KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

線で繋ぐ阿讃縦走路 一本松越~引田町坂元

2022年02月10日 | 香川の里山

日帰り登山で石鎚山~剣山を線で繋いでみようと思い立ったのが

昨年の夏前。それに賛同してくれた奥様たちと主に周回しながら、

少しづつ線で繋いできたが、12月を目の前にそろそろ県外の

山に出かけるのが厳しくなってきた(2駆ノーマルタイヤ)ので、

例年通り里山歩きに切り替えようと思ったら、ここでもまた

『線で繋ぐ!』の言葉が頭の中に浮かんできた。

独り歩きをしていた頃には、なかなか日帰りでは遅々として進まなかった

阿讃縦走路だったが、3人だと車をデポ出来るので計画が容易になった。

もちろんこれにも奥様たちも賛同してくれて、歩き始めたのが11月末。

そして今日で11回目の縦走路。(以前に歩いた2区間は除く)

そしていよいよ今日で最後となった阿讃縦走路だった。


引田町と鳴門市の県境となる国道11号線沿いの路肩が広がった場所に

1台をデポ。その後1台で先週もスタート地点となった

川股ダムまで移動して先ずは一本松越へと歩いて行く。

朝一番は曇っていた空も、徐々に明るさが増してきた。










ダム湖の湖畔を歩き、林道から山道へと入って行く。砂防ダムの横を上がり、

ヒノキの林の中を少しづつ高度を上げていく。










ヒノキの林から道はシダの道になる。谷あいに差し込朝の光にシダの葉が輝いている。




何度か谷筋を回り込みながら歩いて行くと、ダム湖へ流れ込む沢の最上流部。

その涸れた沢を渡ってひと登りすると一本松越に着いた。










先週はここから西に向かって歩いたが、今日は反対の東に向かって歩いて行く。

境界杭と見出標、そして縦走路の標識。ここから最後の縦走路歩きが始まる。

先ずは451mの標高点まで最初の急登。







451mの標高点には高丸山と書かれた山名札が掛けられていた。

地形図にもYAMAPにも載っていない山の名前。縦走路の途中にある小ピークといった感じの場所。

こんな場所を地元の人はわざわざ高丸山と読んでいるのだろうか?







