcasting station, through which God speaks to us every hour, if we will only tune in.
-George Washington Carver

 

「教育は自由への黄金のドアを開くカギである。」
Education is the key to unlock the golden door of freedom.

「何かへの恐れは他者への憎悪に基づいている。そして内なる憎悪は最終的に憎悪する人自身を破壊するであろう。」
Fear of something is at the root of hate for others, and hate within will eventually destroy the hater.

ガリレオ・ガリレイ

2005-10-03 09:06:17 | 自然
太陽は、その周りを回る全ての惑星の因(よすが)となりながら、それでもなお、この大宇宙の中で他に何もすることがないかのように、ひと房のブドウを熟させる。
<Kリレオ・ガリレイ 

The sun, with all those planets revolving around it and dependent on it, can still ripen a bunch of grapes as if it had nothing else in the universe to do.
-Galileo Galilei (Born: 15 Feb 1564 in Pisa 、Died: 8 Jan 1642 in Arcetri near Florence)


「人は人に何もを教えることはできない。ただその人自身の中に在るもの見つけ出すのを助けることができるのみである。」
You cannot teach a man anything; you can only help him discover it in himself.

ガリレオが出てきたら、イタリア・ルネサンスの終焉を象徴すると言われる桀人“ジョルダーノ・ブルーノ”にも触れたくなるが、別の機会にする。

ジョルダーノ・ブルーノ