里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'24~白粉が全体に回る

2025年02月07日 | 干し柿づくり

干し柿は、ころ柿の仕上がりとしてからほぼ1ヵ月。干し始めからだと80日ほど。
白粉が干し柿全体に回っています。
吊したまま放置すると乾燥が進み硬くなるので年内に取り込みました。
昔ならは稲わらを敷き「寝かせ」るという工程になるところながら今は簡易な方法です。
空気に晒されないよう段ポールの中に入れ、紙にくるんで保管。


当初は縄付きのままでした。その後、助っ人が全て縄から外し、さらに少なくなったのでポリ袋に入れ集約。


ポリ袋に入れれば空気からは遮断されるので硬くなりにくい。もう少し早くて良かったようです。


大玉揃いだった割にはかなり縮んでしまいました。
これは乾燥が進んだだけでなくもう一つ要因があります。
そもそも蜂屋柿は何個か種の入るのが普通です。しかし、昨秋穫った蜂屋柿には種がほんの僅か。全く種の入らない柿が多い。
これほど種の少ない蜂屋柿はこれまでなかった気がします。食べる段になって初めて分かりました。
どういう要因なのかは不明です。そのため大玉でもより皺が大きく縮みやすかったと思われます。
これは今茶菓子として出ている干し柿。


我が家では白粉が吹く前のあんぽ柿から白粉が沢山吹いたころ柿まで、長く味や食感の変化を愉しみます。
1個取ってみます。


割いてみます。


全く種がないようです。いわゆるヨウカン型で人によっては硬いと感じるかもしれません。
小生はこのくらいのほし柿も好むところです。
これは年明け後にころ柿が仕上がったところでタッパーに入れ、冷蔵庫で保管していた干し柿。


ほぼ1ヶ月経っています。自然に白粉が全体に回っています。
この方があまり硬くならず当時の状態を保ちやすい。
一つ取ってみます。


割いてみます。


こちらも種がないようです。同じヨウカン状でも柔らかめです。
このあたりは個人の好みで保管の時期や方法を工夫すれば良い。
ラップに包んでタッパーに入れれば水分が抜けずより状態が維持できます。
さらに長期に保存したければ冷凍が確実。
一寸取り出してみました。
これは年内のあんぽ柿の状態で冷凍したもの。


これは年明けのころ柿に仕上がったところで冷凍したもの。


干し柿は冷凍しても水分が少ないので凍り付かずに弾力があります。
やはり小生はこの時期になれば白粉が綺麗に回った干し柿でなければ物足りなさを感じてしまいます。
あと暫く春先まで愉しめるでしょう。


マルチ栽培のタマネギに早めのばらまき追肥

2025年02月06日 | 畑:土物類

越冬中のマルチ栽培のタマネギに追肥をしました。
天候が崩れそうと言うことで急ぎ例年より少し早めの追肥となりました。
種まきは9月6日、植え付けは11月4日。
4条の黒マルチが3ベット、植え付け本数は前年よりやや少ない450本ほど。


品種のメインはタキイ種苗の「ネオアース」ですが、前年から早生種を少し作っています。
カネコ種苗の「錦毬(きんきゅう)」と言う品種で、全体の15%ほど。
何と言っても貯蔵性抜群の「ネオアース」は絶対ながら春の1ヵ月ほどは端境期になります。
そこで早生種を試しています。
これがその「錦毬(きんきゅう)」。


昨年の経過から品種を変えようと思ったのですが、種が残っていたという消極的選択です。
前年は出だしはまずまずと見ていましたが、次第に生育がイマイチとなりべと病を発症。
今年は肥え切れを防ぐため元肥を多めにし、追肥も早めにすることにしました。
もともと苗が小振りだったので、想定していたような姿です。


