いろいろと忙しい旅もあと数日。先だって遠くにカイトを見かけた愛知県長良川。往路、車中泊した河川敷(河口から10キロほど上流)に行ってみると、やはり今日も来ていた。
なんとオゾンのモノバテン12平米とモーゼスのフォイルが置いてある。しかし、川幅は思ったより狭く、これは私のじゃ出れそうもないわ…と道具の近くで周囲を観察していたら、持ち主(Yさん)が警官2人と現れた。
警官の一人が、「あなたもお仲間ですか?」と聞く。「初対面ですが、まあ同類です」と答えると、「ちょっと運転免許証を見せてください」と言うので、取り敢えず四人で私の車まで移動した。「この河川敷は乗り入れるだけで違法です」などということや、Yさんのクラブは国土交通省から「期限付き許可証」を得ている・・などという事情を途中で聞きながら、私はすぐにコトの次第の察しがついた。
「まあ見せてもいいが、個人情報だからね。まずあなたの所属と名前を聞かせてください」とメモを取りながら、20代中頃の警官に向かって話すと、若干ムッとした表情で「T警察の地域課のNです」と答えた。「愛媛ではこんな事はまずないがなぁ」言うと、N君が「あっちとこっちは違いますから」と、およそ予想通りの答えが返ってきた。「君、一級河川の管理はどこがやってるの?」とツッコミを入れたくなったけれども、私は今回この方達の教育をするために来ているわけではない。
免許証を入れたケースを左手に持ったまま「よくちゃんと所属氏名が言えたねぇ」と褒めてあげた。彼はどうしていいか分からなくなったらしい。「ともかく暑い中、ご苦労さんだね」「いえいえ仕事ですから」・・・可愛い青年ではないか。若手警官はこれぐらい元気なほうがいい。だんだん場の空気が変わっていくのが手に取るように分かる。
「さて、免許証どうしようか?」「もう結構です」「まぁ、ちょっと見せてあげるよ」ケースに入れたまま、水戸黄門で印籠を出すように、彼の目の前に出した。彼はチラリとだけそれを見て「ああ、確かに愛媛県ですね」と一言。私は思わず笑い出しそうになった。
このやりとりを見ていた三十代中頃の先輩警官は途中で離れて、何やら電話し始めた。このなんだか変な旅人にどう対応していいものか、と上司に相談しているわけだ。 しばらくして戻って言うには、「近頃、この辺にゴミを捨てる人が多くて、国交省の出張所が対応しきれなくなり、警察署に仕事を振ってきた。釣り糸が散乱していたり、バーベキューの後始末ができていなかったりで大変なんです・・・」ということだった。そりゃそうだ。河川管理に警察官が登場するなんて普通はおかしいだろう。「カイトでそんなことする人はいないよ。ほんとご苦労さま。車は一応移動しておくから」「はい、分かってます」…以上で終わり…と思っていたら15分ぐらいして、さっきの先輩警官がニコニコしながら再びやってきた。
「今度はどうしたの?」「このクラブのメンバーということで、ご自由にカイトを楽しまれてください!」…それだけ言うために…なんて律儀な警察官だ。どんな世界にもバカはいるものだが、我々国民の生命・安全と財産は、こういう真面目な方々によっても守られていることを、たまには思い出して良い。
「本当にありがとう!松山に来る機会があったら、道後温泉にでも入ったらいいよ」「ありがとうございます!」 私たちは握手をして別れた。この後のSFのY さんとの楽しくも濃密なお話しは(その2に)つづく。
・海抜0メートルのこの辺は、汽水域で潮の干満により川幅が大きく変わるということが後でわかった。
なんとオゾンのモノバテン12平米とモーゼスのフォイルが置いてある。しかし、川幅は思ったより狭く、これは私のじゃ出れそうもないわ…と道具の近くで周囲を観察していたら、持ち主(Yさん)が警官2人と現れた。
警官の一人が、「あなたもお仲間ですか?」と聞く。「初対面ですが、まあ同類です」と答えると、「ちょっと運転免許証を見せてください」と言うので、取り敢えず四人で私の車まで移動した。「この河川敷は乗り入れるだけで違法です」などということや、Yさんのクラブは国土交通省から「期限付き許可証」を得ている・・などという事情を途中で聞きながら、私はすぐにコトの次第の察しがついた。
「まあ見せてもいいが、個人情報だからね。まずあなたの所属と名前を聞かせてください」とメモを取りながら、20代中頃の警官に向かって話すと、若干ムッとした表情で「T警察の地域課のNです」と答えた。「愛媛ではこんな事はまずないがなぁ」言うと、N君が「あっちとこっちは違いますから」と、およそ予想通りの答えが返ってきた。「君、一級河川の管理はどこがやってるの?」とツッコミを入れたくなったけれども、私は今回この方達の教育をするために来ているわけではない。
免許証を入れたケースを左手に持ったまま「よくちゃんと所属氏名が言えたねぇ」と褒めてあげた。彼はどうしていいか分からなくなったらしい。「ともかく暑い中、ご苦労さんだね」「いえいえ仕事ですから」・・・可愛い青年ではないか。若手警官はこれぐらい元気なほうがいい。だんだん場の空気が変わっていくのが手に取るように分かる。
「さて、免許証どうしようか?」「もう結構です」「まぁ、ちょっと見せてあげるよ」ケースに入れたまま、水戸黄門で印籠を出すように、彼の目の前に出した。彼はチラリとだけそれを見て「ああ、確かに愛媛県ですね」と一言。私は思わず笑い出しそうになった。
このやりとりを見ていた三十代中頃の先輩警官は途中で離れて、何やら電話し始めた。このなんだか変な旅人にどう対応していいものか、と上司に相談しているわけだ。 しばらくして戻って言うには、「近頃、この辺にゴミを捨てる人が多くて、国交省の出張所が対応しきれなくなり、警察署に仕事を振ってきた。釣り糸が散乱していたり、バーベキューの後始末ができていなかったりで大変なんです・・・」ということだった。そりゃそうだ。河川管理に警察官が登場するなんて普通はおかしいだろう。「カイトでそんなことする人はいないよ。ほんとご苦労さま。車は一応移動しておくから」「はい、分かってます」…以上で終わり…と思っていたら15分ぐらいして、さっきの先輩警官がニコニコしながら再びやってきた。
「今度はどうしたの?」「このクラブのメンバーということで、ご自由にカイトを楽しまれてください!」…それだけ言うために…なんて律儀な警察官だ。どんな世界にもバカはいるものだが、我々国民の生命・安全と財産は、こういう真面目な方々によっても守られていることを、たまには思い出して良い。
「本当にありがとう!松山に来る機会があったら、道後温泉にでも入ったらいいよ」「ありがとうございます!」 私たちは握手をして別れた。この後のSFのY さんとの楽しくも濃密なお話しは(その2に)つづく。
・海抜0メートルのこの辺は、汽水域で潮の干満により川幅が大きく変わるということが後でわかった。
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