里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'24~贈答品を作る

2024年12月22日 | 干し柿づくり

干し柿の贈答品を作りました。
今年は殆どが大玉だったので遅れると思いましたが、想定以上に乾燥が順調に進みました。
したがって、贈答も思いのほか早くできることになりました。
本来なら白粉を吹かせたころ柿の方が良いのですが、今はあんぽ柿の段階で早めに贈るようにしています。
近くの親しい方には縄付きをそのまま届けます。
遠方の親戚、知人あてには箱に詰め宅配にします。
昔は数十個贈ることありましたが、今は20個程度で勘弁願っています。
お互い負担にもなってきたので、正直そろそろ止め時かと感じてもいます。
何はともあれ今年は例年のように姿の良いものを選別し、体裁を整えて箱詰めにします。
今年は横吊りにしているものどれを取っても大玉なので作りやすい。


いつまでも空気に晒し続けると硬くなってくるので、紙で覆いを始めました。


まず25個詰めにしてみましたが、若干重なるようになりました。


大玉揃いと言いながらも大小はあるので揃える必要はあります。今年としては標準的なサイズ。
といってもすべて大玉なので、十分ボリューム感はあります。


照明の関係か若干実物とは違う感じに写っています。実際はもう少しオレンジっぽい感じです。
2、3日置いただけで少し感じが変わっています。白粉が薄らと吹いてきました。


少し盛り上がるくらいになってしまいました。潰れるのが少々心配ですが、良しとしましょう。
もう一つ作ります。


こちらは特大玉主体に20個詰めにしました。ボリュームは申し分なし。


これで白粉が吹けばもっと見栄えがするはずです。
すでに白粉が吹き始めているので届いた後に何日か置いてもらえばころ柿風になってくるはずです。


もっとも、当地方では殆どあんぽ柿の状態で出回るので、白粉の回らないのが普通になっています。
我が家でこのくらいのサイズを揃えるのはなかなか大変。来年も期待されると困るのですが。
昔はもう少し白粉が回ってから贈っていました。それだと年末ギリギリになりやすい。
早めに送った方が気が楽です。
助っ人は1週間くらい置いて白粉が回ったところで送るそうです。
特大玉と思われる干し柿を取ってみました。


薄ら白粉が吹いてきたのが分かります。
ボリューム満点で、小生には一度では少々多すぎるくらいです。


今年は安心して贈答できる干し柿になりました。


冬至南瓜に辛うじて使える「雪化粧」

2024年12月21日 | 畑:果菜類

今日は冬至。
冬至の習わしと言えば冬至南瓜です。
そのために作っているのが遅穫りのカボチャで品種はサカタのタネの「雪化粧」。
7月2日の種播き。
古種を使ったせいもあるのか勢いが悪く、日照りの影響をまともに受け残ったのが数株。
そして、着果したのはこんな感じで僅か2個。


果実も小さく辛うじて生き残ったという感じです。


サカタのタネでは、「雪化粧」は開花後50日で最高の品質になるとしており、日数だけは十分経った10月末に収穫
これが、その時のもの。


そもそもが無理な作型のため猛暑の夏となれば皆無でも文句は言えません。
結局ここ数年の冬至用カボチャの収穫実績は0個、3個、6個、5個、そして今年2個。
何はともあれ0個よりはましと言ったところ。
「雪化粧」は極粉質で貯蔵性が非常に高いのが特徴です。
サカタのタネでは、1カ月程度の貯蔵で甘みが増し食味が最高になるとしています。
しかし、穫ったのが小さな果実2個だったためここまで残してきました。
今まで保存してきたカボチャがこちら。


「雪化粧」が駄目になることも考え取り敢えず「九重栗」カボチャの3番果も残していました。
「九重栗」カボチャも今年は不作で、姿は甚だ悪い。
冬至が過ぎれば全て処分です。
「雪化粧」の姿は穫った当時と殆ど変わっていません。


小さく変形しているのは当初からなのでしょうがありません。カビや腐敗のないのは幸い。
助っ人と1個ずつ分けることにしました。
切ってみました。思いのほか綺麗で、食するのに問題なさそうです。


