庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

カエル

2023-05-29 11:37:16 | 和歌の類

蒸し暑い 今年(こぞ)一番に 蛙鳴く

今日は西日本各地で梅雨入りしたらしい。降ったり曇ったり晴れたりの蒸し暑い季節になる。これもまた面白い。

前の家も今の家も、住み始めた頃は周囲が田んぼで、田植え前の水田では無数のカエルが鳴き始める。最初の数週間はノイローゼになりそうなほど気になったが、そのうち慣れてなんとも思わなくなり、更にそのうち心地よくなった。現在の自宅も、周囲の田んぼがいつの間にか、全て宅地に変わり、カエルの音を聞くのも稀になった。いくらか寂しいがする。

自然世界はめったに急がないものだが、近代以降の人間世界はいろいろと急ぎに急いでここまでやってきて、ようやく「何のために?」の問いに、否応なく向き合っているような気がする。