歌舞伎座さよなら公演
【八月納涼大歌舞伎 第三部】
もう随分 遡っちゃいますが、アレです カナダ帰りのsakiを見送って ラ メゾン ギンザ に寄った後の ナニです。立派なアイスクリームを戴いて あまりお腹が空いていなかったので、この日は 座席でお弁当。席は、一階一等席の最後列 上手寄り。
記録がてら簡単に ──
谷崎潤一郎作「お国と五平」夫の仇を討つために旅するお国と家来の五平、お国に横恋慕する故にその夫を殺した友之丞。お国と五平は いつしか深い仲に。仇討ちを遂げた暁には 国元へ戻り晴れて夫婦(めおと)に...との思いを励みに旅を続けるふたり。一方、お国を忘られぬ友之丞は なんと! このふたりの後をつけていた!! 何故か、追われている筈の仇(かたき)が 追っている!!!
この友之丞、生来のダメダメ男。このダメダメを演じるのが 三津五郎というのが面白い。もう本当に とことんダメ男です。命乞いしまくり。口を付いて出る言葉の全てに於いて情けない。そして そんな友之丞を仇と追っていたはずの五平を演じるのが 勘太郎。彼の芝居、随分と余分な力が抜けて 自然体であるのに驚きました。7月の亀姫(天守物語)も予想を上回る出来だったし、なんとも成長著しい! なんて、私が言うのもおこがましゅう御座いますが...。
三遊亭円朝の口演より「怪談乳房榎」高名な絵師の家に入り込んだ好色な侍が、絵師の妻を誘惑し、画家を殺す。そして… という怪談ですが、歌舞伎としては早替わりが見せ場となっている外題です。その勘三郎の早替わり! 劇中三役と幕切れ後の円朝役ですが、そりゃもう見事☆ 以前に観た事があったって こっちが代役あっちが勘三郎って分かってたって凄いとしかいいようがありません。花道での入れ替わりでは 拍手喝采☆ 勘三郎って、ほんとエンターティナーだなぁ〜♪
序幕で 福助が、中村屋のベテラン中村小山三の誕生日を祝福する言葉を投げかけて会場が沸いたりするのも 庶民の芸能である歌舞伎らしいところ。それにしても、橋之助の磯貝浪江は 悪い悪い。
納涼では、第二部の真景累ヶ淵 豊志賀の死(豊志賀:福助/新吉:勘太郎)も かなり観たかったのだけど、以前 菊之助主演の映画『怪談』を観た折に、余ほど余ほど怖かったのでしょう、殿の胃が随分と長きに亘って調子が悪くなったナンテな事がありまして。身につまされる様な覚えでもあるんでしょうか...。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/5d/61f203375cebd7318e3bafb0b634cb83.jpg)
奥で屈んでいるのは王子
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歌舞伎座さよなら公演
【九月大歌舞伎 夜の部】
先週末の観劇です。座席は 二階の二等席 上手寄り。念願の二階
ほうおう での食事となりました。花籠膳が目の前で売り切れとなってしまい、奮発して歌舞伎膳 三人前☆
九月夜の部の演目は バラエティに富んでいて、歌舞伎の色々な姿を楽しむ事が出来ました。
浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)では、人気役者の掛け合いを楽しむ『鞘當』に だんまりでの動きや仕掛けが楽しい『鈴ヶ森』。幸四郎の弁慶が圧巻の
歌舞伎十八番の内 勧進帳 は、七代目松本幸四郎没後六十年にあたっての演目で、幸四郎 吉右衛門 染五郎 という所縁ある顔ぶれも見所。そして 締めは、コミカルな『吉祥院お土砂』の場と 切羽詰まった『櫓のお七』の場...という 全く違った顔を持つ二場が楽しめる
松竹梅湯島掛額(しょうちくばいゆしまのかけがく)。八百屋お七を演じる福助の“
人形振り”ときたら、全く以て見事で見事で 涙が出る程の感動でした。
胸の透く様な
幸四郎の弁慶 と
福助のお七 、一見の価値ありです。
ちゅんさん! あんた、観ときなはれ (^ρ^)
干し柿を模した和菓子に秋を感じる 九月の歌舞伎膳
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/b2/8d1c3627d09352a3de795364c28ad93d.jpg)
これに土瓶蒸しが付きます
面白い作品が続いていたので、7・8・9月と 王子を伴って歌舞伎座通いをしてみました。私なんかは どうってことないのですが、三階席の足元は やはりかなり狭くて、若人にとっては「エコノミー症候群になりそう...」だった様ですけど、作品は どれも楽しめたのじゃないかしら。確かに 三階席の狭さも難ありですが、昼夜入れ替え時に起きる歌舞伎座前の歩道の混雑や イヤホンガイドを求めての肉弾戦など考えると、エントランスやロビーのスペースにも余裕を となると改築では追っつかない。外国のお客様も増えているし、やはり 建て替えの必要な時期が来ているのでしょうネ。