里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「人参とほうれん草」

2025年02月02日 | 水墨画:菜果
本画仙紙 色紙

ニンジンとホウレンソウの組み合わせで水墨画を描いてみました。
健康を保つ上で欠かせないとされる野菜の中でも取り分け重要とされる緑黄色野菜。
その中でもニンジンとホウレンソウは連想される品目の最上位にランクされるかもしれません。
この2品目には様々な栄養素が含まれますが、最も大きいものがβ-カロテン。
このβ-カロテンも品種や収穫する時期によって違うことが知られています。
一般論ですが、やはり色の濃い品種は含量が多い傾向にあるようです。
そして、収穫時期では冬場の方が高まるのはほぼ一致します。これは生育期間とも関連します。
夏ホウレンソウは1ヶ月も掛からず収穫されますが、厳寒期の冬ホウレンソウは100日以上を要することも珍しくありません。
β-カロテンの含量が生育日数の違うほどに差があることがデータ上にも表れています。
ところで、ニンジンとホウレンソウと言うと、小生が幼少の頃、子供の嫌う野菜の双璧だったように記憶しています。
かつては何れも味や香りが濃く個性が強かった気がします。それが品種改良が進みF1が多くなり、万人に好まれる癖のない品種に変遷してきました。
果たして現代の子供たちはどのように感じているでしょう。


原木シイタケの仮伏せ

2025年02月01日 | 山菜

原木シイタケの仮伏せをしました。
仮伏せとは温度と湿度を保ちシイタケ菌が繁殖しやすくするための作業のことです。
前日に植菌を終え、原木はコモを掛けて一晩置いています。


今回は種駒1,000個を使い切ったところで打止めにしており、本数は23本でした。


原木は次第に乾き切り口にひび割れが見えてきました。


仮伏せする場所は自宅のすぐ側。少しばかりの原木なので一輪車で何回か運びます。
以前は、家裏の日陰の場所で仮伏せしていましたが、灌水がしにくいので変えました。
この場所はコンクリートたたきになっており、直射が当たるため仮伏せにはあまり適しているとは言えません。
ただ、近くに水道があるので灌水が容易にできます。
仮伏せ中に状況によっては灌水が必要になります。近年はこの場所で仮伏せしており、あまり問題なさそうです。
一番下の2本は栗の木で単なる置き台です。


以前はいつも仮伏せ途中に散水することが多かったため、ここ3年ほどは初めに散水しました。
それで菌の繁殖も悪くないように見えるので、今年も同様にします。
とりわけ今年は降水量が極端に少なく異常乾燥だったことから原木はより乾いていると判断しました。
これまでの経験で、全部原木を積んでから散水すると下までうまく掛からないようです。
1列並べたところでまず軽く散水しました。


昨年やったように今回も1段積むごとに軽く散水することにしました。


そのためとは言いませんが、昨年は稙菌1年目の秋から結構穫れたのです。
これで全て積み上げました。


最後の散水が終わりました。


そう言えば、とここで気付きました。本来、仮伏せは薪積みにするのが普通らしいのです。
昨年と同じことを繰り返してしまいました。完全に縦横に積む癖が付いてしまったようです。
いまさらしょうがありません。昨年もそれで大した支障はなかったと都合良く解釈。
この場所は直射をまともに浴びるためコモで周りに覆いをします。これは絶対。


コモは仮伏せが終わればもう使えなくなってしまうので処分しても惜しくないものを使用します。
最後に古ビニールで覆いをして終了です。


古ビニールも毎年使っている年季の入ったもの。
コモとビニールの組み合わせで温度と湿度が適当に保たれることを期待。これまでの結果はまずまずです。
3、4週間経過したところでシイタケ菌の発生状況を確認します。

原木シイタケの稙菌

2025年01月31日 | 山菜

原木シイタケの植菌をしました。
過日伐採した原木のナラの木は、作業場の下屋に搬入しコモを掛けてあります。


当地は長期間降水量が極端に少なく、原木自体が乾いています。切り口にはひび割れが見え始めました。


シイタケ原木は直径10~15㎝が理想とされています。
この原木で約15㎝。


多くは範囲内にありますが、15㎝を越えるもの、10㎝を下回るものも若干あります。
種駒は日本農林種菌の「すその360」という品種。


馴染みの農業資材店では取り扱っているのはこの品種だけ。現在作っている原木シイタケは全て同じ品種です。
開封すればこのようにシイタケ菌が繁殖した種駒が入っています。


今回は種駒500個入り2袋を使い切ったところで本数に関係なく打止めにします。
昨年稙菌した原木が1年目の秋から結構出たのは標準を上回るように打ち込んだことも要因の一つと思われます。
今年も不足しないように駒打ちをすることを心がけます。
作業前に簡単なマニュアルを確認。最初の1本だけは計測し確認しながら植え込みます。
まず電動ドリルでの穴開け。穴の直径は8.5㎜、深さ20数㎜。


マニュアルによると穴の数の標準は長さ1mの原木の場合、太さの直径の4倍以上となっています。
我が家の原木は長さは約90㎝なので換算すると直径の3.6倍。
平均的な原木の直径12、3㎝のものだと45穴くらいが目安になります。
穴の間隔は15~18㎝。