葉色は良く芯も確かなのでこの程度なら良しとしましょう。
メインの「ネオアース」の生育は少々バラついています。


一部補植もしていますが、欠株はありません。
やはり苗が小振りだったので大苗で越冬することはないだろうと見ていました。


全体的にやはり小振り。ただ葉先が多少枯れるのはあまり問題ではありません。
芯の2、3葉がしっかりしていれば大丈夫です。


我が家の越冬時の姿は大概こんなもので、例年並みと言ったところ。
かなり貧弱な場合も結果オーライのことが多かったのでこの程度ならあまり気にしていません。
昨年は暖冬で、我が家としてはかなり大柄で越冬しました。大苗で越冬するとトウ立ちのリスクが高まります。
案の定暫くぶりでトウ立ちが見られたものの支障のない程度でした。
今年の姿は昨年に比べるとずっと小振りなのでトウ立ちの心配はないでしょう。しかし、逆に小玉になる懸念はあります。
「ネオアース」を作るようになって以来、大玉が続いているので、それは何としても避けたいところ。
追肥を少し早める理由でもあります。
これまでも何度か書いているとおり、昔は追肥をしない主義でした。
マルチ栽培では緩効性、遅効性の肥料を組み合わせ全量元肥でやるものとされていたのです。
ある時、高齢の方がマルチの上から肥料をばらまいているのを見て無駄なことをと思いました。
しかし、もしかしてと試しにやってみると目に見えて効果があったのです。
目に鱗と言うものですが、これが偶然だったのか理にかなっていたのかは未だ分かりません。
以来毎年続けており、特段悪かった憶えもありません。
我が家のマルチのベットは中高の かまぼこ形に作ってあります。
そもそもは排水をよくするためですが、肥料をばらまくのにも好都合です。
植え穴を狙ってやることはしません。粒状肥料をベットにバラまくだけです。


それで自然に転がり植え穴に入っていきます。


2、3粒から数粒は入っています。


もちろんマルチ上に留まっている肥料やベットから落ちてしまうものも多くあります。


しかし、何れ雨や雪で溶ければ流れて入り多少は役立つだろうとラフに考えています。
逆に植え穴に入りすぎると肥え焼けの心配があるかもしれません。
何れ水に溶けないことには効果がないので、予報を見ながら早めにやるようにしています。
途中からみぞれがパラつき出しました。これで上手く効いてくれれば有り難い。
長期貯蔵中のタマネギの状況については後日記します。

老朽化した育苗ハウスの補修

2025年02月05日 | 田んぼ

昔、数棟あったパイプハウスは老朽化し10年余り前までに全て解体。集約して1棟だけ水稲の育苗ハウスにしています。
それも資材は50年以上にもなろうかという年代物なので育苗期間以外はビニールを剥ぎ災害リスクを回避しています。


今やこのような旧式のハウスは殆ど見かけなくなりました。
但し、解体集約する折り、ハウスを強化するため支柱は全て2本にしました。
したがって、老朽化しているとは言えパイプは通常の2倍の本数になっています。
さらに筋交いを入れ、それぞれのパイプを針金で縛り強化を図りました。
それでも弱っていることは間違いないのでこの時期に点検と補修をやるようにしています。
まずパイプ同士を縛っている針金を締め直し、弱っている針金は交換します。


次に妻面の補強している柱をチェックします。
かなり原始的ではありますが、山から切り出した栗の木を強化の柱にしているのです。
栗材は水に非常に強く他に優る木材はありません。しかし、土の中に入っている部分は次第に腐れます。
これは柱を補強している杭が大分腐っているので交換です。


切り出したばかりの栗の木は重く扱いにくいのでしばらく放置し軽くなったものを用います。
新しい杭を打ち込み、太い針金でしっかり縛ります。


このようなものはあと1本だけでした。
次に屋根ビニールを抑えるマイカー線を止める足場用パイプをチェックします。
このような旧式のパイプハウスは屋根ビニールをマイカー線で持たせる仕組みになっています。
したがって、マイカー線を両側で止めている足場用パイプに大きな負荷が掛かります。
これが弱ると暴風時にハウスごと持ち上げられ吹き飛ばされることもあるので最も重要です。
補強杭を縛っている針金の緩みを締め直します。


これは締め直している時に針金が切れてしまいました。


杭は大丈夫なので針金だけ交換です。


これは杭が腐っており交換です。


保管していた適当な長さの栗材を利用します。


杭を掛矢で打ち込み、太い針金でしっかり縛って出来上がり。


数本交換し終了しました。
毎年点検補修していると数年くらいで一巡するようになり、被害を受けるリスクも抑えられ丁度良い。
全て一挙にやるとなると負担が大きく被害を受けるリスクも高まります。
栗材は市販の材料などより遙かに強く補強材として一番。全て自ら山から切り出したもので経費も僅か。
里山の天然資源の有効利用で環境保全にも繋がります。
但し、体力は若干消耗します。そんな時は一服しながら石垣に生えた南天を愉しみます。
これは育苗ハウスのすぐ裏にある日本スイセン。


石垣のそばにあり気温が上がるため1月半ばくらいから蕾が膨らんでいました。
何時も咲き出す前に助っ人が採って行くのでなかなか開花に至りません。
少し離れた別のところで咲いているのを見つけました。






