里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'24~皮を剥く(大玉揃い)

2024年11月20日 | 干し柿づくり

今年の干し柿用「蜂屋柿」は裏年に当たり成りは少ない。
しかし、一昨年のような大不作ではなく、ほどほどに成っており大きい。
昨年のように成りすぎて小さいよりは遙かによい状況です。
例年500個程度の干し柿を作ってきましたが、老体の身故300個くらいで十分と思っていたところでした。
助っ人2人が穫ってくれたのは有り難い。とは言え昨年より嵩がありそう。
段ボールで山盛り7箱ほどで、見るからに大きい。


小さい柿ではモチベーションも上がらないというものですが、これならやる気が出ます。


大多数が300g級以上の大玉、このような400g超級の特大玉も次々と出てきます。




昨年は中玉主体で、特大玉はありませんでした。
今年は小玉は殆どなく、右から特大玉、大玉、中玉。大玉率が9割を超えているようです。


大玉の比率が高い分、数的には昨年より大分少なく400個くらい、重量では今年の方がずっと重いと踏みました。
贈答品を作るには好条件です。但し上手く干せればですが。
皮剥きは例年どおりのやり方です。
年一度の文化財級道具の出番です。
小生の幼少期から使われていた木製ピーラーとでも言うべき皮取り器とナイフ。


黒光りしているのは柿渋によるもので汚れている訳ではありません。
柿渋の防錆効果で錆も殆ど付かないため軽く研ぐだけで十分です。
例年と変わらないので省略してもよいのですが、一応やり方の要領を記しておきます。
「蜂屋柿」は大型の円錐形なのでナイフだけでは上手く剥けません。仕上がりも悪い。
それにしても大きい。軒並みこのような大玉。昨年は感じられなかった手応えです。


まずは当地で通称肩回しと言われるもの。
ナイフの背の先を柿の軸にあて、ヘタの周りの皮を剥きます。


軸をテコにし一回しし、皮と一緒にヘタを取り除きます。
剥く時は、ナイフは動かさずに柿の方を回転させる要領です。
さらに、肩の部分をナイフで1回しか2回しします。
大玉では2回ししないと後の作業がやりにくい。


慣れないとナイフを動かすことになりがちですが、スピードが違い仕上がりもよくありません。
機械剥きを見ても柿の方を回転させており、同じ道理です。
次に皮取り。
皮取り器は利き手の親指と人差し指で鉛筆を持つような感じで持ちます。


中指、薬指、小指を柿に添え、柿をテコにして皮取り器を動かします。
同時に柿を持った手も左右に動かしながら先端まで一気に剥く要領です。


薄く細く剥ければ仕上がりが綺麗です。途中で止ったり太く厚く剥いてしまうと仕上がりがよくありません。
へらを持つようにしたのでは一気には剥けません。
今年は殆どが大玉なので、大小区別はしないで剥けます。発泡スチロール1箱だけ出来上がり。


今年も昼食後から殆ど休みなしで剥き続けたものの大幅な残業となりました。
数を数える余裕はありませんが、吊す時に何れハッキリします。
これほどの大玉揃いは近年なく、我が家では10年に一度あるかと言ったところでしょう。
但し、軟らか過ぎるものが多く、1割くらいは使えませんでした。
これが翌早朝のもの。


通常は皮剥きから吊すまでを一連の作業として終わらせるのが本来のやり方です。
今、我が家ではそれが難しいため、翌日に硫黄燻蒸し吊すような段取りにしています。
小生が何故皮剥きの作業をかくのごとくやれるかについてはこれまでも記しています。
かつて我が家には柿園があり干し柿も生産していました。
干し柿を作る時期は正に猫の手も借りたい状況で子供も手伝うのが当たり前でした。
小学校高学年ともなれば当然のごとく剥き手の一人に数えられていたのです。
柿剥きは流れ作業になっており、前述のいわゆる肩回しは大人の男子、皮取りは女性と子供でした。
ですから小生も専ら皮取りが役目で、通算すれば何万と言う数の柿を剥いているはずです。
長じては長く皮剥き作業は中断していましたが、手順や要領は体に染みついているため再開しても何の苦もなく出来る訳です。