その高丸山からは北東に向かって緩やかに下り坂が続いて行く。

境界の石柱と見出標がやたらと目立つ道。単調な道に、奥様たちは

この見出標の番号を数えながら歩いて行く。













412mの標高点の手前では、少しスズタケに囲まれた道になる。







スズタケの道を過ぎしばらく歩くと今日最初の三角点。三等三角点 鉢伏 439.3m

この辺りの山頂には東かがわ合併10周年の際に行われた、

東かがわ市里山チャレンジ30山の木札が掛かっている。










鉢伏山を過ぎると道は北に向かって振って続いている。尾根の東側には高速道路があり、

スピードをあげて走る車の音が聞こえてくる。










382mの標高点の辺りでは、西に川股ダムに向かって地形図でも破線が続いているが

プラスチック製の真新しい案内板が掛けられていた。

木々の間からは南東に藍住町辺りだろうか、朝陽に当たってビニールハウスが光って

水たまりの様に見える。北東に目を移すとグランディ鳴門のゴルフ場の大きな建物が見える。










382mの標高点から少し下って行くと、尾根の両側には道もなく、

峠といった雰囲気が全くない場所に小さな祠があった。

ここから前方に見える稜線に向かって登って行く。







北に向かって続いていた道が西に振ると急登が始まった。

今日のこの区間では一番長い登坂だった。







登坂が終わると479mの三角点に向かって境山と書かれた小さな道標。

その道標に従って左に折れて登って行くと四等三角点 境 479.7mがあった。










境山から引き返して縦走路に戻り、また北に向かって尾根道を歩いて行く。

けっこうな間隔で掛けられていた見出標がいよいよ1番になった。

次は何番になるんだろうと奥様たちが言っている内に龍王山への分岐に着いた。














今日は時間もあるので龍王山にもサクッと寄り道してみる。

奥様たちはさらに奥にあるビク山は?と言っているが、

以前歩いた時に結構な萱の藪だったような記憶があるので、『龍王山までで!』

と言って踏みとどまってもらう。色々と山名札のかかった山頂だったが

キティちゃんのプレートはここでは半分に割れていた。













眺望もない龍王山を早々に後にして、分岐まで戻り少し歩くとあせび公園の展望台に出た。

東屋とベンチ。そのベンチの先には壊れた双眼鏡。

南には悠々と流れる吉野川の両側に市街地が広がっている。

そして北東には風力発電の建つ淡路島が見える。










今日は少し時間が早いがここでお昼ご飯にする。

ここまで縦走路を歩いてきた中で、最高の景色の中でのお昼ご飯となった。

風は少し冷たいが、それでも天気が回復し青空の下で日差しが暖かい。




いつになく凍えることなくのんびりとお昼を頂いた後、少し下って公園のトイレへ。

独特な形をした東屋の横からは、北に引田町の海岸線が続いている。

そして城山引田鼻の白い灯台が見える。










トイレを済ました後は東側に見える鉄塔に向かって歩いて行く。







鉄塔のフェンスの脇を抜け進んで行くと四等三角点 展望台 392.5m

三角点の点名の通り、ここからの眺望も最高だった。

引田町・白鳥町の奥には直ぐに同定ができる五剣山まで見える。













東屋の横に四国のみちの道標が立っているが、縦走路は大きな展望図の北側に

小さな縦走路の白い札が掛かっている。







眺望をゆっくり楽しんだ後、三角点を探してうろつくが、なかなか見つからない。

三角点は展望所の手前の木の根元にひっそりと佇んでいた。







縦走路の札に従って少し藪いた中を進むと急坂の下りになった。

乾いた土と急な傾斜にストックでは心もとない。

木々の枝を掴みながら下って行っていたら、割と太い枝だったのに

掴んだ途端にポキッと折れて、体重を掛けていたのでそのまま前に一回転。

今まで奥様たちと歩いていて二度ほど一回転して前に転んだ。

一度は雲早山のシャクナゲ尾根で道から外れた時、

もう一つは石鎚山の東稜の笹滝だった。

つい先日あっちゃんに『二度ある事は三度あるがないね!』と言われたばかりだった。

それにしても自分でも分かるくらい今回は大きく飛んで一回転して背中から落ちた。

幸い硬い土の上ではなく、落ち葉が積もった中に落ちたのが良かった。

















『KAZASHIさんは、転ぶ時は半端ない転び方をするね』とあっちゃんに笑われた。

急坂を下りきると四国のみちの道標の立つ場所に出た。

その合流地点から一旦登り返しとなる。










鉄塔広場を過ぎると、道はけっこうワイルドな道になってきた。

灌木の中、とにかく見出標を目印に下って行く。










一旦離れていた四国のみちの峠に差し掛かると、道は切通の上部に出た。

よく見ると右に下る道が続いていたが、ルリちゃんは半分降りかかっている。

いつもなら無理せず引き返して道を使うルリちゃんだが、今回はそのまま下って行った。

そして案の定、最後は尻もちをついて着地した。














峠になる切通の反対側に取付き登って行く。これが今日最後の登坂かな?

