十八代目勘三郎が立ち上げ、看板役者を担っていたコクーン歌舞伎の襷を受け取り、勘九郎が主役を務めた『天日坊』から二年、勘三郎さんが亡くなって以来 初めてのコクーン歌舞伎です。
2014 渋谷・コクーン歌舞伎 第十四弾
『三人吉三』(6/22 マチネー)
役者陣のプロフィール写真やポスターのテーマは 「ワル」。いつも新しい物をと、歌舞伎の先入観に囚われない演出に挑み続けてきた串田和美の 更なるチャレンジへの意思表明でもあります。それにしても 板に付き過ぎです 勘九郎さん!!!
[演出・美術] 串田 和 美
[出演]
和尚吉三 中村 勘九郎
お嬢吉三 中村 七之助
お坊吉三 尾上 松 也
十三郎 坂東 新 悟
おとせ 中村 鶴 松
海老名軍蔵/八百屋久兵衛 真那胡 敬二
太郎右衛門/長沼六郎 大森 博 史
堂守源次坊 笈田 ヨ シ
土左衛門伝吉 笹野 高 史
研師与九兵衛 片岡 亀 蔵
ニューヨーク公演中の留守を任された 福助の「桜姫」、そして 一昨年の「天日坊」と、これまでにも 勘三郎不在のコクーン歌舞伎はありましたが、十八代目の没後 はてさて コクーン歌舞伎の存続や如何にと、多くのファンが気を揉んだのではないかと思います。そんなコクーン歌舞伎が、渋谷に帰ってきました。その門出を飾るのが「三人吉三」と聞いては じっとして居られません。笹野さん 亀蔵さんを除く殆どの出演者が くるりと総取っ替えといった趣の新キャスト。勘三郎・福助・橋之助の和尚・お嬢・お坊が そりゃぁもう 良くて良くて 大好きだったものだから、 若返る三人の吉三につのる期待と その期待にどうか応えてと祈る気持ちで、向かうは Bunkamura シアターコクーン。
書き割りじゃない立体的な舞台装置は、串田演出のコクーン歌舞伎ならでは。大川端での「月も朧に白魚の...」とくる名台詞の件でも、客席側を大川として お嬢吉三は 正面に向かって杭に足を載せてキメるのが常だけど、ここでのお嬢は 後ろ向きにポーズを決め「月も朧に...」と始まると 大川を設えた回り舞台が動き出し、やがてお嬢も正面を見据えるという寸法。コクーンの三人吉三ならではの見せ場のひとつです。そして、お嬢吉三といえば 黒に梅模様の振袖が定番ですが、2001年以来 コクーンの「三人吉三」では 赤い振り袖と、まぁ悉く型破り。
見せ場と言えば、なんといっても 大詰めの雪。これはもう 何度観ても圧巻の、本当に美しい場面です。いったい一回の公演に どのくらいの紙吹雪が使われているのでしょうか。毎度毎度、なんとも大掛かり☆ そして、もろ肌脱いだ和尚吉三は 下半身のガッシリした感じまで なんだか勘三郎にそっくりになってきちゃって、どうにも泣けちゃって 最近、少々世間を騒がせておいでの松也さんも お坊吉三が見事に嵌って、こうやって世代交代をしながら また連綿と後生に繋がっていくのですね。歌舞伎って凄い。場内総立ちのスタンディングオベーションでした
蛇足ながら、お嬢吉三に関しては もうあまりにも福助さんの台詞回しが見事なもので、私はやっぱり 福助さんのお嬢が好きなのだけど... でも、きっとお稽古や演出を付けていく中で、物真似ではない 七之助さんならではのお嬢吉三を探って探って、沢山勉強したお役だったことと想像します。もっともっと成熟して盗賊っぽいお嬢吉三が出来上がる日も遠くないでしょうね。友達の大学1年生になる娘さんは、この度 初の歌舞伎見物に この「三人吉三」を選び、ひとりでコクーンに出掛けたのだそうで、お目当ての役者が居たのじゃないけれど、すっかり七之助さんのファンになって帰ったのだとか。「雪」もいっぱい持ち帰り、小瓶に詰めてあるのだそうです。嬉しいなぁ~~
道玄坂にあるTOHOシネマズの クリスピークリームドーナツ で一服。ドーナツで小腹を満たし 帰路につきました。私はやっぱり、オリジナルグレーズド そして、一日の〆は フィットネスクラブです
2014 渋谷・コクーン歌舞伎 第十四弾
『三人吉三』(6/22 マチネー)
役者陣のプロフィール写真やポスターのテーマは 「ワル」。いつも新しい物をと、歌舞伎の先入観に囚われない演出に挑み続けてきた串田和美の 更なるチャレンジへの意思表明でもあります。それにしても 板に付き過ぎです 勘九郎さん!!!
