「クラウス博士 UNESCOでのスピーチ」
皆さん、こんにちは。創立25周年、誠におめでとうございます。
ユネスコ憲章・序文に「戦争は人間の心の中で起こるものだから、平和の砦も人間の心の中に築かなければならない」とあります。ユネスコはこの目標に向かってたゆみなく歩んできました。
しかしながら、私たちは確かな平和からはまだ遠いところにいます。アンドリュー・マーチンは1952年のユネスコ出版物で「5年経った現在でも、国連の警察機能の解除に対する準備は絶望的に不十分です・・・国連憲章が完全に実行されれば、安全保障理事会はその決定したことを強制するのに必要な物理的な力を備えることになるでしょう・・・大きな問題は国際連合を構成する国々が“主権を委任することをためらっている”ことにあります」と述べています。
更に今日(こんにち)でさえ、国際連合の集団安全保障には強制力がありません。それに替わって、大国やイラク戦争での“有志連合”各国”が独自の判断で、平和を確保すると同時にそれぞれの国家的利益に奉仕しようとしています。
現在のアメリカは、かつて世界の警察であろうとしたプロイセンのように見えます。しかし、プロイセンと違うのは、アメリカは集団安全保障を、働かせ操作できるものとすることに多大な関心を持っているということです。ヨーロッパの国々はそうはいきません。ヨーロッパ各国はアメリカにはできないことができる、つまり、軍事的方法を捨てて、主権を国際連合の安全保障理事会に委任し、その集団安全保障システムを機能させるということです。実際にそうなって、各国が通常兵器においても核兵器においても軍備撤廃を始めれば、国連憲章106条の下にあるアメリカや他の常任理事国は、その“過渡的期間”が“安全の空白期間”にはならないと思わなければならなくなるでしょう。ネーション・ステイツ(民族国家)が軍備を完全放棄することができないのは明白ですが、そうすることで、憲章106条の下にある大国が互いに力の均衡を保ちながら、その他多くの国々を平和的に軍備放棄に向かわせることになるのです。
ドイツ憲法とその歴史が、私たちドイツ人に、今日我々が置かれた宿命的なコースを変革し得る鍵を与えてくれているということを、私は喜びを持って表明したいと思います。ドイツは間もなく行動を起こすでしょう。ともかく、私たちは皆“悪の枢軸”の一部ではないし、愚か者でもありません。ドイツは、民主的集合体であり法の支配に基づいた合法的かつ強力な代表より成る国際司法裁判所と連携しながら、国際連合が効果的に機能するプロセスを開始する引き金役になることができます。
国際連合を、より民主的により効果的なものにするという目的達成のために、ユネスコが負った役割は極めて重要なものであります。次の25年の活動が実り多きものになることを祈っております。
ご清聴、ありがとうございました。
"I appreciate your carefully listening to my humble speech. Thank you." ...this is just my humble addition.
皆さん、こんにちは。創立25周年、誠におめでとうございます。
ユネスコ憲章・序文に「戦争は人間の心の中で起こるものだから、平和の砦も人間の心の中に築かなければならない」とあります。ユネスコはこの目標に向かってたゆみなく歩んできました。
しかしながら、私たちは確かな平和からはまだ遠いところにいます。アンドリュー・マーチンは1952年のユネスコ出版物で「5年経った現在でも、国連の警察機能の解除に対する準備は絶望的に不十分です・・・国連憲章が完全に実行されれば、安全保障理事会はその決定したことを強制するのに必要な物理的な力を備えることになるでしょう・・・大きな問題は国際連合を構成する国々が“主権を委任することをためらっている”ことにあります」と述べています。
更に今日(こんにち)でさえ、国際連合の集団安全保障には強制力がありません。それに替わって、大国やイラク戦争での“有志連合”各国”が独自の判断で、平和を確保すると同時にそれぞれの国家的利益に奉仕しようとしています。
現在のアメリカは、かつて世界の警察であろうとしたプロイセンのように見えます。しかし、プロイセンと違うのは、アメリカは集団安全保障を、働かせ操作できるものとすることに多大な関心を持っているということです。ヨーロッパの国々はそうはいきません。ヨーロッパ各国はアメリカにはできないことができる、つまり、軍事的方法を捨てて、主権を国際連合の安全保障理事会に委任し、その集団安全保障システムを機能させるということです。実際にそうなって、各国が通常兵器においても核兵器においても軍備撤廃を始めれば、国連憲章106条の下にあるアメリカや他の常任理事国は、その“過渡的期間”が“安全の空白期間”にはならないと思わなければならなくなるでしょう。ネーション・ステイツ(民族国家)が軍備を完全放棄することができないのは明白ですが、そうすることで、憲章106条の下にある大国が互いに力の均衡を保ちながら、その他多くの国々を平和的に軍備放棄に向かわせることになるのです。
ドイツ憲法とその歴史が、私たちドイツ人に、今日我々が置かれた宿命的なコースを変革し得る鍵を与えてくれているということを、私は喜びを持って表明したいと思います。ドイツは間もなく行動を起こすでしょう。ともかく、私たちは皆“悪の枢軸”の一部ではないし、愚か者でもありません。ドイツは、民主的集合体であり法の支配に基づいた合法的かつ強力な代表より成る国際司法裁判所と連携しながら、国際連合が効果的に機能するプロセスを開始する引き金役になることができます。
国際連合を、より民主的により効果的なものにするという目的達成のために、ユネスコが負った役割は極めて重要なものであります。次の25年の活動が実り多きものになることを祈っております。
ご清聴、ありがとうございました。
"I appreciate your carefully listening to my humble speech. Thank you." ...this is just my humble addition.