たまごのなかみ

千葉県北西部在住。映画・観劇、近隣のこと。毎日 元気に機嫌良く♪

若松監督の「右」と「左」

2013年04月07日 01時51分32秒 | 観る
遺作となった『千年の愉楽』公開に絡め、先頃 TKPシアター柏で 若松監督の特集が組まれました。上映作品の内、『千年の愉楽』と『11.25 自決の日...』で、井浦新・満島真之介・大西信満が 舞台挨拶!! というので、舞台挨拶付きチケットの発売日にいそいそとで掛け、『11.25 自決の日...』ふたり分の席を入手したものの、残念ながら 当日私は劇場に足を運ぶことが出来ず... でも、日を改めて 作品だけは 観に行って来ましたョ。

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち旧作(3/19 劇場にて)
制作国:日本(2011年)
監督:若松考二
脚本:掛川正幸 、若松孝二
出演:井浦新(三島由紀夫)
   満島真之介(森田必勝)
   タモト清嵐(山口二矢)
   吉澤健、寺島しのぶ 他

楯の会」結成前夜から 三島の割腹自殺までを描いた作品。三島由紀夫というひとりの男の思想の中に見え隠れする弱さや揺れを、井浦新が 実にきめ細かく演じています。民族派を掲げつつも、どこか稚拙で 金持ちの道楽にも思える「楯の会」... 男気を鼓舞しながらも どこか気弱で幼ささえ感じる三島由紀夫...、井浦新の姿を借り、いま正に そこに居るかの様に三島を見せてくれます。秀逸だったのが、楯の会のメンバーで 三島の側近であった森田必勝(まさかつ)を演じた満島真之介。演技は、この作品が初めてと言うから驚きです。森田必勝の熱い思いを 迫真の演技で見せてくれます。

井浦新は、この作品がきっかけで 名前を「ARATA」から本名の「井浦新」に戻したと聞きます。



三島由紀夫と「楯の会」を映画化した若松監督って 右翼?
ところが、こちらは 左翼の物語。
(念のため 申し添えるなら、私はノンポリです
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)旧作(3/21 劇場にて)

制作国:日本(2007年)
監督:若松孝二
原作:掛川正幸
脚本:若松孝二、掛川正幸、大友麻子
出演:坂井真紀(遠山美枝子)、ARATA(坂口弘)、
   並木愛枝(永田洋子)、地曵豪(森恒夫)、
   伴杏里(重信房子)、大西信満(坂東國男)、
   中泉英雄(植垣康博)、伊達建士(青砥幹夫)、
   日下部千太郎(山田孝)、椋田涼(山崎順)、
   粕谷佳五(進藤隆三郎)、川淳平(行方正時)、
   桃生亜希子(持原好子)、本多章一(田宮高磨)、
   笠原紳司(高原浩之)、渋川清彦(梅内恒夫)、
   RIKIYA(金廣志)、坂口拓(塩見孝也)、
   玉一敦也(奥沢修一)、菟田高城(吉野雅邦)、
   佐生有語(寺岡恒一)、奥田恵梨華(杉崎ミサ子)、
   高野八誠(加藤能敬)、小木戸利光(加藤倫教)、
   タモト清嵐(加藤元久)、佐野史郎(さらぎ徳二)、
   倉崎青児(松本礼二)、奥貫薫(あさま山荘管理人)他
ナレーション:原田芳雄

60年安保から あさま山荘事件へと至る連合赤軍の様を描く。
安保闘争の頃の 意気揚々と革命を目指す学生、赤軍派と革命左派の連合「連合赤軍」の誕生、山岳ベースでの「総括」「自己批判」と呼ばれる 自身を律する姿勢から次第に劇化していく集団内のリンチ、散り散りになり 残った5名の辿り着いたあさま山荘での立てこもり... 中心人物が移り変わりながら描かれる 緊迫の3時間10分。

閉鎖的な団体の中にあると、規律が厳しければ厳しいほど 独裁制が強くなるものでしょう。そもそも共産主義を掲げていた筈の連合赤軍も 内部の体制は至って独裁的。半島の北側にある国を見ていても思いますが、本来の主義主張よりも、「集団・規律の維持」が優先になって仕舞うものなのかも知れません。カルト教団 然り、部活 然り。


監督 インタビュー


二つの作品を観て思ったのだけど、武士道の美学に魅せられていた三島由紀夫ですから、右翼である「楯の会」の方が 寧ろ変な罰則も無かったでしょうね。

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