[演出・美術] 串田 和 美
[出演]
和尚吉三 中村 勘九郎
お嬢吉三 中村 七之助
お坊吉三 尾上 松 也
十三郎 坂東 新 悟
おとせ 中村 鶴 松
海老名軍蔵/八百屋久兵衛 真那胡 敬二
太郎右衛門/長沼六郎 大森 博 史
堂守源次坊 笈田 ヨ シ
土左衛門伝吉 笹野 高 史
研師与九兵衛 片岡 亀 蔵
ニューヨーク公演中の留守を任された 福助の「桜姫」、そして 一昨年の「天日坊」と、これまでにも 勘三郎不在のコクーン歌舞伎はありましたが、十八代目の没後 はてさて コクーン歌舞伎の存続や如何にと、多くのファンが気を揉んだのではないかと思います。そんなコクーン歌舞伎が、渋谷に帰ってきました。その門出を飾るのが「三人吉三」と聞いては じっとして居られません。笹野さん 亀蔵さんを除く殆どの出演者が くるりと総取っ替えといった趣の新キャスト。勘三郎・福助・橋之助の和尚・お嬢・お坊が そりゃぁもう 良くて良くて 大好きだったものだから、 若返る三人の吉三につのる期待と その期待にどうか応えてと祈る気持ちで、向かうは Bunkamura シアターコクーン。
書き割りじゃない立体的な舞台装置は、串田演出のコクーン歌舞伎ならでは。大川端での「月も朧に白魚の...」とくる名台詞の件でも、客席側を大川として お嬢吉三は 正面に向かって杭に足を載せてキメるのが常だけど、ここでのお嬢は 後ろ向きにポーズを決め「月も朧に...」と始まると 大川を設えた回り舞台が動き出し、やがてお嬢も正面を見据えるという寸法。コクーンの三人吉三ならではの見せ場のひとつです。そして、お嬢吉三といえば 黒に梅模様の振袖が定番ですが、2001年以来 コクーンの「三人吉三」では 赤い振り袖と、まぁ悉く型破り。
見せ場と言えば、なんといっても 大詰めの雪。これはもう 何度観ても圧巻の、本当に美しい場面です。いったい一回の公演に どのくらいの紙吹雪が使われているのでしょうか。毎度毎度、なんとも大掛かり☆ そして、もろ肌脱いだ和尚吉三は 下半身のガッシリした感じまで なんだか勘三郎にそっくりになってきちゃって、どうにも泣けちゃって 最近、少々世間を騒がせておいでの松也さんも お坊吉三が見事に嵌って、こうやって世代交代をしながら また連綿と後生に繋がっていくのですね。歌舞伎って凄い。場内総立ちのスタンディングオベーションでした
蛇足ながら、お嬢吉三に関しては もうあまりにも福助さんの台詞回しが見事なもので、私はやっぱり 福助さんのお嬢が好きなのだけど... でも、きっとお稽古や演出を付けていく中で、物真似ではない 七之助さんならではのお嬢吉三を探って探って、沢山勉強したお役だったことと想像します。もっともっと成熟して盗賊っぽいお嬢吉三が出来上がる日も遠くないでしょうね。友達の大学1年生になる娘さんは、この度 初の歌舞伎見物に この「三人吉三」を選び、ひとりでコクーンに出掛けたのだそうで、お目当ての役者が居たのじゃないけれど、すっかり七之助さんのファンになって帰ったのだとか。「雪」もいっぱい持ち帰り、小瓶に詰めてあるのだそうです。嬉しいなぁ~~
道玄坂にあるTOHOシネマズの クリスピークリームドーナツ で一服。ドーナツで小腹を満たし 帰路につきました。私はやっぱり、オリジナルグレーズド そして、一日の〆は フィットネスクラブです