ボリュームはないものの冬至南瓜には使えるようです。
「雪化粧」はいわゆる白皮系のカボチャながらやや青みがかった灰色です。
これまで何度か作っている渡辺採種場の「白爵」はほぼ純白。
作りやすさでは「雪化粧」がやや優る印象です。
白皮系カボチャは「九重栗」など黒皮系カボチャと比べると黄色味がやや薄い。
当地方の冬至南瓜は小豆と一緒に煮込むのが一般的。
我が家ではシンプルな南瓜煮。小生の好みで醤油ベースです。
冬至南瓜の風習は全国各地にあることでしょう。
冬至南瓜を食べると風邪を引かないと言われます。失敗作の冬至用カボチャながらご苦労分程度の御利益には預かりたいもの。
そして、ユズを頂いたので今晩は柚子湯にも入ろうと思います。

中晩生ハクサイの冬囲い

2024年12月20日 | 畑:葉菜類

ハクサイの冬囲いをしました。
品種は、トーホク種苗の中晩生種「郷秋80日」。
8月28日に直播きしたもの。


昨年ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)で痛い目に遭ったので追肥土寄せするまで不織布をべた掛けしました。
今年は被害はなく生育も順調ですが、まだ手をつけていません。
と言うのもこのようにまだ早生ハクサイが残っているからです。品種は「郷秋60日」。


早生ハクサイは虫対策が奏功し10月下旬から穫り始め
品質も良好です。
中晩生ハクサイはすでに殆どが完全結球しています。


この品種は外葉が大きく遅くまで青々としています。
次第に耐寒性も付いてくるので囲いは急がないようにしています。
それでも暖冬だった昨年とは違い今年は例年並に冷え込んでいるので頃合いです。
今年も2通りの方法で行います。何れも古典的なやり方です。
一つは畑から室内に取り込んで貯蔵する方法。
外葉を数枚付けた状態で収穫します。


作業場の下屋に運び込みます。


少し乾かした後、新聞紙で包みます。


大球になっているため2枚の新聞紙をずらして重ね、全体を完全に包みます。
この時、外葉を剥かず数枚を必ず付けて包むことが大事です。
ここから先は助っ人がやってくれました。
きっちりと寄せ逆さにして立てます。


こうすると芯が生長しにくいと言われますが、おまじないのようなものでしょう。
この後、覆いをして完了です。
この方法は天候の影響を受けないので、最も確実です。
外葉を付けて包むことで、使うときに外葉を外せば鮮度は十分保たれます。
少々手間が掛かりスペースが必要なので、今年は10数株だけにしました。
もう一つは、よく行われている畑に置いたまま外葉を縛る方法です。


但し、この品種は外葉がパリッとしているため強く縛ると破れてしまいます。
何れも大玉でやりにくいのですが、外葉が大きく枚数も多いので結球は完全に縛れます。
4㎏超え確実の大球です。


縛りました。


この方法は、手間が掛からず簡便なので、今年は20数株。


この後不織布で覆いをします。


問題は、酷寒になるとやはり凍害を受ける可能性があります。
一方、暖冬だと結球内では花芽が生長し、放置すると割れてきます。2月には中に取り込まないといけません。
一つ切ってみました。3㎏は優に超えています。


黄芯系ハクサイらしく黄色い葉が表面近くまでぎっしりと詰まっています。
今ではすっかり黄芯系の品種が主流になりました。


原木シイタケはほどほどに穫れ続ける

2024年12月19日 | 山菜

11月下旬になりようやく穫れてきた原木シイタケ。
気温がぐっと下がってきたのでどうなることかと思って見ていましたが、ほどほどに穫れ続けています。
全体の原木はこのような配置になっています。


右の列手前が今年植菌1年目の原木、次に植菌4年目の原木、右奥が整理し少し残している植菌6年目の原木。
左の列手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。
右外れの少し見えるのは番外で6年目の傷んだ原木のまだ穫れそうなものを寄せたもの。
今年の空梅雨から日照りは湿気を好むシイタケ菌にとっては相当なストレスだったはずです。
灌水できる環境にないため駄目になる原木もあるのではないかと思っていました。
それでも遅かりしとはいえ、いわゆる秋子の発生があったのでほっと一息と言ったところです。
これが稙菌1年目の原木。


今年は殆ど期待していませんでした。それが想定外の発生です。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。