列の間隔は3~4㎝。千鳥に植え込みます。


切り口近くは数㎝のところに穴を開けます。


穴を開けたところに種駒を入れます。


ハンマーで種駒を打ち込みます。


実際には穴を開けたところに少し纏めて種駒を入れます。


そして、纏めてハンマーで打ち込みます。


節の所や枝切りした周辺は菌が回りにくいので多めに穴を開け種駒を打ち込みます。


原木1本打ち終わったところで50穴ほどになったので標準以上に達していると思われます。


1本打ち込みが終われば大体感覚がつかめます。あとは計測なしの目測だけで大丈夫です。
今回は原木23本で打止めとなりました。


1袋500個丁度だとすると、打った種駒は1本当たり43、4個となります。
ほぼ標準通りに打ち込むことが出来たようです。
コモを掛けて稙菌の作業は終了です。




アスパラ菜が再び盛りになる

2025年01月30日 | 畑:花菜類

アスパラ菜は11月早々から穫り始め、11月20日頃からは子茎(1次側枝)が穫れ始めました。
さらに12月半ばからは孫茎(2次側枝)が穫れ始め、1月始めにかけ盛りに。


しかし、株に疲れが出てきたのか外葉に斑点が目立ち、次第に枯れ葉になりました。
もしかするとこのまま終焉に向かうかとも思いましたが、さにあらず。
斑点が出た外葉は枯れてなくなったものの見事に盛り返しました。


一旦は穫れ方が疎くなりましたが、再び沢山の孫茎(2次側枝)が伸びています。


孫茎になると、株の力が落ち気温も下がってくるため伸びは鈍くなってきます。
茎も次第に細身になり丈が短くなってくることが多い。しかし、よく伸びています。


大寒になって逆に気温が上がってきたのも幸いしたかもしれません。
株の勢いがはっきりと蘇ったように見えます。


アスパラ菜はそもそも収穫するときには花がかなり咲いていることが多い。
しかし。当地の厳寒期にはさすがに花はあまり目立たなくなるのが普通。それが数日置いただけで花盛りと言った雰囲気になっていました。


この株を見ると、主枝(親茎)子茎の穫り跡はこのようになっています。


子茎は2、3芽で切るようにしていますが、孫茎も同様に2、3芽残しで切ります。


孫茎を切りました。


孫茎からはひ孫の茎(3次側枝)が伸びてきます。
今冬は「寒咲花菜」のわき芽(側枝)の穫れ方が予想よりも大分遅れました。
そんな中アスパラ菜は順調に穫れ続け、この先も期待できそうな姿です。


急激な低温を免れており耐寒性も増しているようです。
数株穫ってみます。


長さも太さも十分。孫茎でこのくらいのボリュームになれば言うことはないでしょう。
アスパラ菜は多少花が咲いても食べるのに支障はありません。
味に癖がなく嫌う人間もいないので助っ人もせっせと穫っています。
過去には春先までアスパラ菜が生き残りナバナ類が勢揃いしたこともありました。今年は可能性があるかもしれません。


「寒玉キャベツ」穫り始めるもこれまでと姿が違う

2025年01月29日 | 畑:葉菜類

冬キャベツを穫り始めました。
今、畑には秋キャベツ、冬キャベツ、春キャベツの3種があります。
これが秋キャベツ。


僅かながらまだ残っています。品種はトーホク種苗の「あまいキャベツあまみさき」。


酷寒の年なら凍害が出るのでここまで残しておくことはありません。今年は冬キャベツと比較できます。
穫ってみます。


残っている秋キャベツは凍害らしき症状も殆どなく変わりません。
そして、こちらが穫り始めた冬キャベツ。


品種はトーホク種苗の「寒玉キャベツ」。
当地では冬キャベツのことを通称「寒玉」。そのものズバリの品種名です。
低温に強く、積雪になれば雪中甘藍としても使える品種です。

種播きは8月13日、9月3日に植付け、10月7日に追肥土寄せ。
概ね順調な生育で大概の株がほぼ完全結球しています。


遅れているものでも8分結球以上になっており、全て完全結球となるでしょう。
冬キャベツはこれまで何品種か作っていますが、近年はこの品種です。
この品種の特徴は外葉が大きくやや垂れ気味ながら生育旺盛で大玉になること。
そして、低温に晒されるとアントシアニンの色素が強く出てきます。
酷寒の年には紫キャベツのようになることがあります。ところが、今年は様相が少し違います。
アントシアニンの色素があまり出ていません。葉の縁が僅かに紫っぽくなっている程度。


ところが所々にアントシアニンの色素が強く出ている株が混じっています。これがこれまでの「寒玉キャベツ」です。


種を播いたときに古種が少し残っていた可能性もあるのですが、失念してしまいました。
たまたま並んでいる株を比較するとよく分かります。


全体の姿や葉脈の形も少し違って見えます。
個人の好みの問題もあり、どちらが良い悪いと言う訳ではないものの少々気になります。
これまでも品種名はそのままで種苗会社で品種の性質を変えることはたまにありました。
そこでトーホク種苗(現在の正式名は株式会社トーホク)に照会してみました。
結論は予想通り地方営業所に回されての「昨年までの品種と変わりません」と言う回答。
育種技術者の回答を期待するのは無理というものでした。
多くある方のタイプを穫ってみました。


姿形は整っており、しっかり結球しどっしりしています。
外葉を1枚外し秋キャベツと並べて比較してみます。右が秋キャベツ、左が冬キャベツ。


冬キャベツは2㎏強、秋キャベツは2㎏弱で丁度適当な大きさでした。
葉の厚みや葉脈の違いなどが写真からでもよく分かると思います。
寒玉キャベツは耐寒性が強い分当然に葉は硬く、秋キャベツは柔らかい。
寒玉キャベツは煮崩れせず甘味、旨味が濃いので炒め物や煮物に最適とされます。小生はあまり気にしませんが。
こちらは春キャベツ。


品種は「金系201」。小振りな苗を植え付けたもののその後の生育は順調。
年越し時点では例年並の生育進度と思っていましたが、ここにきてやや進んでいる印象です。
キャベツは10月から6月に入るまでの長期収穫を目指しています。