先日、京都へ行くときに参考にした「京都紅葉案内」、写真があまりにきれいなので同じ写真家のこちらの本を取り寄せました。
京都のいろいろな場所が紹介されていると思いきや、コンパクトな源氏物語案内、場所の紹介はそう多くありません。
考えて見れば源氏物語は、京都を舞台にしているとはいえ千年以上前のフィクション、今に続いているのは神社仏閣が少々、それだってその時代と同じものが建っているわけではなく、あまり今の場所に囚われると却って読み方が窮屈になると思った。
がしかし、文章は抜群によかった。一冊で源氏物語を写真とともに紹介。過不足なくてわかりやすく、時々深い指摘があり、世間に源氏本はうんとあるけれど、とてもいい方の部類になると思う。
写真もさすがの中田昭氏、鮮やかで臨場感いっぱい。行って実際に見るよりもきれいかもしれない。
この本に紹介された場所へ行きますか?
私は行かないと思う。源氏物語は私の頭の中にあり、これからもずっと想像を広げていたいから。
京都は変わらないと言いますが、中心部は禁門の変で大火になり、何も残っていないのでは?
写真集としてより、コンパクトな源氏本として楽しめました。当時の人は生と死後の世界は一続き、まっすぐ死に向かっていく態度は今の人よりも強いそうです。
確かに今は死が忌み嫌われ、生活の中からそれを排除していますが、私たちの世代になると、死を考えそこから残りの時間をどう生きるかを考えるのも大切と思います。
P20の帚木の写真にホウキグサ=コキアを持ってきているのはどうでしょうか?
帚木は私がえらそげに言うまでもなく、遠くからはよく見えて近寄ると消える信濃にある伝説の木、ヒノキと考えられているそうです。コキアは私が子供の頃は見たことないので外来種かな。写真出すと紛らわしいと思うのですが、いかがでしょうか。
昔から、源氏物語大好き。たぶん小学生のころから。十二単、一度でいいから着てみたいとあこがれまくって、京都で着ましたが、香川県高松市の博物館で羽織るだけですが、とてもいいものを無料で予約なしで着せてくれます。名前は今失念。お城の東側にある施設。平日は閑散としています。
こちら、西本願寺至近、井筒屋法衣店の中の展示。500円で(2015年当時)源氏物語を再現した人形各種、見られます。さらに奥では、備え付けの本物の装束各種、見学者は自由に着られます。
うーーむ、光源氏と女三宮の婚礼の場面でしょうか。調度、衣装が精巧。
侍女が抱く赤ちゃんは薫?
出家して物思いに沈む女三宮。
女三宮は光源氏の兄、朱雀帝の皇女。ちょっとおっとりしているところがあり、心配な朱雀帝は源氏に娘を託します。ここらあたりから源氏物語は一気に悲劇へと進んでいきます。
朱雀帝が自らのために建立した寺院は、仁和寺がモデルとされる…とこの本にはあります。立派な門跡寺院です。皇族が門主になる由緒正しい寺、源氏物語の成立した時にはもうあったと言うことになりますね。
徒然草にも仁和寺の法師の話が出てきます。
その仁和寺の前を妙な車で走る息子。2007年ころ。
ハンドルの後ろの丸いもの、紐で固定しています。なんだあ???
乗せてもらってるから黙って乗ってました。
すみません、話がだいぶそれました。
京都好き、源氏物語好きの人なら押さえておくべき必須の本と思います。