土作り中の畑を再び耕耘

2025年02月04日 | 畑:果菜類

我が家の畑は殆どが粘土質土壌です。特に強い粘土質の畑は冬期間は休ませ土作りに専念することにしています。
全面を行うのは大変なので前年畝間(通路)だったところを今年畝にするように段取りします。
毎年同じところが畝にならないようにすることで連作障害の回避も期待していますが、効果は不明です。
11月半ばに切りわらに木炭や石灰窒素を加えすき込みました。その後1ヶ月くらい経って再度耕耘。
繰り返し耕耘することによって空気が供給され腐熟が進み土に馴染んでいくのです。
それからさらに1ヶ月半ほど経過しています。


繊維分もかなり細かくはなっていますが、まだはっきりと見えます。


冬期間の作業は天候に左右されます。大雪に見舞われれば手の付けようがなくなります。
日本海側は大雪になっているところも多いようですが、当地はここまで降水量自体が極端に少ない。
近くのアメダスデータで12月と1月の2ヶ月合計の値が降水量55㎜(平年値101㎜)、降雪量13㎝(同58㎝)、最深積雪5㎝(同13㎝)となっています。
それにしても少ない。降水量が半分、降雪量に至っては1/4以下です。
もともと西高東低の冬型の気圧配置が続く限りは多少雪雲が流れ込む程度で大した積雪にはなりません。
危ないのは冬型の気圧配置が崩れて南岸低気圧が北上するとき。東京にも雪が降るようなときです。
10年に1、2度と言ったところですが、重いドカ雪に見舞われ痛い目に遭うことがあります。
過去の経験則から言って今冬のようなときほど危ない。それでもある程度は降ってもらわないと困るのです。
仕事はやれるときに早めにやっておく方がベター。ベストではなくベターを目指します。
と言うわけでまずは再び耕耘します。
その前に有機肥料を散布します。


バーク主体の市販のものです。


畝になる位置に帯状に散布。地力が高まることを期待。


トラクターでゆっくりと深く耕耘。


繊維分はさらに馴染んで細かくなり均平度が高まりました。


切わらをすき込んだ当初に比べると雲泥の差です。




まだ組織がはっきりと分かります。


こちらも再び耕耘。


これでほぼ土に馴染み腐葉土化するでしょう。


越冬時の耕耘作業は終えたので取り敢えずは一段落。


冬囲いしたハクサイは品質良好

2025年02月03日 | 畑:葉菜類

冬囲いしたハクサイを適宜穫っています。
冬囲いしたのは12月19日。
品種は、トーホク種苗の中晩生種「郷秋80日」。8月28日に直播きしたもの。
冬囲いした時点では全く手をつけていませんでした。
早生ハクサイが残っていたためで、穫り始めたのは年明け後やや経ってからです。
冬囲いする時にはすでに殆どが完全結球していました。
冬囲いは2通りの方法で行っています。
こちらが作業場の中に取り込んで囲ったハクサイ。


外葉を数枚残して新聞紙で包み、逆さまに立て寄せています。


この方法は天候に左右されないので確実な方法です。但し、手間がかかりスペースが必要。
今回囲ったのはこれまでより少ない10数株。
この包みを開けてみます。


包むときに外葉数枚を必ず残すことが大事です。


外葉の数枚を剥げば綺麗な結球が出てきます。新鮮でしっかりとしています。


外葉でしっかり包んでおけば結球部分の水分は殆ど変わらず、畑のものと同等の鮮度が保てます。
重さは3.2㎏ほどでした。
こちらが畑でそのまま囲ったハクサイ。


当地でも一般的に行われている方法で、最も簡便なやり方です。不織布で覆いをしています。
今回は楽なこの冬囲いが20数株と多めになりました。
但し、天候の影響を受けやすく、大雪に見舞われれば雪に埋もれ、酷寒になれば凍害のリスクがあります。
今冬は何れでもなくこの冬囲いには恵まれた天候です。


外葉が大きくしっかりしているので、強く縛っています。


外葉の傷みは想定していたより少ない。酷寒なら外葉は殆ど枯れてきます。
不織布の効果もそれなりにあるようです。
やや大きめの株を穫ってみました。


外葉を数枚剥くと綺麗なハクサイです。凍結すれば少し変色してきますが、全く見られません。
3.5㎏ほどの大玉でした。


今冬のような天候ならこちらの方が簡便で楽と言うことになりますが、そう単純なものでもありません。
何時までも畑に置いておけばやはり外葉の傷みは大きくなってきます。
また、気温が次第に上がってくるのでハクサイも生長します。そうすると結球中で花芽が伸び割れてきます。
何れにしても、畑にそのまま囲ったハクサイは2月中には取り込む必要があります。
穫った二つを比べてみました。左が中に囲ったハクサイ、右が畑に囲ったハクサイ。


殆ど変わりません。畑の方のハクサイは隣家に差し上げました。