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「一〇三歳になってわかったこと」 篠田桃紅

2018-12-21 | 読書

前衛書道家でエッセイスト、書道というよりは墨を使った表現と言えばいいのでしょうか。60年代頃、雑誌などで流麗な字をよく見た記憶がありますが、まだご存命とは驚きました。元気で創作活動されているのにはさらにビックリ。

身近に95歳の人がいて、生活すべて人手がないとできないので、信じがたい思いですが、素晴らしいの一言。

この本が出てから2年、まだまだお元気のようで、今は105歳らしい。

100歳越して見えてきたものを簡潔にまとめてあります。読みやすいです。結婚歴なしで、若いころから常識にとらわれず創作活動されてきた方ですが、一読後の感想はとても柔軟で自由な発想をすると言うこと。くよくよしないと言うこと。要するにこだわりが強いあまり周りとギクシャクしたり、自分の体を傷めたりしていない、とてもさらりとした生き方を貫いた人が、百歳越しているんですからね、もう怖いものない感じ。

周りもその年齢に圧倒されて、何も言わないだろうし、いゃあ、私も早くこの境地になりたいものです。

その前提条件としての健康、健康でなければ長生きするのも難儀なことです。

この本で一番驚いたのは、女学校の英語の先生が、北村透谷の未亡人だったと言うくだり。北村透谷は島崎藤村の若いころの友人、日本近代文学の黎明期、思想的な苦悩から自裁した人。うーーーん、日清戦争の前ではなかったでしょうか。その未亡人を知っているって、どんだけ年寄りとびっくり。

さらに帝国ホテルで芥川龍之介を見かけたことがあるって。二人とも完全に歴史上の人物、それを知っている人がいまだ存命なんて、絶句です。

いえいえ、90代の人だって、昔のことよく知っていると思います。毎日を過ごしているとこと改まって昔の話聞かないけど、知識の積み重ねが知恵となり、力となります。

年寄りの話を聞くのは大切。という私ももう年寄りですが。いゃあ、長生きの人は体の中に歴史が詰まっている。


本日の付録画像

観葉植物にとまるぬいぐるみ。

孫に受けた。サンタの格好ならなおいいけど、今は何もする気がしない。

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