KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

線で繋ぐ阿讃縦走路 境目~中山峠

2022年01月21日 | 香川の里山
先週はトレーラーのスリップ事故で国道193号線が通行止めになり、

奥様たちが集合場所の中山峠まで来られなくなったので

順延となった、阿讃縦走路の境目までの間を今日繋いできた。

とは言え今日は大寒。一年で最も寒い日。集合場所までの国道と、

デポ地点となる境目までの県道の路面状態が気になるところ。

その路面状態を確認するため朝少し早めに家を出て、境目までの

途中まで車を走らせたが、先週の様なアイスバーンになったヶ所もなく、

車の移動も問題ないと判断して、中山峠へと引き返した。

中山峠には時間通りに西から奥様たちがやって来た。

さっそく荷物を積み替えスタート地点となる境目に移動。

境目のシンボルの大イチョウの手前のバスの展開場に、

邪魔にならないように隅っこに車を停める。

この大イチョウは伝承では、戦国時代大阪の夏の陣を戦った侍が、

徳川方の豊臣残党狩りを逃れてこの地に隠れ住んだが見つかり、

この大銀杏の下で切腹して果てたと言われている。

また気根が空中に下がっているのが乳に似ていることから、

「ちちいちょう」とも呼ばれていて、昔 子の飲ませる乳が足りない人が

この銀杏の木に一合の米を供えて乳がよく出るように祈願したそうだ。







その大イチョウから北側に四国のみちの道標がある。

道は県道から東に続いていて直ぐに二手に分かれて

取りつきには八丁坂の道標が立っていた。

ただその道標を気づかず谷筋に向かって真っすぐ歩いてしまって、

しばらくしてルリちゃんが気づいて『この道じゃないよ!』と。

慌てて引き返してミカン畑の横のコンクリートの坂を登って行く。











コンクリートの道が終わると、落ち葉の積もった雰囲気の良い道になる。

道の傍らには所々に石仏が祀られていて、ここから東かがわ市、大坂峠を経て

霊山寺へと続く、へんろ道にもなっている。










尾根の頂部にはベンチが設けられていて、そこから西に向かって下って行き

猪避けの柵を抜けると日開谷川に沿って開けた長野地区の集落に出た。













南に向かって緩やかに谷底平野が続いて、明るく田畑が開けてとても雰囲気がいい。

そんな田畑の中を横切り日開谷川に突き当たると、奥様たちは川に架かった橋を渡り、

県境となっている川に沿って歩こうと言っているが、地形図を見ても道は無く、

事前に見たYAMAPの活動日記のひとつには対岸の川沿いには道は無いと書いてあり、

もちろん川の中を歩く事も出来ないので、北に向かって歩くと国道377号線に出た。







ここからはしばらくは車道歩きとなる。道の途中には大きな無人販売所があり、

あっちゃんが覗き込んでいる。その販売所の先に今度は

道の脇に3頭の黒毛の和牛が繋がれていた。その横の牛舎の中にも何頭の牛が飼われている。

買主らしいおじさんがやってきて話を聞くと、繁殖用のメス牛らしく、繋がれている3頭のうち

2頭が身ごもっていて、少しお腹が大きくなっていた。

この国道、山間部にあるにも関わらず次から次と10tダンプが行き来していて

歩道のない道なのでけっこう気が気でない。











国道が北に振る辺りから県境の日開谷川とは離れていくので、国道から左に折れて

車道を歩いて行くと大きな養鶏場があった。鳥インフルエンザの防疫の為に

入り口には白い消石灰が撒かれていて異様な雰囲気がする。







養鶏場を過ぎ、猪避けの電気柵に沿って車道を歩いて行く。

この道にも所々に石仏が点在していた。

そして道の脇に不法投棄の注意書きのなかなかシュールなプレート。











しばらく歩くと道は県道3号線志度山川線になる。その県道が500mほどで

今度は県道105号線との三差路に出た。







三差路の南側に民家が一軒あり、屋根の塗装工事をしている最中だった。

その民家の脇が本来は県境となるのだが、三差路の少し北側にある

電柱に巻かれたピンクのテープの場所から尾根へと取り付いて行く。







取付きからしばらくは薄い踏み跡を辿って登って行くが、途中からは

その踏み跡からは外れて尾根に向かって登って行く。

すると木の幹に巻かれた赤テープがあり、そのテープを目印に登って行くと尾根に出た。














尾根に出ると県境となり、今日初めて県境の杭を見る。

そして里山らしい灌木の中の尾根道が続いて行く。











北西に向かっていた尾根道が南西に向かって振った場所では、北にも尾根道が続いている。

反対側から歩いてきた場合は先ず間違えそうな場所だ。

南西に折れて直ぐに、今日初めて見る阿讃縦走路の札があり、

その札にもやはり道は縦走路は折れ曲がっていると書かれてあった。




右にヒノキの植林地を見ながら、小さくアップダウンをしていくと、

左に太陽光発電の広く開けた場所があった。










太陽光発電を過ぎ急登を登りきると、今度は更に開けた採石場らしき場所に出た。

その採石場の北側には矢筈山が見えた。

その場所から急な斜面を下って行くと今度は採石場の中の作業道に出た。