花崗土が固まった道の両端は滑りやすく、中央の落ち葉の溜まった部分を

歩こうとするが、木の枝が散在していてこちらも歩きづらい。

登坂が終わった途端にまた急坂下りが始まる。










急坂の最後は県道1号線の車道に飛び出した。地形図ではここが大坂峠となっている。











県道からは北に大坂峠園地へと続き、県境も北へと続いている。

園地の展望台の駐車場にはパトカーが1台停まっていた。

階段を登り展望台に出ると、お巡りさんが二人上から降りてきた。

少し話をすると、署内ではなくお昼ご飯を屋外で食べる様にしているそうだ。

これもクラスターにならないようにのコロナ対策だそうだ。

園地は木製のデッキで出来た展望台と、更にその上に東屋とパラグライダーの発進場がある。

芝生の広場になったそのパラグライダー場で、今日はモグモグタイムにしてみる。

コーヒーを沸かし、シュークリームとチョコレート。














阿讃縦走路のフイナーレに相応しい景色と青空の下でのんびりと過ごしていると、

自転車の服装をした白いひげを蓄えたおじいさんが歩いてきた。

ここでも話を聞くと、普段は阿蘇の山の中で喫茶店をご夫婦で営んでいるそうだ。

2月はお店をお休みにして、今回は10日間ほどキャンピングカーで四国を廻っているという。

今日は奥様は大塚美術館、そして本人はロードバイクで走ってきたようだ。

普段は山の中で、そして時間が出来たらキャンピングカーで全国を回る。

羨ましい限りだと三人でしきりに感心する。

ここからは先ほど見えた城山とその西に続く白鳥アルプス、そして虎丸山・笠ケ峰まで見える。

その景色を見ながら来週の計画を思いついた。私とルリちゃんは既歩なのだが、

あっちゃんが歩いていない白鳥アルプスを歩いてみようと提案をする。

ついでに伊座山・与治山・翼山・城山をゲットしようと言う事になった。

するとルリちゃんが安戸池でブリ丼が食べたいと言い出した。それを聞いたあっちゃんの目がギラリ。














あまりの天気の良さと景色の良さに思わず寝転がるあっちゃん。

ここから先の最後の行程が無ければ、このまま夕陽と星空を眺めていたい、そんな場所だ。








そうは言っても最後の県境までは下って行かなければ線は繋がらない。

木製の展望台からは最終目的地の小さな岬が見える。(法面保護のコンクリートの奥)

展望台から駐車場まで降り、引田部族の説明板の脇から、ガードレールを越えて

県境に沿って下って行く。







展望台から見えた最終地点までの尾根は急角度で下がっていた。

その見えた通り県境尾根はかなりの傾斜の下り坂となっていた。

先ほどの一回転転倒の二の足を踏まないように慎重に下って行く。










急坂が終わると花崗岩が風化した尾根になった。短い距離だがここの景色もいい。

その尾根を過ぎると道は少し藪っぽいシダの道になった。

藪ぽいが踏み跡も赤テープもあるので迷わず下って行ける。











国道を走る車の音が大きくなってくると、切り通しのコンクリートの法面の脇に

赤テープが続き、最後は『讃岐山脈ロングトレール』の小さな札が掛かっていた。

二・三枚木の枝にかかっているその札を目印に下って行くと国道に飛び出した。(引田側)













その国道を渡りまた法面のコンクリートの脇から取り付く。

その切通の法面に沿って登って行くとシダの中に今日最後の三角点。

四等三角点 県境 40.4m。この三角点の点名は阿讃縦走路の最後を飾るに相応しい名前だった。













三角点の更に先の岬の突端まで歩いて行く。右下には碁裏漁港。左には引田の海岸線が続いている。

切り落ちた突端で最後の記念撮影。真下にテトラポットは見えているが、人工物。

ここが県境最後の東の端となる。あっちゃんが頻りに覗き込んでいるが、

これ以上は無理ですよ!













東端の突端でこれまで歩いてきた縦走路に思いを馳せた後は、朝車をデポした国道へと戻って行く。

長いようであっという間の2カ月強。奥様たちは線が繋がらないと最近物足りなくなってきたと言う。

予定では春頃にこの縦走路を完歩して、そこから次に中断している石鎚山~剣山に取り掛かろうと

思っていたが、予定より早く終わってしまって春までを持て余してしまった。

さてそれまで次はどんなテーマで里山歩きをしようか。目標を達成するとそれで終わりでなく

また次の目標を作ってしまうのは人の性だろうか。早くも『線で繋ぐ!』という言葉が

頭の中をどんどん駆け巡り始めた。







今日のトラック



今日の3Dトラック



余木崎から引田町坂元まで線で繋がった



阿讃縦走路行程データー①



阿讃縦走路行程データー②



阿讃縦走路行程データー③



阿讃縦走路行程データー④

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