古木のザクロに実が1個

2024年11月19日 | 古木管理

我が家の庭の主とも言うべき古木のザクロ。


我が家の庭には樹齢100数十年と推定している古木が幾つかあります。
中でもこのザクロの存在感は他を圧しています。


しかし、老木だけに年々樹勢が弱ってきました。幹の腐れや空洞も目立ちます。


昔のように太い枝が伸びるようなことはなくなり、新しい枝は殆どが徒長枝です。
葉が黄葉するのも早く、すでに大半が落葉しています。


昔は実も沢山着けていましたが、20年前くらいからめっきり少なくなり近年は実を結ばないのが当たり前のようになってきました。
今年の夏も花が咲いたのは僅か。実が留まるのは難しいと思っていました。
しかし、花が咲いた後、実が留まったように見えていました。
もしかしたら落果せずに生長してくれるかもしれないと甘い期待をしていました。
それが実を着けてくれたと言うことです。


そもそもザクロは実の留まりが悪く花が咲いても結実するのは一部です。
樹勢が弱り花数僅かの状況では奇跡的といってよいかもしれません。


昔は樹勢がよく沢山の花が咲いたので結実率が悪くても沢山実を着けたのです。
一昨年、何年かぶりで固まって数個成り、この時も奇跡的と思ったものでした。
昨年は全く成らず、今年も難しいだろうと思っていたところでの1個。明るい気分になります。


幼少の頃は木によじ登って熟した実を採りよくしゃぶったものです。
ザクロの木には鋭くはないもののトゲ状のものがあります。
採るには少々痛い目をしないといけません。それでも物のなかった時代には貴重でした。
ザクロの実は完熟するとパックリと割れてきます。
しかし、それを待っても無理のようです。皮に張りがないと割れないのです。


放置しても皮が老化するだけなのでここで採ることにしました。


強制的に割ってみました。


完璧な赤色とまでは行きませんでしたが、鮮やかです。
ザクロの実は酸っぱいながらも甘味もあり、昔は果実として利用していました。
幼少の頃を思い、しゃぶってみました。懐かしい味が蘇ります。
ザクロは実に赤い種子が沢山入っていることから、古来子宝のシンボル、子孫繁栄の縁起のよい木とされています。


秋ダイコンは順調も秋ニンジンは不調

2024年11月18日 | 畑:根菜類

今年ダイコンは2回に播いています。品種は何れも「耐病総太り」。
シンクイムシ(ハイマダラノメイガ)対策もあって早播きは止め、1回目は8月26日の種播き。
いわばこれが秋ダイコン。


種播き後から土寄せ時まで不織布をべた掛けしており、虫の被害は防げています。
秋ダイコンは肥大の良さそうなものを10月末から穫り始めました。
今は何れも同じくらいに太り、どれを穫っても支障なくなっています。


畑が粘土質なので根は曲がりやすく、抽根つまり地上部により伸びやすい。
こちらが2回目に播いたいわば冬ダイコン。9月9日の種播き。


順調に太っています。12月の収穫で冬囲いにもするので急ぎません。


秋ダイコンを引き抜いてみます。粘土質の土が一緒に付いて抜けてきます。


曲がりはあるもののまずまずの太り。尻まで肉が付き「耐病総太り」らしくなってきました。
洗ってみます。


肌は綺麗です。一方のダイコンはかなり長大になっていました。
「耐病総太り」の最大の長所は長大になっても殆どス入りの心配がないこと。
まだ気温が高いですが、もう少し気温が下がってくれば一層味が乗ってくるでしょう。
こちらは秋ニンジン。


ニンジンは2回に播いています。1回目が7月19日、2回目が8月10日。
品種はいずれもトーホク種苗の「黒田5寸陽彩」。
今収穫しているのが1回目に播いたこの秋ニンジンです。