作業道の取りつきは讃岐山脈縦走路の木札がかかってあった。

この中山峠から境目までの阿讃縦走路の山道歩きは14kmの内の4.7km程度。

この木札は阿讃縦走路で度々目にしてきたが、阿讃縦走路ではなく讃岐山脈縦走路と書いてある。

今までの縦走路ならともかく、今日のこのコースが讃岐山脈になるかは疑問の残るところ。

ここからは採石場の中の作業道を歩いて行く。平日なので作業をしていないかが気になりながら下って行く。










すると採石場の下から大型ダンプが2台上がってきた。ダンプは西側の高台まで上がって

積み荷を降ろして直ぐに戻って行った。どうやら最初は砕石場だと思っていたこの場所は、

採石場の跡地を利用した、残土の処分場となっているようだ。













作業道を道なりに処分場の入り口に向かって下って行く。その間何台かのダンプとすれ違うが、

運転手の人は特に気にする事もなく、注意されることもなかった。








一年前に歩いた方のYAMAPの活動日記には、巨大な採石のプラント施設が残っていたが、

今はそのコンクリートの基部が残されているだけだった。










処分場の入り口の建屋を過ぎ少し下ると道の脇に階段があった。

その階段を登ると阿岐武神社の祠があり、その祠の正面の石段を下ると狛犬と鳥居。







鳥居の前の橋を渡ると左に道が続いていた。何も考えずそのまま谷筋を安易に歩いて行っていると

ここでもルリちゃんが『また間違っとる!』と声を上げた。










今回のコースはこの辺りが肝になる



県境のコースよりそれらしい道が続いていて、今日2回目の道間違い。

また引き返して、少し分かりづらいが赤テープと阿讃縦走路の木札のある場所から取り付く。

ここからは今日一番の急登が始まる。木の枝に掴まりながら、足を滑らせながら登って行く。













急登を登りきり尾根道になっても赤テープは続いているが、448mの標高点まで来ると

そのテープが見当たらなくなった。少し三人でうろつく。










地形的に北西への尾根に行きそうになるが、GPSを見ると県境からは外れている。

仕方がないのでそのまま県境尾根となる北に向かっている尾根まで、トラバースでして藪の中を進んで行く。

少し離れてしまった奥様たちに、声を出して位置を確認しながら歩いて行く。










何とか軌道修正をして北尾根から麓に向かって下って行くと、

山際に建つ廃屋のある場所に出た。廃屋から少し進むと今度は護岸工事をした槇川に出た。

川の向かいには立派な民家があり、丸太の橋?がかかっていた。

その橋をじっと見つめるあっちゃん。『渡りたいんでしょ!』と言うとニンマリ。










丸太二本を束ねた橋。板ではなく上部が丸まっているので真直ぐには進めず、

横に向いてのカニ歩きで渡って行く。後に続くあっちゃんもカニ歩き。







慎重なルリちゃんは橋を渡らずそのまま川に沿って歩いて、川の中にある

コンクリートの堤を渡って向かい側まで来た。

川から車道に出ると竹屋敷地区の集落の中を西に向かって歩いて行く。








車道を走る車の音が聞こえてくると、国道377号線が見え始めた。

その国道の下を潜りダイハツの看板のあるお店のから国道を南へと進んで行く。

多和力石地区の名前の由来の、弁慶が力を誇示するのに持ち上げたという力石があった。







力石を過ぎ、今度は国道から離れて橋を渡って槇川の川向へと歩く。

国道を進んで行くよりこちらの方が若干だが県境の近くに続いている。







道の正面に前回歩いた大相山の大きな山容が見え始めると、

中山峠まではあと少し。道の両側には民家が点在しているが、その半分は人の気配がない。

槇川と合流した曽江谷川の橋を渡り国道193号線に出て

中山峠の朝デポした場所まで戻って行く。行動時間4時間38分。沿面距離14.3km。

あのエントツ山さん曰く『最も手を抜きやすく又忠実に県境を辿るのが難しいとも言える縦走ルート』と

言わしめた今回のルート。県境のほとんどが川の中で、その川に沿っての道は無く

車道を歩けば楽勝だが、それだと県境から外れてしまう箇所もある。

それでも今回、ほぼ県境の近くを歩く事が出来た。

次回は今日の境目から鵜峠。以前歩いた時に苦戦した鵜峠の手前のイバラの藪が、

残り三回の計画の山場となるだろう。さぁ~二月中には完歩できるかな?











中山峠まで戻って今日の楽しみの『わたなべのおでん』を食べに移動する。

お店の前には車は停まっていたが暖簾がかかっていない。

恐る恐るお店の中に入り声を掛けると、中からおばあちゃんが出てきた。

今日はお休みだけどおでんを温めて出してあげるという。

ただわざわざ温めてもらっては悪いので、断りを入れて

スタート地点に戻る途中の大窪寺へ寄り道して、前回食べた八十八庵の向かいの

野田屋さんで今回は打ち込みうどんを頂くことにした。

甘い白みそ仕立ての出汁にピリッと薬味が効いていて、冷え切った身体には

少し遅めだったが最高のお昼となった。








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