一夏しか経過していないのでこれほど出るとは思っていませんでした。
稙菌を多くしたのと仮伏せ時に水分が確保できたことによると思います。


稙菌1年目の原木のシイタケが出ていなければ寂しいものになっていたでしょう。
これが稙菌2年目の原木。


こちらは想定通り。二夏を越したのでメインになるだろうと思っていました。


穫り始めた頃より比較的揃ったシイタケが出ています。


但し、今見えるものを穫った後、どの程度続くかは分かりません。


相変わらずほんのポツポツと言った出方です。
やはり昨年秋と今年の春に沢山出た反動があるようです。夏の水分不足が拍車をかけました。


これが稙菌4年目の原木。


こちらも未だ僅かしか出ていません。やはり今年の春によく出た反動かも。
まだ弱るには早い思うのですが。


これが植菌6年目の原木。


さすがに傷みが目立ってきました。
春に整理し一部を残したのですが、来年にはすべて整理するつもりです。
それでも僅かながら出ています。


番外にも出ているものがあります。


気温が大分下がってきたので、見るのは週一くらいでよくなっています。
その程度で穫り遅れのものも殆ど出ません。


成長するのに日数が掛かっている分、肉厚のシイタケが穫れます。


今年の秋は一面シイタケのような風景を期待したので残念ではありました。
それでも異常な空梅雨から日照りを乗り越え役に立つ程度穫れたことに満足すべきかもしれません。
この後、厳寒期に向かいどの程度出てくれるものか。
貴重な具材なので郎党の期待もあります。注意して見ていきたいと思っています。







干し柿づくり'24~大玉あんぽ柿の仕上がり

2024年12月18日 | 干し柿づくり

干し柿は、干し始めてから4週間ほど。あんぽ柿が仕上がりました。


今年は大玉揃いだったため遅れると思いましたが、想定以上に早く出来上がりました。
400g超えの特大玉も多く、昨年のような暖冬ならこのように早くは仕上がらなかったでしょう。
今年は冬らしい寒風吹きすさぶ日もあり昨年とは様相が違います。
大玉の柿を乾燥するのには恵まれた天候だったと言えそうです。
そして、今年は大部分を横吊りにしていることも、安定した乾燥につながっています。
やはり大玉では縦吊りより横吊りの方が満遍なく乾燥が進みます。
乾燥が進むと全体に皺が出てきます。


我が家ではあんぽ柿から白粉を吹かせるころ柿まで進めるので途中で揉みの一手間を加えます。
当地では昔から心切りと言っていますが、種の周りを柔らかくするものです。
そのため、より皺は出やすい。揉まなければ皺はあまり出ません。
すでに甘みは十分で数日前から食べているので、どの時点で完成かは微妙ではあります。


やはり見かけと味の問題です。
まず表面がブヨブヨでは具合が悪い。中身がトロトロで滴るようでも具合が悪い。
そして、甘いだけでなく干し柿らしい旨味が出ないと仕上がったとは言えません。
一方、今年のように想定以上に乾燥が進んだ時は乾燥しすぎにも注意する必要があります。


想定より乾きが進んだため、吊したまま空気に晒し続けると硬くなってしまう恐れがあるのです。
窓などの開閉部はすべて閉め切りました。
また、縦吊りに加え横吊りの一部を縦吊りに変え、このように紙袋で覆いをしました。


紙袋は30キロ入りの米袋を利用するのが便利。3層になっている内側の1枚を外すと綺麗な状態で使えます。
横吊りにしたもの大部分も間もなく直接空気に晒されないよう覆いをします。
色上がりもまずまず。急速に乾燥が進んだため、さしもの大玉もかなり縮みました。


早いものは僅かに白粉の気配が見えます。これであんぽ柿の出来上がりとします。


今年は殆どが大玉なのでボリューム十分の干し柿が味わえそうです。
我が家ではあんぽ柿からさらにころ柿へと進めていきます。
あんぽ柿、ころ柿と言っても別物ではなく連続しているので甚だ主観的なものです。
見た目上、白粉の吹かないものを「あんぽ柿」、白粉が吹いたものを「ころ柿」と区別するのが分りやすいと言うことだけです。
1週間くらい経てば薄らと白粉が見えてくるはずです。
当地方の干し柿は殆どが白粉を出さないあんぽ柿として出荷されます。大産地の福島県伊達地方も同様。
我が家では春先まで干し柿の姿や味の変化を愉しみながら長く食するのが恒例です。
今年としては中間くらいの干し柿を取ってみました。


中身はいわゆるゼリー状。ねっとりとしてトロトロと滴ることはありません。典型的なあんぽ柿になっています。


十分な甘味だけでなく干し柿らしい旨味も乗ってきました。
これから白粉を吹かせてころ柿まで進めますが、白粉や硬さの程度も次第に変化します。
人によって好みは様々です。
少量なら好みの時に冷蔵したり冷凍保存したりすれば、長く好みの状態が保たれます。