10月20日頃から穫っていますが、残念ながら不調。
気温が高く茂ったところに結構雨が降ったため腐敗が出ました。
葉や茎が大分枯れ、勢いが悪くなりました。


種播き後4ヵ月近くになるので一番姿がよくなる頃ですが回復しません。
奥の方が2回目に播いた冬ニンジン。


やや茂りすぎ傾向ながら勢いがよくこちらは順調。やや進んでいるように見えます。
こちらは12月からの収穫予定で一部は囲いに回るので急ぎません。
秋ニンジンを抜いてみます。


長さはそれなりながら太りがよくありません。
洗ってみます。


尻の太りが悪く、本来の姿からはほど遠い。これからどのくらい太ってくれるか。
本数は沢山あるので、気にせず穫り続けるしかなさそうです。




水墨画「里芋と薩摩芋」

2024年11月17日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙
   

今年の我が家のサトイモは日照りの影響をまともに受け大不作。
小生不在時に助っ人がみな掘り取ってくれました。同時にサツマイモの掘り取りも終えていました。
よって小生は今年は芋の掘り取りに手汚さずです。
いつの間にやらサトイモとサツマイモの種や苗を助っ人が調達してくるようになりました。
10月半ばから少しずつ掘っており、サトイモが不作なのは分っていたことです。
例年サツマイモもあまり穫れたことがないのですが、今年は畑を変えたこともあってかそれなりに穫れています。
小生はサツマイモは積極的には食さないので正直関心が薄い。
サトイモは好きでこの時期いも煮が美味しい。2年続けて不作だったのは残念。
少ないながらもこれから他の土物と同様に貯蔵しつつ食していきます。
幼少の頃、サトイモのとろみが苦手でよく残したものでした。
歳を重ねるに従いサトイモのとろみが好きになってくるから不思議です。
昔から我が家で自家採種し作っていたサトイモの品種は土垂(どだれ)です。
小振りながらとりわけ粘り、とろみが強い。
掘り上げたサトイモとサツマイモをモチーフに水墨で描いてみました。



長ネギはさらに土寄せし本格収穫

2024年11月16日 | 畑:葉菜類

長ネギは4回目の追肥土寄せをしてからほぼ1ヵ月。
品種はホワイトスター。


今年は夏の日照り状態からその後は不安定な天候となり想定よりは遅れました。
しかし、我が家のネギとしてはまずまずの生育で乗り切ってきたと思っています。


今は丈も太りも一回り大きくなり。昨年並の生育になっていると思われます。


植付け時にたっぷりと敷き藁をしたことが奏功したようです。
湿害防止を最優先に植付け溝を浅くした代わりに畝幅を120㎝と広くしたことも要因です。
そうでなければ4回目の土寄せも十分には出来ませんでした。
そして、まだ若干の土寄せできる余裕があります。


ここでさらに土寄せをして軟白の充実を図ることにしました。追肥はしません。
機械を入れるのは根を傷めてかえってよくないと判断し、鍬で根元に土寄せします。


やりにくさはありますが、まだ十分土寄せできます。


少々くたびれましたが、土寄せ完了です。


1ヵ月後くらいには効果が発揮されていることを期待です。


9月中から密になっているところや生育の進んでいるところを抜き取り収穫してきました。
粘土質土壌なので水分状態が適度でないと抜き取り収穫はやりにくくなります。
今月早々からは畝を崩しながら一方からの本格的な収穫を始めました。
数本穫ってみます。


太さが一回り大きくなり、穫り頃になってきました。
調製してみます。


1ヵ月前と比べると丈はそれほど伸びていないものの全体的にはっきりと太くなりました。
軟白もかなり充実してきましたが、あと少し。
しかし、出回っている長ネギと比べても悪くありません。
昨年はネギが異常に高かったので収穫を早めましたが今年は少し遅れています。
これから気温が下がってくれば一層美味しくなるので、消費のペースを速めるよう促します。